1種冷凍学識計算講習検定試験攻略-問1:平成25年度

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二段圧縮一段膨張冷凍装置です。

 圧力の問題があります。それと検定では珍しいバイパス冷媒循環量qmro´が問われます。

第一種冷凍機械責任者試験 平成25年度(講習検定試験)

問1 下図は、R410A二段圧縮一段膨張冷凍装置の理論冷凍サイクルである。その運転条件は次の通りである。

平成25年度1種冷凍講習検定試験問1冷凍装置の運転条件

平成25年度講習検定試験問1。問いの線図

 このとき、次の(1)~(5)について、それぞれ解答用紙に計算式を示して答えよ。(2)~(5)については、計算式を示して答えよ。

(20点)

 (1) 凝縮圧力Pk、蒸発圧力Poとするとき、中間冷却器内の最適な中間圧力Pmを求める式を示せ。ただし、圧力Pk、PoおよびPmはいずれも絶対圧力である。

 (2) 低段側冷媒循環量qmro(kg/s)を求めよ。

 (3) 中間冷却器へのバイパス冷媒循環量q´mro(kg/s)を求めよ。

 (4) 理論凝縮負荷Φk(kW)を求めよ。

 (5) 総理論圧縮動力Pth(kW)を求めよ。

なにはともあれ、概略図と(線図)を描きましょう。

第一種冷凍機械責任者学識【講習検定】平成25年度問1線図(二段圧縮一段膨張) 第一種冷凍機械責任者学識【講習検定】平成25年度問1概略図(二段圧縮一段膨張)

 線図は設問に描かれています。数値を書き加えるとウッカリミスが減るかもね。概略図もサクッと描けられれば鬼に金棒です。 目をつぶっても描けるぐらいなら合格!

(1) 凝縮圧力Pk、蒸発圧力Poとするとき、中間冷却器内の最適な中間圧力Pmを求める式を示せ。ただし、圧力Pk、PoおよびPmはいずれも絶対圧力である。

PoとPmとPkの説明用線図

 最適な中間圧力Pmは、高段凝縮圧力Pkと低段蒸発圧力Poとの圧力比が等しくなることが望ましい。(『上級 冷凍受験テキスト:日本冷凍空調学会』<9次(8次):P28右 式(2.29)>)

中間圧力Pmは高段凝縮圧力Pkと低段蒸発圧力Poとの圧力比が等しくなる式

 よって、

  Pm^2 = Pk・Po

  Pm = √Pk・Po   注) PkとPoの積に√

  答え Pm = √Pk・Po   注) PkとPoの積に√

(2) 低段側冷媒循環量qmro(kg/s)を求めよ。

 2冷レベルです。

Φo = qmro(h1 - h8)の説明用概略図

基本式
Φoとqmroの基本式

 ここに、h7 = h8

 では、
Φoとqmroの基本式へ数値代入

  答え 0.243 (kg/s)

(3) 中間冷却器へのバイパス冷媒循環量q´mro(kg/s)を求めよ。

基本式

qmrk = q´mro + qmro

 qmroは(1)で求めました。qmrkを求めるには中間冷却器の熱収支式を組み立てなければなりません。

中間冷却器概略図

 左辺に入るもの、右辺に出るものでまとめます。

  qmrk・h5 + qmro・h2 = qmrk・h3 + qmro・h7

 qmroを左辺、qmrkを右辺にまとめます。

  qmro・h2 - qmro・h7 = qmrk・h3 - qmrk・h5

  qmro(h2 - h7) = qmrk(h3 - h5)
  ハイ、qmroとqmrkを含んだ熱収支式の出来上がり。


 よって、qmrkは、

熱収支からqmrkを求める式に数値代入。


 よって、

q´mro = qmrk-qmroに数値代入。

  答え 0.068 (kg/s)

(4) 理論凝縮負荷Φk(kW)を求めよ。

 さっさと、片付けましょう。

Φkを求める式に数値代入。

  答え 65.0 (kW)

(5) 総理論圧縮動力Pth(kW)を求めよ。

 さっさと、
Pth = Φk-Φo = 65.0-50 = 15.0

 このほかに、PLとPHを求めて合計する方法もあるがこれでも十分満点くれると思われる。それに、試験時間を短縮するためにもこれのほうが良いだろう。

  答え 15.0 (kW)

コメント

 理論冷凍サイクルなのでややこしい計算はない。その分(1)~(5)までと問題数が多い。中間冷却器の熱収支はもちろん、バイパス冷媒循環量q´mroの絡みを把握しておきたい。ま、講習で説明があると思うけど。

訂正箇所履歴

【2018(H30)/07/07 新設】

  • 『上級 冷凍受験テキスト』9次改訂版に対応。(2023(R05)/05/31)

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