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問題文は、図や線図がありません文字だけです。理論値ではありません。
問題1 冷凍能力25kWの二段圧縮一段膨張冷凍装置が下記の冷凍サイクルで運転されている。
(1)および(2)について計算の過程を示して答えよ。ただし、圧縮機の機械的摩擦損失仕事は熱として冷媒に加わるものとし、配管での熱損失はないものとする。
(1) この冷凍装置の実際の凝縮負荷は何kWか。
(2) この冷凍装置の実際の成績係数はいくらか。
解き方の流れをザッと記しておきましょう。
記号を決めておきましょう。
冷凍能力Φoは25kWと与えられていますから、次式から計算できます。
Φo = qmro(h1 - h8)
左辺に入るもの、右辺に出るものでまとめます。
qmrk・h5 + qmro・h2´ = qmrk・h3 + qmro・h7
(h2は、h2´であることに注意)
qmroを左辺、qmrkを右辺にまとめます。
qmro・h2´- qmro・h7 = qmrk・h3 - qmrk・h5
qmro(h2´- h7) = qmrk(h3 - h5)
ハイ、qmroとqmrkを含んだ熱収支式の出来上がり。
h4´は、描いてありません。
h2´は実際の吐き出しガス比エンタルピーです。圧縮機の機械的摩擦損失仕事は熱として冷媒に加わると指定されていますので、次式で求めます。
2.で導き出した熱収支の式。これは記憶するより、導き出せるようにした方が断然お得です。
qmro(h2´ - h7) = qmrk(h3 - h5)
算数の時間って感じですが、数値代入をくれぐれも間違えないように。
凝縮負荷Φkを求めるには、高段圧縮機の実際の吐き出しガス比エンタルピーh4´が必要です。
基本式はコレ。
Φk = qmrk(h4´ - h5)
h4は、h4´であることに注意。
h5をh7にしないように。
答え 39.53 kW
3種類の解き方を記しておきます。
(1)で、qmro、qmrk、h2´、h4´をせっかく求めたので使おうじゃないか。という感じ。
数値代入して一気に。
答え 1.72
比エンタルピーだけを使用した、とてもスマートな式が模範解答にはいきなり記されています。その式を導き出してみましょう。 ま、前途の解き方を一気に式にして整理するだけなんですけどね…。
COPを求める式に、基本式を組み込みます。
模範解答に出てくる式が出来上がりました。(本番では、この式をいきなり書けばよいでしょう。)
注) この式はh2´とh4´ですが、ηc・ηmを使用してh2(h2´)とh4で計算する式もあります。 (詳細は、平成22年度(11月試験)問1:二段圧縮一段膨張の(COP)Rを参照のこと。)
疲れましたが、数値代入して計算してみましょうか。
答え 1.72
「ぁ、そうか!(1)求めたΦkを使い超簡単に計算する。」という感じ。 設問的には、Φoが指定されていて、Φkを求めたのだからこの解き方が本流かなぁ?講習でヒントがあるかも。
と、いうわけです。
答え 1.72
そんなわけで、 とっても長い解答になってしまいましたが、本番ではこんなに書ききれません。採点者の気持ちになって要点が通じるような、ざっくりカットした計算式を組み立ててください。
ご健闘をお祈りしています。
【2018(H30)/06/03 新設】