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フルオロカーボン冷媒の特徴(P52~P53)

  • フルオロカーボン冷媒の特徴はテキストに沿って、「金属」「比重」「水分」「冷凍機油」「漏洩検知」に分類しました。
  • 試験過去問題は8次改訂版に合うようなものを精選しました。他、独自のby echo問題を用意しました。

金属(P52:1-6)

 フルオロカーボン冷媒と、鋼、銅、銅合金、マグネシウム、アルミニウム合金の関係を一気に把握しましょう。

・フルオロカーボン冷媒は化学的安定性が高い冷媒なので、装置には銅や銅合金をはじめ、マグネシウムを含むアルミニウム合金の配管や部品の使用には制限がない。 H25/04 答え

【×】 制限がある。胴や銅合金は制限ない、2%を超えるマグネシウムを含有するアルミ合金は使用不可である。テキスト<8次:P52 1~6行>

・フルオロカーボン冷媒単独では、ほとんどの金属を腐食しないが、2%を超えるマグネシウムを含むアルミニウム合金は腐食性があるため、冷凍保安規則関係例示基準で使用禁止となっている。 by echo 答え

【◯】 「2%を超えるマグネシウムを含むアルミニウム合金」を覚えておきましょう。テキスト<8次:P52 4~6行>


比重(P52:7-11)

 テキスト<8次:P53 表4.6>に各種冷媒の比重比較が掲載されている。この表から読み取る問題文も出題されるだろう。

 何はなくても(とりあえず)覚えるもの
 
  • フルオロは油より重い。(油が浮く)
  • フルオロは水より重い。(水が浮く)
  • フルオロは空気より重い。(床面に滞留)

・フルオロカーボンの液は油や水よりも重く、漏えいしたガスは空気よりも軽い。 H10/04 答え

【×】 空気より重い(空気 1、R22 3.651 R134a 3.61)。なので、漏洩ガスは床に溜まる。

・ フルオロカーボン冷媒の液は油より軽く、装置から漏れた冷媒ガスは空気よりも軽い。 H15/04 答え

【×】 フルオロ液は油より重い。ガスは空気より重い。(アンニア液は油より軽い(鉱油と溶け合わない)、ガスは空気より軽い。)

・フルオロカーボン冷媒の液は潤滑油よりも重く、冷凍装置から漏えいしたそのガスは空気よりも軽い。 H18/04 答え

【×】   ガスは空気より重い。 この問題は凄く美味しい、絶対ゲットすること!テキスト<8次:P52>比重の太字がズバリ。

・フルオロカーボン冷媒の比重は、液の場合は冷凍機油よりも大きく、漏えいガスの場合は空気よりも大きい。 H24/04 答え

【◯】 比重の比較は表4.6を見ればわかるのだが、文章的には「重い、軽い」が「大きい、小さい」に変わっただけ。健闘を祈る。

・フルオロカーボン冷媒液は、冷凍機油よりも重いので、運転停止中の圧縮機内では、冷媒が高濃度な液相の上に冷凍機油が高濃度な液相が形成される。 by echo 答え

【◯】 正解ですが…。
 テキスト<8次:P52 9行目> 冷媒が高濃度な液相の上に冷凍機油が高濃度な液相が形成される。 の日本語がよく理解できませぬ。(「冷媒液の丈夫に油が溜まる」ということだと思います。)ま、頭の片隅にとどめておいてください。

・フルオロカーボン冷媒ガスは空気より軽いので、室内に漏えいした冷媒ガスは床面付近に滞留しやすい。 by echo 答え

【×】 テキストは<8次:P52 10行目>です。

フルオロカーボン冷媒ガスは空気より重いので、室内に漏えいした冷媒ガスは床面付近に滞留しやすい。


水分(P52:12-20)

 過去問題は、加水分解による金属腐食の問題が多いですね。


水分の溶解

・フルオロカーボンは水分をよく溶解するので装置内に少量の水分が侵入しても、装置に障害を引き起こすことはない。 H11/15(運転の問題) 答え

【×】 (チョッち、おまけ的に、ここにも置く。)水によく溶解するのはアンモニアです。

 【この問題について】

 問15なので、テキスト的には<8次:P174 (14.4 装置内の水分)>を読んで下さい。
 水とほとんど溶け合わない!水分が低温の運転では膨張弁に氷結して冷媒が流れなくなる。加水分解が生じ、酸が発生して金属を腐食させるなどの障害が発生します。


遊離水分

・フルオロカーボン冷媒液は少量の水分が溶け込み、溶けきれない水分は冷媒液の上に浮く。これは遊離水分となって冷凍装置内を循環する。 by echo 答え

【◯】 はい、冷凍装置内を循環する遊離水分は冷媒の流れに悪影響を与えます。テキスト<8次:P52 12~15行>

・フルオをカーボン冷凍装置内を循環する遊離水分は、膨張弁などの低温部分で凍結し、冷媒が流れなくなることがある。 by echo 答え

【◯】 はい、膨張弁のオリフィスはとても狭いので水分が多いとすぐに凍りそうです。テキスト<8次:P52 15~17行>


加水分解

・R22に水分が混入すると加水分解して酸性物質を作るため、金属を腐食させることがある。 H11/04 答え

【◯】 これはフルオロカーボン冷媒においてはとても有名な?問題。テキスト<8次:P52 18~19行)

・フルオロカーボンに水分が混ざっていると、加水分解され酸性物質を生成するが、装置内は油膜で保護されているため、金属は腐食しない。 H12/04 答え

【×】 装置内は油膜では保護されていない、酸性物質で金属が腐食する。よって、冷凍装置に水分の混入は厳禁です。

・フルオロカーボン冷媒は、水分が混入すると冷媒が加水分解し、酸性の物質を作り金属を腐食させるので、ドライヤをつけて冷媒に混入した水分を吸着して除去する。 H22/04

・フルオロカーボン冷媒に水分が混入すると、冷媒が加水分解し、酸性の物質を作り金属を腐食させるので、フルオロカーボン冷凍装置には、ドライヤをつけて冷媒に混入した水分を吸着して除去する。 H29/04答え

【両方 ◯】その通りとしか言いようがない。
 ドライヤに関してはテキスト<8次:P97 (8.5 フィルタドライヤ)>付属機器で登場するが、 このように問4(冷媒)の問題にヒョッコリ顔を出すので満遍なく読んでおくしかない。

・フルオロカーボン冷媒は、化学的に安定した冷媒であるが、装置内に水分が混入し、温度が高いと冷媒が分解して金属を腐食することがある。また、膨張弁で遊離水分が凍結して詰まることもある。 H23/04  答え

【◯】 そのとおり。テキスト<8次:P52 12~17行)

・フルオロカーポン冷媒と水とは容易に溶け合い、冷媒が分解して酸性の物質を作って金属を腐食させる。 H26/04 答え

【×】 容易に溶け合わないのです。
 なんというか、ズバリ間違いだと混乱するでないの…。テキスト<8次:P52 18~19行)>

・フルオロカーボン冷媒の中に水分が混入すると、高温状態で冷媒が加水分解して酸性の物質を作り、金属を腐食させる。 H28/04 答え

【◯】 ぅむ。短適な良い問題だね。

・フルオロカーボン冷媒は、腐食性がないので銅や銅合金を使用できる利点があるが、冷媒中に水分が混入すると、金属を腐食させることがある。 H30/04 答え

【◯】 素直な良い問題ですね。テキストは<8次:P52の冒頭部分と19行目>


冷凍機油(P52:21-27)

 冷媒によって、潤滑油の種類が違います。テキスト<8次:P21行目~>表にまとめてみました。直感で分かりやすいでしょう。

冷媒と冷凍機油

・フルオロカーボン冷凍装置では、圧縮機から吐き出された冷凍機油は、冷媒とともに装置内を循環し、再び蒸発器から圧縮機へ戻るが、蒸発器内に冷凍機油が残らないようにする。 H27/04 答え

【◯】 「蒸発器内に冷凍機油が残らないようにする。」←この一文はズバリとテキストには書かれていないが、テキスト<8次:P52 22行目>の「冷凍機油の圧縮機への戻りを考慮して」から読み解けばよいだろう。

・冷凍装置の圧縮機の潤滑に使用される冷凍機油は、潤滑性能だけではなく、油が圧縮機に戻るように冷媒液と溶け合わないものを選ぶ。 by echo 答え

【×】 うっかり【◯】にはしないでしょう。

・冷凍装置の圧縮機の潤滑に使用される冷凍機油は、潤滑性能だけではなく、油が圧縮機に戻るように冷媒液とよく溶け合うものを選ぶ。

・HCFC冷媒のR22は鉱油を使用する。 by echo 答え

【◯】 はい。表を見て頂戴。テキストは<8次:P52 23行目>

・HFC冷媒のR32、R134a、R410A、HFO冷媒のR1234yf、R1234zeは、合成油のPAG油またはPOE油を使用する。 by echo 答え

【◯】 はい。表を見て頂戴。「POG」「POE」を記憶しましょう。テキストは<8次:P52 23~27行>

・HFC冷媒のR410Aは、非共沸混合冷媒のため相溶性のある合成油は使用しない。 by echo 答え

【×】 こんな無理やりな【×】問題は出ないかもしれないが…。


漏洩検知(P52:28-P53:4)

 検知器の名前を記憶に留めたい。

・フルオロカーボン冷媒は独特な臭気によって漏洩していることがわかる。 by echo 答え

【×】 これは、アンモニア冷媒のことですね! フルオロカーボン冷媒は無臭無色なので、あなたの後ろにそっと忍び寄ることでしょう。テキスト<8次:P52 最下行>

・フルオロカーボン冷媒の漏洩検知には、電気式検知器や炎色反応を利用したハライドトーチ式検知器を利用する。 by echo 答え

【◯】 炎色反応のハライドトーチ式検知器は、無臭のフルオロカーボン冷媒漏洩時の強い味方です。電気式検知器の漏洩警報が発報したら、現場へハライドトーチ式検知器を持って急行する。という感じでしょう。

 21/12/22

 『初級 冷凍受験テキスト』8次改訂版へ適応。(21(R03)/12/21)

修正・訂正箇所履歴

【2021(R03)/12/22 新設】

【参考文献】

  • 初級 受検テキスト(SIによる初級受検テキスト):日本冷凍空調学会
  • 上級 受検テキスト(SIによる上級受検テキスト):日本冷凍空調学会
  • 冷凍機械責任者(1・2・3冷)試験問題と解答例(13):日本冷凍空調学会
  • 第3種冷凍機械責任者試験模範解答集 :電気書院
  • 第1・2種冷凍機械責任者試験模範解答集 :電気書院

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