液配管 P159~P161(P153~P155)

冷凍サイクル概略図 冷媒液配管
冷凍サイクル概略図 冷媒液配管

 液配管は、凝縮器(受液器)→ 膨張弁 → 蒸発器までの配管。

 『上級 冷凍受験テキスト:日本冷凍空調学会』<9次:P159右下~ (11.4.2 液配管)>、満遍なく読んでおく必要がある。図を見ながらイメージしましょう。

・液配管は、吐出しや吸込みガス配管のように油戻しの問題は生じないが、フラッシュガスの発生と液封事故に特に注意する必要がある。 by echo 答え

【◯】 そうです、フラッシュガスや液封事故をどう防ぐかが問われています。 テキスト<9次:P159右「11.4.2 液配管」>の冒頭。

 以下、テキストの(a)~(h)まで過去問に合わせて適当にまとめてあります。

テキスト9次改訂版について

 『上級 受検テキスト:日本冷凍空調学会』9次改訂版(令和4年11月8日改訂)に対応しています。適当に、8次改訂版のページを( )内に残してあります。

(a)(b)(c)P160

液配管の圧力降下と流速について。 テキスト<9次:P160左 (a)、(b)、(c)>


(a)

 液配管での圧力降下の原因 テキスト<9次:P160左 (a)>

・液配管での圧力降下の主な原因は、各種付属品による流れの抵抗、液配管の大きな立ち上がりでの液柱による自重、液管が長い場合の液の摩擦抵抗などがある。 by echo 答え

【◯】 OK!


(b)

 テキスト<9次:P160左 (b)>

・液管内の流速は、3 m/s 以上がよい。 H13保/07 答え

【×】 いろんな数値を覚えねば。 テキスト<9次:P160左 (b)>

液管内の流速は、1.5 m/s 以下がよい。
 (凝縮器から受液器への落とし管は 0.5 m/s 以下)

・蒸発器へ供給する液管内の冷媒の速度は 1.5 m/s 以下とし、摩擦抵抗による圧力降下は 0.02 MPa 以下になるように管径を決めた。 H22保/07 答え

【◯】 ぅむ。 テキスト<9次:P160左 (b)>にズバリ。


(c)

凝縮器と受液器を接続する液管について テキスト<9次:P160左 (c)>

凝縮器から受液器への配管(均圧管)概略図
凝縮器から受液器への配管(均圧管)概略図"

・凝縮器から受液器への液落とし管では液の流速を 0.5 m/s 以下として、それ自身で均圧管の役割を持たせるか、あるいは別に外部均圧管を設ける。 H19保/07 答え

【◯】 数値を覚えておかねば。あなたなら大丈夫のはずだ。テキスト<9次:P160左 (c)>

・液配管の施工を行うため、凝縮器から受液器への液落とし管における液の流速を 1.5 m/s とし、液落とし管自身に均圧管の役割を持たせるように設計した。 H27保/07 答え

【×】 液落とし管は 0.5 m/s 以下ですね。 テキスト<9次:P160左 (c)>

・液配管の施工を行うため、凝縮器から受液器への液流下管における冷媒液の流速を1.5 m/sとし、外部均圧管を設けずに、液流下管自身に均圧管の役割を持たせるように設計した。 R05保/07 答え

【×】 ぅ~む。

「液配管の施工を行うため、凝縮器から受液器への液流下管における冷媒液の流速を 0.5 m/s 以下とし、外部均圧管を設けずに、液流下管自身に均圧管の役割を持たせるように設計した。」

 「流速を 0.5 m/s 以下にすれば、外部均圧管は設けなくてよい。」と考えても良いでしょう。


(d) P160

 2基以上の凝縮器 テキスト<9次:P159左(d)>


2基以上の凝縮器と受液器の間の配管

 『上級 冷凍受験テキスト』<9:P160 図11.8>をノートにでも書いて、1.~4.の説明を読み圧力を記入して考えましょう。

  1. 吐き出しガス入り口に 10 Mpa と記入。
  2. B凝縮器は圧力降下が大きので 8 Mpa として記入。
  3. A凝縮器は圧力降下が B より小さいとして、6 Mpa と記入。
  4. それぞれ、10 Mpa から引き算して受液器入り口のヘッダの B側 2 Mpa 、A側 4 Mpa と記入。

 連絡配管にトラップがないと赤線のように、A側よりヘッダ側圧力の低いB側(圧力降下の大きいB側(液落とし管の圧力降下の小さいB側))に液が流れて(押されて)しまう。と、いうわけだ。


では、問題をどうぞ。

・2 基以上の凝縮器の液落とし管を1基の受液器に配管する場合、ヘッダへの液落とし管にトラップがないと、液落とし管の圧力降下の小さい凝縮器内に凝縮液は溜り込む。 H23保/07 答え

【×】 圧力降下の大きい凝縮器内に流れこむ。

 上図でいうと、赤線のように圧力降下の大きい( 8 Mpa )「凝縮器 B 」に流れ込む。

・2台の凝縮器において、ヘッダを利用し、液落とし管を1本にまとめて 1 台の受液器に配管する場合、ヘッダへの液落とし管にトラップがないと、圧力降下の小さいほうの凝縮器内に疑縮液がたまる。 H30保/07 答え

【×】 正しい文章にしてみましょう。

2台の凝縮器において、ヘッダを利用し、液落とし管を1本にまとめて1台の受液器に配管する場合、ヘッダへの液落とし管にトラップがないと、圧力降下の大きいほうの凝縮器内に疑縮液がたまる。


絡配管ヘッダのトラップについて

・2台以上の凝縮器から受液器への1本のヘッダーにまとめて冷媒液を落とす場合、液の流れ抵抗による圧力差は液落とし管に圧力差に見合う液注管とトラップを付けて吸収する。 H14保/07 答え

【◯】 <解説略>

・2基以上の凝縮器から、一本の主管にまとめて受液器へ冷媒液を落とす場合、凝縮器の液落とし管にトラップを設けて、液の流れ抵抗による圧力差を吸収した。 H18保/07 答え

【◯】 H14年の問題と一緒なんだけど言い方がなんとなく違う、嫌らしいね。でも、あなたは大丈夫。

・2基以上の凝縮器からの液落とし管を1本の主管にまとめて受液器へ配管する場合は、液の流れ抵抗による圧力差を吸収するため、液落とし管にトラップを設けなければならない。 H23保/07 答え

【◯】 その通り。
 テキスト<9次:P160左 (d)>を読み、図11.7、8を見れば理解できると思う。

・2基以上の凝縮器から一本の主管にまとめて受液器へ冷媒液を落とす場合には、凝縮器から受液器への液落し管にトラップを設けてはならない。 H25保/07 答え

【×】 トラップを設けねばならない。テキストを読み、図を見れば理解できるでしょう。


(e)~(h)

 意外に過去問が少ない。(予想問題 by echo を掲げる。)テキスト<9次:P160左(e)~(h)>


(e)

 発器が凝縮器より高い場合について テキスト<9次:P160左(e)>

・蒸発器が凝縮器よりも高い位置に設置される場合には、液柱による飽和圧力の低下分を液ガス熱交換器で液を過冷却して、フラッシュガスの発生を防止する。 by echo 答え

【◯】 イメージを膨らませて作図をしてみましたが…、こんな感じかな。


(f)

 2基以上の蒸発器の立ち上がり配管について テキスト<9次:P160左~右 (f)、図11.9>

「2基以上の蒸発器の立ち上がり配管でフラッシュガス発生懸念の場合の対策」の概略図
「2基以上の蒸発器の立ち上がり配管でフラッシュガス発生懸念の場合の対策」の概略図

・2基以上の蒸発器の立ち上がり配管で、フラッシュガス発生の恐れがある場合は、フラッシュガス発生する液配管高さ以上の長さに配管すると良い。 by echo 答え

【◯】 若干のフラッシュガスが発生すると、一番上に溜まり最上部蒸発器の冷却が悪くなるが、こうすることによって均等にガスが分配されて、冷却不具合が少なくなる。テキスト<9次:P160左~右(f)>からの問題文、こんな感じで良いかな。


(g)

 フラッシュガス発生防止について テキスト<9次:P161左 (g)>

・一般に、凝縮器出口の冷媒液は 3 ~ 5 k 程度過冷却されているため、液配管の圧力降下が大きくてもフラッシュガスは発生しない。 by echo 答え

【×】 こんな問題でないかな?

一般に、凝縮器出口の冷媒液は 3 ~ 5 k 程度過冷却されているため、液配管の圧力降下が小さければフラッシュガスは発生しない。

・凝縮器出口の液配管の圧力降下が小さければフラッシュガスは発生しないが、周囲温度がそこの冷媒液飽和温度以上に温かい所を通す場合は、液配管に防熱施工を施す必要がある。また、このようなところに液配管を通さないことが望ましい。 by echo 答え

【◯】 <解説略>


(h)

 液封事故防止について テキスト<9次:P161左 (h)>

・冷凍装置の運転中に周囲温度より低くなる冷媒温度の液配管は、冷媒液が閉じ込められると温度上昇の熱膨張により液封事故が起こる恐れがある。そのため運転停止時に弁などにより封鎖されないような考慮が必要である。 by echo 答え

【◯】 <解説略>

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修正・訂正箇所履歴

【2016/07/28 新設】(← 履歴をここに作った日

  • テキスト8次改訂版へ対応済み。解説見直し。(2017(H29)/01/05)
  • 解説内  (圧力効果の大きいB側) →  (圧力降下の大きいB側)に訂正。(2019(R1)/06/26)
  • 図を追加。(2019(R1)/09/25)
  • 全体的に見直し、図を追加。(2022(R04)/03/25)
  • 『上級 受検テキスト:日本冷凍空調学会』9次改訂版(令和4年11月8日改訂)に対応。(2023(R05)/09/28)
  • 全体的に、見直し。(2023(R05)/09/28)

【参考文献・リンク】

  • 初級 受検テキスト(SIによる初級受検テキスト):日本冷凍空調学会
  • 上級 受検テキスト(SIによる上級受検テキスト):日本冷凍空調学会
  • 冷凍機械責任者(1・2・3冷)試験問題と解答例(13):日本冷凍空調学会
  • 第3種冷凍機械責任者試験模範解答集 :電気書院
  • 第1・2種冷凍機械責任者試験模範解答集 :電気書院

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