1種冷凍学識計算11月試験攻略-問3:平成20年度

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R410A冷凍装置における空冷凝縮器

 空冷凝縮器の代表的な問題でしょう。

第一種冷凍機械責任者試験 平成20年度 問3(11月試験)

問3 R410A冷凍装置における空冷凝縮器が下記の条件で使われている。この凝縮器について、次の(1)~(3)の各問に、解答用紙の所定欄に計算式を示して答えよ。

(20点)

 1種冷凍学識平成20年度問3(条件)

 ただし、凝縮温度と冷却空気温度との差は、算術平均温度差を用いるものとする。

(1)凝縮器出口の冷却空気温度ta2(℃)を求めよ。
(2)凝縮温度と冷却空気温度との算術平均温度差Δtm(k)を求めよ。
(3)凝縮温度tk(℃)を求めよ。
(4)送風機の送風量が減少すると、凝縮器の平均熱通過率、冷却空気の出口温度、算術平均温度差および凝縮温度は、それぞれ大きく(高く)なるか、小さく(低く)なるか。ただし、凝縮負荷および冷却空気の入口温度は変わらないものとする。

(1) 凝縮器出口の冷却空気温度ta2(℃)を求めよ。

 基本式はこれ。(『上級 冷凍受験テキスト:日本冷凍空調学会』<9次:P84右 (7.4式)><8次:P84左(7.4式)>)7.4式を設問の記号に当てはめると、

 Φk = Ca・qva・ρa(ta2 - ta1) とにかく変形するなりして、ta2を求めれば良い。

 途中経過も書こうか。(本番では必要ないですよ)

Φk = Ca・qva・ρa(ta2 - ta1)の変形の式

となる。 

数値を代入して、

ta2求める式へ数値代入

  答え ta2 = 41.0 ℃

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(2) 凝縮温度と冷却空気温度との算術平均温度差Δtm(k)を求めよ。

 基本式はこれ。(テキスト<9次(8次):P84(7.6)式>)

 Φk = K・A・Δtm

 変形して数値代入しましょう。楽勝ですね。

Δtmを求める式へ数値代入

  答え Δtm = 10.8 K

(3) 凝縮温度tk(℃)を求めよ。

 基本式はこれ。

Δtmとtkの式

 楽勝ですね、(1)で求めたta2、(2)で求めたΔtm、ta1の数値を代入しましょう。

Δtmとtkの式へ数値代入

  答え tK = 47.3 ℃ (本番では、もっと式を簡略してくださいね)

(4) 送風機の送風量が減少すると、凝縮器の平均熱通過率、冷却空気の出口温度、算術平均温度差および凝縮温度は、それぞれ大きく(高く)なるか、小さく(低く)なるか。ただし、凝縮負荷および冷却空気の入口温度は変わらないものとする。

  • 送風量が減少すると、空気の熱伝達率が小さくなるので、平均熱通過率Kは小さくなる。 
      (参考:テキスト<9次:P76表6.2>と、P83の左2行目を読む。<8次:P76表6.2>と、P83の左4行目を読む。
  • 送風量が減少すると、(1)における式のqvaが小さくなるので、冷却空気温度ta2は大きくなる。
     (1)の式
  • 送風量が減少すると、(2)における式のKが小さくなるので、算術平均温度差Δtmは大きくなる。
     (2)の式
  • 送風量が減少すると、(3)における式のΔtm、ta2が大きくなるので、凝縮温度tkは大きくなる。
     (3)の式

 こんな感じだけども、計算式は分り易いように書いただけなので本番では省略しても大丈夫です。

訂正箇所履歴

【2016/02/23 新設】

  • 問題文の(条件)凝縮器の伝熱 → 凝縮器の伝熱面積 (2016/10/20)
  • 数式の画像や解説など全般的に見直し。(2017(H29)/05/05)
  • 『上級 冷凍受験テキスト』9次改訂版に対応。(2023(R05)/06/11)

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