1種冷凍学識計算講習検定試験攻略-問2:令和7年度

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冷媒液噴射式冷凍サイクル

 噴射の割合 %が設問で指定されていない問題は初めてと思われます。(11月試験でも)

第一種冷凍機械責任者試験 令和7年度(講習検定試験)

2. 圧縮機吐き出しガス温度が高温になりすぎることを防止するために、冷媒液を噴射して圧縮機吸込み蒸気の過熱度を小さくする R410A 単段圧縮冷凍装置がある。この冷凍装置の理論冷凍サイクルのp-h線図、理論冷凍サイクルの使用及び圧縮機の効率を下記に示す。このとき、次の(1)~(4)について、それぞれ解答用紙に計算式を示して答えよ。
 ただし、圧縮機の機械的摩擦損失は熱となって冷媒に加わるものとし、機器及び配管と周囲との間で熱の出入りはないものとする。(20点)

令和7年度1種冷凍講習検定試験問2 冷媒液噴射式冷凍装置のp-h線図

(理論冷凍サイクルの仕様)
 冷凍装置の冷凍能力                  Φo = 50 kw
 圧縮機吸込み蒸気のの比エンタルピー          h1 = 410 kJ/kg
 理論断熱圧縮機の圧縮機吐き出しガスの比エンタルピー  h2 = 492 kJ/kg
 膨張弁および液噴射弁直前の冷媒液の比エンタルピー   h3 = 261 kJ/kg
 蒸発器出口の冷媒蒸気(冷媒液噴射前)の比エンタルピー h5 = 428 kW
(圧縮機の効率)
 圧縮機の断熱効率                   ηc = 0.75
 圧縮機の機械効率                   ηm = 0.88

(1) 圧縮機の冷媒循環量 1 kg あたりの噴射冷媒液量 qp (kg/kg)を求めよ。

(2) 圧縮機の冷媒循環量 qmr (kg/s)を求めよ。

(3) 実際の凝縮負荷 Φk (kW)を求めよ。

(4) 実際の冷凍装置の成績係数 (COP)Rを求めよ。

とりあえず、p-h線図と概略図を描きましょう。

 与えられたな数値や必要な記号などを書き込み、サクッと描きましょう。目をつぶって描けられるようであれば、たぶん合格!!

和7年度1種冷凍講習検定試験問2 冷媒液噴射式冷凍装置のp-h線図
冷媒液噴射式冷凍装置のp-h線図

和7年度1種冷凍講習検定試験問2 冷媒液噴射式冷凍装置の概略図
冷媒液噴射式冷凍装置の概略図

 ポイント👉️ 設問に例年のように噴射量「〇〇%」の指定がありません。「冷媒循環量 1 kg あたりの噴射冷媒液量 qp (kg/kg)」が味噌。

(1) 圧縮機の冷媒循環量 1 kg あたりの噴射冷媒液量 qp (kg/kg)を求めよ。

冷媒液噴射式冷凍装置液噴射混合点(a点)の概略図
冷媒液噴射式:液噴射混合点(a点)の概略図

 a点の熱収支を組み立てましょう。

 a点に、入るものを左辺、出るものを右辺にまとめます。

  qmrqph6 + qmr(1 - qp)h5 = qmrh1

 ここに、h6 = h3を代入します。

  qmrqph3 + qmr(1 - qp)h5 = qmrh1

 左辺と右辺のqmrが消えます。

  qph3 + (1 - qp)h5 = h1


 ここで、qpを求めるために式を整理します。比エンタルピーの大きい数値から小さい数値を引き算するように考えて左辺と右辺に振り分けます。

  qph3 + (1 - qp)h5 = h1

  h5 - h1 = qph5 - qph3

  h5 - h1 = qp(h5 - h3)

 よって、

  qp = (h5 - h1) / (h5 - h3)

 数値代入しましょう。

  qp = (h5 - h1) / (h5 - h3)

    = (428 - 410) / (428 - 261)

    = 18 / 167

    = 0.10778

    ≒ 0.108


   答え qp = 0.108 (kg/kg)

 ポイント👉️ 長々と説明と式を記していますが、本番では太字の式だけ大胆に書いておけばよいでしょう。式の導き方を把握して(練習して)おきましょう。

(2) 圧縮機の冷媒循環量 qmr (kg/s)を求めよ。

冷媒液噴射式冷凍装置蒸発器周りの概略図
冷媒液噴射式:蒸発器周りの概略図

 設問で Φoが与えられています。基本式はこれ、

  Φo = qmr(1 - qp)(h5 - h4)

 よって、qmrは、

  qmr = Φo / {(1 - qp)(h5 - h4)}


 数値代入しましょう。

  qmr = Φo / {(1 - qp)(h5 - h4)}

    = 50 / {(1 - 0.108)(428 - 261)}

    = 50 / (0.892 × 167)

    = 50 / 148.964 = 0.3356515

    ≒ 0.336


   答え qmr = 0.336 (kg/s)

(3) 実際の凝縮負荷 Φk (kW)を求めよ。

冷媒液噴射式冷凍装置凝縮器周りの概略図
冷媒液噴射式:凝縮器周りの概略図

 基本式はこれ、

  Φk = qmr(h'2 - h3)

 ポイント👉️ h2は、h'2であることに注意。

 h'2を求めましょ。

  h'2 = h1 + {(h2 - h1) / (ηcηm)}

    = 410 + {(492 - 410) / (0.75 × 0.88)}

    = 410 + {82 / 0.66}

    = 410 + 124.242424

    ≒ 534


 数値代入しましょ。

  Φk = qmr(h'2 - h3)

    = 0.336 × (534 - 261)

    = 0.336 × 273

    = 91.728 ≒ 91.7


   答え Φk = 91.7 (kW)

 ポイント👉️ 答えの小数点以下の数値に多少の誤差があっても減点されないでしょう。(計算式に qmr=0.3356 や h'2=534.2 を使った場合など.)

(4) 実際の冷凍装置の成績係数 (COP)Rを求めよ。

 基本式は、

  (COP)R = Φo / P

  P = Φk - Φo

 一気に、

  (COP)R = Φo / P

    = Φo / (Φk - Φo)

    = 50 / (91.7 - 50)

    = 50 / 41.7 = 1.1990407

    ≒ 1.20<


   答え (COP)R = 1.20

コメント

 (1 - qp) を用いた熱収支式が組みたてられるかが合否の分かれ道でしょう。講習ビデオでしっかり?説明されていたかと思います。☺️

訂正箇所履歴

【2025(R07)/08/02 新設】

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