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問題文は、図や線図がありません文字だけです。(1種冷凍学識計算攻略で解説に使用しています。)
問題1 水冷凝縮器を使用したR22二段圧縮一段膨張冷凍装置を下記の条件で計画した。 (運転条件) 低段圧縮機吸込み蒸気の比エンタルピー h1 = 400kJ/kg 理論断熱圧縮後の低段圧縮機吐出しガスの比エンタルピー h2 = 439kJ/kg 高段圧縮機吸込み蒸気の比エンタルピー h3 = 413kJ/kg 理論断熱圧縮後の高段圧縮機吐出しガスの比エンタルピー h4 = 439kJ/kg 中間冷却器用膨張弁直前の冷媒液の比エンタルピー h5 = 246kJ/kg 蒸発器用膨張弁直前の冷媒液の比エンタルピー h7 = 217kJ/kg 圧縮機の断熱効率(低段、高段とも) ηc = 0.70 圧縮機の機械効率(低段、高段とも) ηm = 0.90 水冷凝縮器の冷却水量 qmw = 10kg/s 冷却水の凝縮器入口と出口の温度差 Δt = 5.0K 冷却水の比熱 cw = 4.2kJ/(kg・K) このとき、次の(1)、(2)、(3)について、それぞれ解答用紙に計算式を示して答えよ。 ただし、圧縮機の機械的摩擦損失仕事は熱として冷媒に加わるものとする。 また配管での熱の出入りはないものとする。 (20点) (1)凝縮負荷Φk(kW)を求めよ。 (2)冷凍能力Φo(kW)を求めよ。 (3)圧縮機所要動力P(kW)を求めよ。
こんな感じですね。
サクッと?片付けます!
問題には、水冷凝縮器の冷却水量qmw、冷却水のΔt、比熱cwが指定されていますから、下の式を使います。この式の説明はとくにしません、テキストを読んでいれば 大丈夫だと思います。この後、熱の問題で嫌になるほど出てきますし…。
Φk = cw・qmw・Δt = 4.2 × 10 × 5 = 210(kW)
答え 210(kW)
これも熱収支が一番のカギ。
冷凍能力Φoは、
Φo = qmro(h1 - h8) --- (1)
ここで、h7 = h8であるから、この(1)式の中でqmroが分かればΦoを求められます。
さて、頭をひねります・・・。はい、そうです、そうです。中間冷却器の熱収支にはqmroが含まれているはずです。
とにかく、熱収支の式を書いてみます。ぉっと、その前に中間冷却器部分を抜き出して図に書いてみましょう。
如何ですか、サクッとかけましたか。
では、
入るものを左辺、出るものを右辺に並べてみます。
ぇぃ。
qmrk・h5 + qmro・h2´ = qmrk・h3 + qmro・h7
qmro (h2´ - h7) = qmrk (h3 - h5)
--- (2)
これで、qmroが求められそうですが、qmrkが分かりません。 それと、h2´ですね。
このあたりは、2種冷凍で勉強しました。分からない方は、上級テキストの55ページあたり、 または、2種冷凍学識攻略「「機械的損失仕事は冷媒に熱として加わらないものとする」とは?」ページを見てください。(別窓で開きます)
h2´を求めます。
--- (3)
サクッと?qmrkを求めます。
そうです、(1)で求めた凝縮負荷Φkを使います。
Φk = qmrk (h4´- h5) --- (4)
ここで注意するのは、低段側のh2´同様、高段側でもh4´です!
まずは、h4´を求めます。
--- (5)
h4´を求めたので、(4)式からqmrkを求めます。
よって、qmroは(2)式を用いて、
やっとここまで来ました・・・(1)式に、qmroを代入しΦoを求めます!
Φo = qmro (h1 - h8)
ここに、h7 = h8(←まごつかないように、p-h線図を見れば分かります。)
Φo = 0.6874 × (400 - 217) = 125.7942 ≒ 125.8(kW)
答え 125.8(kW)
動力Pを求めるには…。(1)と(2)で凝縮負荷Φkと冷凍能力Φoを求めたので、
Φk = Φo + P --- (6)
この式は、基本中の基本です。
(6)式よりPは、
P = Φk - Φo = 210 - 125.8 = 84.2(kW)
低段側動力PLと高段側動力PHの和でも求められます。試験時間に余裕があったら確かめてみましょう。 P = PL + PH = qmro (h2´- h1) + qmrk (h4´- h3) = 0.6874 (461.9 - 400) + 1.008 (454.3 - 413) = 42.55 + 41.63 = 84.18 ≒ 84.2(kW)
めでたしめでたし...それにしても、長々とかかってしまいました。
こんな感じでどうでしょうか、まだチョと長いかもしれませんね。(低段側冷媒循環量qmro、高段側冷媒循環量qmrkとする) みたいな説明は、スペースや時間がなかったら省いても大丈夫だと思います。(・・・・・たぶんね) ちなみに、思い切って省いた解答例を書いてみます。
(1) Φk = cw・qmw・Δt = 4.2 × 10 × 5 = 210 答 210(kW)
(2) Φo = qmro(h1 - h8) = 0.6874 × (400 - 217) = 125.8 答 12 5.8(kW)
(3) P = Φk - Φo = 210 - 125.8 = 84.2 答 84.2(kW)
どうでしょうね・・・20点満点もらえますかね。
ご健闘をお祈りしています。
【2016/02/11 新設】