3種「保安」内検索

冷凍機の運転準備・開始・停止・休止P167~P170

 『初級 冷凍受験テキスト:日本冷凍空調学会』<8次:P167~P170 (14.1 冷凍装置の運転)>を、読んでおこう。ポツリポツリと「準備・開始・停止・休止」から、まんべんなく出題される感じ

運転準備P167

 テキスト的には<8次:P167~P168にかけて、運転の開始前には9項目を勉強しなさい。と、ある。

・冷凍装置を運転開始するときは、凝縮器の冷却水出入口弁が閉じていることを確認する。 H20/14 H28/14 答え

【×】 テキストを読まなくとも感覚的に分かるような(サービス)問題。テキストは<8次:P167 2)>です。  冷却水出入口弁を開いていることを確認する。

・冷凍装置を運転開始するときは、受液器の液出口弁が閉止していることを確認する。 H17/14 答え

【×】 ぅむ、開いていないとおかしいよね。
テキスト的には…。<8次:P168 3)>かな。  運転中に開いておくべきは全部開き、閉じておくべき弁を閉じる って、当たり前だと…。
 テキスト<8次:P169 (14.1.3 運転の停止) 1)>を読むと、運転停止時に液封を防ぐため、受液器出口弁を閉じ…云々。なので、運転開始するときは開いていることを確認しないといけません。と、いうことになる。

・冷凍装置の運転開始前に行う点検確認項目の中に、圧縮機クランクケースの油面の高さの点検、凝縮器と油冷却器の冷却水出入口弁が開いていることの確認がある。  H25/14 R05/14(「油面の高さや清浄さの点検」、他同じ。) 答え

【◯】 ぅむ。 テキスト<8次:P167 1)、2)>です!

・周囲温度が低い状態で圧縮機を長時間休止すると、クランクケース内の潤滑油に冷媒が溶け込むので、クランクケースヒーターで加熱する必要がある。(フルオロカーボン冷凍装置)H09/13 答え

【◯】 問題が古いがココに置く。
 潤滑油を加熱しフルオロカーボン冷媒が溶け込みにくくする。テキスト的には<8次:P168 8)>です。それから<8次:P41 (3.6.5 オイルフォーミング)>を読めばパーフェクト。

・冷凍装置の運転開始前にはクランクケースヒータの通電を確認するが、これは起動時のオイルフォーミングを防止するために油温を周囲温度以上に維持する必要があるからである。 H26/14 答え

【◯】 全きその通り!としか言いようがない。
 通電確認は、テキスト<8次:P168 8)>、オイルフォーミング防止のため云々は<8次:P41 (3.6.5 オイルフォーミング)>を読むべし。

・毎日運転する冷凍装置の運転開始前の準備では、配管中にある電磁弁の作動、操作回路の絶縁低下、電動機の始動状態の確認を省略できる場合がある。 R01/14 答え

【◯】 そうなんです。毎日の運転の場合は、開始前に省略できるものがあるのです。

 テキスト<8次:P167 下4行目>によれば、省略できない(毎日点検するもの)のは、
  1)クランクケースの油量、清浄の確認
  2)冷却水出入り口弁の開の確認
  3)冷媒系統の弁開閉の確認
  5)液面計、高圧圧力計による冷媒の確認
  8)クランクケースヒータの確認
 の、5項目です。

 テキスト<8次:P168>、  電磁弁の作動 は4)、  絶縁 は6)、  各電動機の始動状態 は7)に記されていて、いずれも省略できるのです。

・冷凍装置の毎日の運転開始前には、受液器の液面計や高圧圧力計により、冷媒が適正に充填されていることを確認する。 R04/14 答え

【◯】 冷媒量の確認は毎日必須です。テキスト<8次:P167 5)


運転開始

 テキスト的には<8次:P168~P169>にかけて13項目あるが、意外に出題数が少ない。でも、あなたの年度はどうかな?…勉強しないとヤバイかもね。健闘を祈る。

8次改訂版コメ: 7次改訂版(平成25年12月改訂)では、「運転開始」に「 8)圧縮機クランクケースの油面を確認し、必要に応じて冷凍機油を補給する。」が記されていたが、8次改訂版(令元年11月改訂)では削除された。よって、 9)が 8)になり、順次繰り下げられ、最終項目 14)が 13)に変更となった。(ココの解説は、8次改訂版へ変更済み)

・冷凍装置の運転開始前には、多気筒圧縮機の吸込み止め弁を全開とし、吐出し止め弁を全閉として圧縮機を始動する。 H23/14 答え

【×】 この問題はココに置く。正しい文章にしてみましょう。

 ・冷凍装置の運転開始前には、多気筒圧縮機の吐出し止め弁の全開を確認してから圧縮機を始動し、吸込み止め弁を徐々に全開になるまで開く。

テキスト<8次:P168 (14.1.2 運転開始) 5)>から読み解く。

・冷凍装置の運転開始後には、液管にサイトグラスがある場合に、それにより気泡が発生していないことを確認する。 H23/14 答え

【◯】 その通り。テキスト<8次:P169 9)
 サイトグラスの不明な方は、Google画像検索でも見てください。→"冷媒 サイトグラス"の検索ページ -- 【参考】 --
7次改訂版(H25(2013)年12月改訂)では、テキストP90に画像入りで「サイトグラス」が追加された。今後はサイトグラスの問題が「付属機器」でも出題されるかもしれない。(2014/08/09記ス)←(テキスト<8次:P99 (8.7 サイトグラス)>)

・運転開始後の油圧は、一般に吸込み圧力よりも0.15~0.4Mpa高い圧力に調整する。 by echo 答え

【◯】 テキスト<8次:P169 6)>には、 (メーカの取扱説明書に従う) と記されているので、この数値は、問題としてどうだろうね。ま、記憶に留められればいいね。

・より一層省エネルギーの運転をするには、蒸発温度をより高い温度に維持する必要がある。このため、過熱度にかかわらず膨張弁の開度を大きくすればよい。 H26/14 答え

【×】 ぅーん、この問題はココかなァ…。
 「蒸発温度をより高い温度に維持する必要がある。」 ← ◯(テキスト的には、疲れたので、略。)
 「過熱度にかかわらず膨張弁の開度を大きくすればよい。」 ← この一文がヤバイ。膨張弁の開度は過熱度を適正値にするワケなので…、「かかわらず」が間違いとなる。それから、「膨張弁の開度を大きくすればよい」ってもんじゃないでしょ。
 テキスト的には<8次:P169 10)>だね。


運転の停止(ていし)

 わざわざ(ていし)と書いたのは、「休止」の問題と惑わされないようにするためです。テキスト<8次:P169 (14.1.3 運転の停止)

・冷凍装置の運転を手動停止する場合、受液器の液出口弁を閉じてしばらく運転して、液封が生じないようにしてから圧縮機を停止する。 H16/14 答え

【◯】 装置内の液冷媒をできるだけ回収して停止する。テキスト<8次:P169 1)


・冷凍装置を手動で停止するときは、圧縮機を停止してから液封が生じないように受液器液出口弁を閉じて、その直後に圧縮機吸込み側止め弁を閉じる。 H24/14 答え

【×】 今度は×。正しい文章にしてみましょう。 テキスト<8次:P169 1)

  冷凍装置を手動で停止するときは、受液器液出口弁を閉じて、液封が生じないようにしばらく運転してから、圧縮機を停止する。その直後に圧縮機吸込み側止め弁を閉じる。


・冷凍機の運転を停めるときには、液封を生じさせないように、圧縮機吸込み側止め弁を閉じてしばらく運転してから圧縮機を停止する。 R04/14 答え

【×】 正しい文章は、

冷凍機の運転を停めるときには、液封を生じさせないように、受液器液出口弁を閉じてしばらく運転してから圧縮機を停止する。

・受液器出口弁を閉じてしばらく装置を運転し、低圧側の冷媒を高圧側の凝縮器ないし受液器に冷媒液として回収する。このような操作をポンプダウンといい、再始動時の液戻りを防止できる。 by echo 答え

【◯】 「ポンプダウン」との過去問がないようなので、予想問題作りました。テキスト<8次:P169 1)>

・冷凍装置の停止時には、多気筒圧縮機の停止直後に吸込み止め弁を全閉とし、吸込み圧力を大気圧以下とする。 H23/14 答え

【×】 テキスト<8次:P169 1)>をジックリ読んでおきたい。正しい文章にしてみましょう。

  ・冷凍装置の停止時には、多気筒圧縮機の停止直後に吸込み止め弁を全閉とし、吸込み圧力を大気圧以下としない

 空気侵入を防ぐため低圧部を大気圧以下(真空状態)にしない。なお、休止中も空気が侵入しないように大気圧以下にはしない。

・冷凍装置の停止時には、油分離器の返油弁を全閉とし、油分離器内の冷媒が圧縮機へ流入しないようにする。 H23/14 答え

【◯】 そうだね、その通り。テキスト<8次:P169 2)>


運転の休止(きゅうし)

 「停止」と「休止」は、混同しないと思いますが、ま、注意注意。テキスト<8次:P170 (14.1.4 運転の休止)

・冷凍装置を長期間休止させる場合、低圧側の冷媒を受液器に回収し、空気の侵入を防止するために、低圧側と圧縮機内には、ゲージ圧力で10kPa程度のガス圧力を保持した。 H17/14 答え

【◯】 休止の場合の問題は、やっぱし、これしかない!? 10kpaという具体的数値も覚えておこう。(忘れた頃に出題される。)テキスト<8次:P170 (14.1.4 運転の休止) 1)

・冷凍装置を長期間休止させる場合には、低圧側の冷媒を受液器に回収するが、装置に漏れがあったとき装置内に空気を吸い込まないように、低圧側と圧縮機内には大気圧より高いガス圧力を残しておく。 H24/14

・冷凍装置を長期間休止させる場合には、低圧側の冷媒を受液器に回収するが、装置に漏れがあったとき装置内に空気を吸い込まないように、低圧側と圧縮機内には大気圧より少し高いガス圧力を残しておく。 H30/14

・冷凍装置を長期間休止させる場合には、低圧側の冷媒を受液器に回収するが、装置内への空気の侵入を防ぐために、低圧側と圧縮機内に大気圧より高いガス圧力を残しておく。 R01/14 答え

【全部 ◯】 ぅむ。空気の侵入阻止。(H30年度は  大気圧より少し高い 少しが付くが特に問題ないでしょう。) テキスト<8次:P170 (14.1.4 運転の休止) 1)

・冷凍装置を長期間休止させる場合には、ポンプダウンして低圧側の冷媒を受液器に回収し、低圧側と圧縮機内を大気圧よりも低い圧力に保持しておく。 H29/14 R05/14 答え

【×】 テキスト<8次:P170 (14.1.4 運転の休止) 1)> 正しい文章は、

  冷凍装置を長期間休止させる場合には、ポンプダウンして低圧倒lの冷媒を受液器に回収し、低圧側と圧縮機内を大気圧よりも高い圧力に保持しておく。

・冷凍装置を長期間休止させる場合には、安全弁の元弁および各部の止め弁を閉じ、弁にグランド部があるものは締めておく。 H30/14 答え

【×】 テキスト<8次:P170 (14.1.4 運転の休止) 2)> 正しい文章は、

  冷凍装置を長期間休止させる場合には、各部の止め弁を閉じ、弁にグランド部があるものは締めておく。安全弁の元弁は閉じてはならない。

・冷凍装置を長期間休止させる場合、冷媒系統全体の漏れを点検し、漏れ箇所を発見した場合は、完全に修理しておく。 R03/14 答え

【◯】 ぅむ。素直な問題。テキスト<8次:P170 (14.1.4 運転の休止) 4)

 03/05/01 04/09/05 05/03/21 07/03/24 08/03/15 08/04/26 09/05/31 10/09/15 10/09/16(2へ分割) 11/06/30 12/06/04 13/07/16 14/08/16 15/06/23 17/12/02 19/11/25  20/07/07 23/11/30

 『初級 冷凍受験テキスト』8次改訂版への見直し、済。(22/01/21)

修正・訂正箇所履歴

【2016/06/12 新設】

  • 解説見直し。(2019(R1)/08/03)
  • テキスト8次改訂版(R01(2019)-11月改訂)へ対応、および、文章を見直し。(2020(R02)/07/06)
  • 問題の分類見直し、および予想問題追加。(2022(R04)/01/21)

Back to top ↑

【参考文献】

  • 初級 受検テキスト(SIによる初級受検テキスト):日本冷凍空調学会
  • 上級 受検テキスト(SIによる上級受検テキスト):日本冷凍空調学会
  • 冷凍機械責任者(1・2・3冷)試験問題と解答例(13):日本冷凍空調学会
  • 第3種冷凍機械責任者試験模範解答集 :電気書院
  • 第1・2種冷凍機械責任者試験模範解答集 :電気書院

Back to top ↑

^