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乾式蒸発器の種類・構造・特徴(P79)

乾式蒸発器の種類イメージ図
乾式蒸発器の種類イメージ図

乾式蒸発器の種類

  • 空気冷却用蒸発器
    空調用フィンコイル蒸発器・ユニットクーラ・管棚形蒸発器
  • 空気冷却用蒸発器
    シェルアンドチューブ蒸発器・ブレージングプレート蒸発器

乾式蒸発器の冷凍サイクルp-h線図
乾式蒸発器の冷凍サイクルp-h線図

乾式蒸発器の冷媒

  • 冷媒は温度自動膨張弁で低温低圧冷媒液と乾き冷媒蒸気が混相した状態になる。(点4)
  • 冷媒は乾式蒸発器の冷却管内に流れる。
  • 管外の液体や空気等の被冷却物を冷媒の蒸発潜熱により冷却される。
  • 周囲から熱を取り込み乾き飽和蒸気となり、さらに、若干過熱された状態(過熱蒸気)で圧縮機へと吸い込まれる。(点1)

シェルアンドチューブ乾式蒸発器概略図
乾式蒸発器構造図

乾式蒸発器の特徴

  • 乾式蒸発器へ供給される冷媒量は、一般に温度自動膨張弁の過熱度制御による。
  • フルオロカーボン冷媒
    冷凍機油は冷媒蒸気とともに圧縮機へ吸い込まれる。
  • アンモニア冷媒
    冷凍機油(鉱油)は冷却管内部に滞留しやすいので、時々油抜き弁から抜き取る。
  • 乾式蒸発器は、冷却管内を冷媒が流れるので、冷媒の圧力降下が生じる。圧力降下が大きいと蒸発器出入口管での冷媒の蒸発温度差が大きくなり冷凍降下が低下する。

乾式蒸発器の種類P79

 種類はココで、ザッと把握しておきたい。過去問題は役に立たないので echo 予想問題を記しておこう。(2021(R03)/12/30記ス)

・乾式蒸発器は、冷媒の蒸発形態は冷却管内であり、空気冷却用蒸発器と液体冷却用蒸発器に大別される。 by echo 答え

【◯】 はぃ。この先、この2種類の蒸発器について詳しく出題されます。大枠を把握しておきましょう。

乾式蒸発器の種類イメージ図

・蒸発器は、冷媒の供給方式により、乾式、満液式に分類される。シェル側に冷媒を供給し、冷却管内にブラインを流して冷却するシェルアンドチューブ蒸発器は乾式である。 by echo 答え

【×】 令和元年度の問6を少々改編した問題。
 テキスト<8次:P79 2,3行目>から読み取る。正しい文章にしてみましょう。

シェルアンドチューブ乾式蒸発器概略図 (冷却管(チューブ))

  蒸発器は、冷媒の供給方式により、乾式、満液式に分類される。冷却管内に冷媒を供給し、シェル側にブラインを流して冷却するシェルアンドチューブ蒸発器は乾式である。

・蒸発器は冷媒の蒸発形態により乾式蒸発器、満液式蒸発器に分類される。乾式のシェルアンドチューブ乾式蒸発器は、冷却管内に冷媒を供給しシェル側にブラインを流して冷却する冷却管内蒸発であり、満液式のシェルアンドチューブ満液式蒸発器は冷却管外蒸発である。 by echo 答え

【◯】 シェルアンドチューブ乾式蒸発器はテキスト<8次:P83 (図 7.8)>参照、シェルアンドチューブ満液式蒸発器はテキスト<8次:P87 (図 7.12)>参照、 この2つのシェルアンドチューブ蒸発器を把握することは重要なポイントです。


乾式蒸発器の構造P79

 基本的な冷凍サイクルが分かっていれば楽勝。テキスト<8次:P79 2~7行目>

・乾式蒸発器へ供給される冷媒量は、一般に蒸発器自体の過熱度制御機能により流量制御される。 by echo 答え

【×】 蒸発器自体で過熱度制御はできません。テキスト<8次:P79 8行目~>

乾式蒸発器の冷凍サイクルp-h線図

乾式蒸発器へ供給される冷媒量は、一般に温度自動膨張弁の過熱度制御機能により流量制御される。

・フルオロカーボン冷媒冷凍装置の、冷媒液に溶け込んでいる冷凍機油は、乾式蒸発器の冷却管内で分離され冷媒蒸気とともに圧縮機へ吸い込まれる。 by echo 答え

【◯】 フルオロカーボン冷媒とよく溶け合う冷凍機油を選定(テキスト<8次:P52 21行目>)して、圧縮機に戻るようにすると学習しました。テキスト<8次:P79 9行目~>

・アンモニア冷媒冷凍装置の冷凍機油(鉱油)はアンモニアと溶け合わないので、乾式蒸発器の冷却管内に滞留することはない。 by echo 答え

【×】 溶け合わない鉱油は冷却管内に滞留しやすいのです。受液器などの底部にたまった鉱油を抜いて冷媒設備内に油分が滞留しないようにしなければなりません。テキスト<8次:P79 10行目~ (P54 7行目~)


乾式蒸発器の特徴P79

 冷凍機油と圧力降下がポイント。テキスト<8次:P79 8~16行目>

・乾式蒸発器では、冷却管内を冷媒が流れるため、冷媒の圧力降下はさけられない。 by echo 答え

【◯】 多くの冷却管内を流れる冷媒は窮屈な感じがしないでもない。テキスト<8次:P79 13行目>

・乾式蒸発器では、冷却管内を冷媒が流れるため、冷媒の圧力降下が生じる。蒸発器の出入口間の圧力降下が大きいと冷媒の蒸発温度差が小さくなり、冷却能力が低下する。 by echo 答え

【×】  蒸発器の出入口間の圧力降下が大きいと冷媒の蒸発温度差が大きくなり、冷却能力が低下する。 です!

乾式蒸発器の出入口圧力降下大きいときのp-h線図(概略)
乾式蒸発器の出入口間圧力降下大きいときのp-h線図(概略)


p-h線図は、蒸発器入口(点4)から出口(点1)まで圧力降下が大きくなった場合の、概略図です。理論的には蒸発温度と蒸発圧力は一定であるが、蒸発温度差、圧力差、ともに大きくなってしまう。という図です。

・乾式蒸発器では、冷却管内を冷媒が流れるため、冷媒の圧力降下が生じる。この圧力降下が大きいと蒸発器出入口間での冷媒の蒸発温度差が小さくなり、冷却能力が増大する。 R05/07 答え

【×】上記予想問題(by echo)と同等です。正しい文章は、

「乾式蒸発器では、冷却管内を冷媒が流れるため、冷媒の圧力降下が生じる。この圧力降下が大きいと蒸発器出入口間での冷媒の蒸発温度差が大きくなり、冷却能力が低下する。」
nr 乾式蒸発器の出入口圧力降下大きいときのp-h線図(概略)
乾式蒸発器の出入口間圧力降下大きいときのp-h線図(概略)

 21/12/30 23/11/28

 『初級 冷凍受験テキスト』8次改訂版への見直し、済。(21/12/30)

修正・訂正箇所履歴

【2021(R03)/12/30 新設】

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【参考文献】

  • 初級 受検テキスト(SIによる初級受検テキスト):日本冷凍空調学会
  • 上級 受検テキスト(SIによる上級受検テキスト):日本冷凍空調学会
  • 冷凍機械責任者(1・2・3冷)試験問題と解答例(13):日本冷凍空調学会
  • 第3種冷凍機械責任者試験模範解答集 :電気書院
  • 第1・2種冷凍機械責任者試験模範解答集 :電気書院

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