1種冷凍学識計算講習検定試験攻略-問3:平成24年度

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冷蔵庫用フィンコイル蒸発器

 検定試験では珍しい  蒸発器 の問題です。

第一種冷凍機械責任者試験 平成24年度(講習検定試験)

問3 冷蔵庫用フィンコイル蒸発器があり、その仕様および運転条件は次のとおりである。

平成22年度1種冷凍講習検定試験問3 冷蔵庫用フィンコイル蒸発器の運転条件

 このとき、次の(1)~(3)について、それぞれ解答用紙に計算式を示して答えよ。ただし、フィンコイル材の熱伝導抵抗は無視できるものとする。

(20点)

 (1) 蒸発器の外表面積基準の熱通過率K [kW/(m^2・K)]を求めよ。

 (2) 蒸発器の冷却能力Φo (kW)を求めよ。

 (3) 除霜直後、霜がついていないときの冷媒と空気との間の平均温度差Δtmo(K)を求めよ。ただし、蒸発器の冷却能力およびその他の条件は除霜前と変わらないものとする。

概略図と解き方

フィン蒸発器概略図

平成24年度1種検定問3 冷蔵庫フィンの図

仕様および運転条件
  • αa=0.04 kW/(m^2・K)
  • αr=4 kW/(m^2・K)
  • δ=6 mm
  • λ=0.0004 kW/(m・K)
  • A=15 m^2
  • m=8
  • Δtm=10 K
覚えた公式
  • Kの公式
  • Φo = K・A・Δtm

(1) 蒸発器の外表面積基準の熱通過率K [kW/(m^2・K)]を求めよ。

 特に説明はいらないでしょう。

Kを求める

   答え 0.0238 [kW/(m^2・K)]

(2) 蒸発器の冷却能力Φo (kW)を求めよ。

 特に説明はいらないでしょう。

Φkを求める

   答え 3.57 (kW)

(3) 除霜直後、霜がついていないときの冷媒と空気との間の平均温度差Δtmo(K)を求めよ。ただし、蒸発器の冷却能力およびその他の条件は除霜前と変わらないものとする。

 設問より、Φoおよびその他条件は変わらないので、霜除去後の熱通過率を  K0 、平均温度差を  Δtm0 とすると、

  Φo = K・A・Δtm = K0・A・Δtm0 となる。


 ここで  K0 は、霜がないので  δ/λ が消えるので次式のようになる。(一気に計算しちゃいましょう。)

K0を求める

   Δtm と  Δtm0 と  K と  K0 の関係は、

ΔtmとΔtm0とKとK0の関係1

 よってΔtm0は、(Δtm=10)

ΔtmとΔtm0とKとK0の関係2


   答え 6.43 (K)

コメント

 (3)がパズル的ですが、とく問題はないでしょう。

訂正箇所履歴

【2018(H30)/09/13 新設】

  • 計算結果が間違っていたので訂正。(2023(R05)/05/26)
    Kを求める
       答え 0.0370 [kW/(m^2・K)]
         |
        下記に訂正
         ↓
    Kを求める(訂正した式(2023/05/26))
       答え 0.0238 [kW/(m^2・K)]


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