法文の読み方 2・3種「法令」攻略へ



条文の区分け

 法文というのは非常に読みにくいですね、法規集のページをめくると嫌になってしまいます。でも、一定のルールがあるのでそれをちょいとつかむと比較的容易に読むことができます。

まずは、「章」

 高圧ガス保安法の目次の中からを拾い出してみます。

  • 第一 総則(第一条~第四条)
  • 第二 事業(第五条~第二十五条の二)
  • 第三 保安(第二十六条~第三十九条)
  • 第四 容器等
  • 第四の二 指定試験機関等
  • 第四の三 高圧ガス保安協会
  • 第五 雑則(第六十条~第七十九条の二)
  • 第六 罰則(第八十条~第八十六条)

 このように一番大本になるのが章で、「高圧ガス保安法」では第六章まで大きくまとめられて、 その中に条文が第八十六条まであります。

次には、「節」

 「章」のつぎはに別れていきます、このが現れるのは「第四章 容器等」からです、拾い出してみましょう。

  • 第四章 容器等
  • 第一 容器および容器の附属品(第四十条~第五十六条の二の二)
  • 第二 特定設備(第五十六条の三~第五十六条の六の二の十三)
  • 第三 指定設備(第五十六条の七~第五十六条の九)
  • 第四 冷凍機器(第五十七条~第五十八条の二)
  • 第四章の二 指定試験機関等
  • 第一 指定試験期間(第五十八条の三~第五十八条の十七)
  • 第二 指定完成検査機関(第五十八条の十八~第五十八条の三十)
  • <以下略>

 このように「第四章 容器等」では四節まで大きく別れています、次にある「第四章の二 指定試験機関等」は 「第四章 容器等」と同等です。

 さて、ここで「第四章の一」はドコにある?と疑問が起こります。それは、「第四章 容器等」が「一」で、ほんとは「第四章の一 容器等」なのです。なぜ「の一」が、略されているのか・・・分かりません。(時間がないので、調べません。)

「条」と「号」

 ここまで分類した「章」と「節」は、過去問題集や参考書では特に関係ありません。重要なのは、章や節の中に書かれている条なのでした。

 さらに、下欄に「第一章 総則」の第一条と第二条を抜き出してみると、青色文字のように、一、二、三、四と分けられています。この数字には、「」を付けて読みます。

  • 第一章 総則
  • (目的)
  • 第1条 この法律は、高圧ガスによる災害を防止するため、高圧ガスの製造、貯蔵、販売、移動 その他の取扱及び消費並びに容器の製造及び取扱を規制するとともに、民間事業者及び高圧ガス保安協会による 高圧ガスの保安に関する自主的な活動を促進し、もつて公共の安全を確保することを目的とする。
  • (定義)
  • 第二条 この法律で「高圧ガス」とは、次の各号のいずれかに該当するものをいう。
  •  常用の温度において圧力(ゲージ圧力をいう。以下同じ。)が1メガパスカル以上となる圧 縮ガスであつて現にその圧力が1メガパスカル以上であるもの又は温度35度において圧力が1メガパスカル以上 となる圧縮ガス(圧縮アセチレンガスを除く。)
  •  常用の温度において圧力が0.2パスカル以上となる圧縮アセチレンガスであつて現にその圧 力が0.2パスカル以上であるもの又は温度15度において圧力が0.2パスカル以上となる圧縮アセチレンガス
  •  常用の温度において圧力が0.2パスカル以上となる液化ガスであつて現にその圧力が0.2パ スカル以上であるもの又は圧力が0.2パスカルとなる場合の温度が35度以下である液化ガス
  •  前号に掲げるものを除くほか、温度35度において圧力0パスカルを超える液化ガスのうち、液化シアン化水素、 液化ブロムメチル又はその他の液化ガスであつて、政令で定めるもの

 問題集の解説や参考書では「法第一条」とか「法第1条」という具合に書かれ、 第二条は「法第二条第一号」とか 「法第1条第2号」と書かかれています。 (一より1と、ほとんどの書籍が書かれています。)

さらに、「項」

 「法第三条」を見てみましょう。一番最後に「2」が付いている条文が出てきました。

  • (適用除外)
  • 第三条 この法律の規定は、次の各号に掲げる高圧ガスについては、適用しない。
  • 一 高圧ボイラー及びその導管内における高圧蒸気
  • 二 鉄道車両のエヤコンデイショナー内における高圧ガス
  • <三~八 略>
  • 八 その他災害の発生のおそれがない高圧ガスであつて、政令で定めるもの
  •  第40条から第56条の二の二まで及び第60条から第63条までの規定は、内容積1デシリットル以下の容器及び 密閉しないで用いられる容器については、適用しない。

 この2の条文は「法第3条第2項」と言います。

 青色は、3条の1号ですが、第1項である 1 の文字は、省かれています。なので、「法第3条第1項第1号」と、読んだり書いたりします。

 注)2項がなくて1項のみの条文(例えば(目的)法第1条、(定義)法第2条とか)は、「法第1条」「法第2条1号」と書いたり読んだりします。項は段落の意味なので省かれているようです。

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疲れました。ここで、まとめておきます。

 少々まとめてみましょう、第二章 事業の第五条を抜き出してみました。長いですが、恐れないでください。

  • 第二章 事業
  • (製造の許可等)
  • 第五条 次の各号の一に該当する者は、事業所ごとに、都道府県知事の許可を受けなければならない。
  • 一 圧縮、液化その他の方法で処理することができるガスの容積(温度零度、圧力0パスカルの状態に換算した 容積をいう。以下同じ。)が一日100立方メートル(当該ガスが政令で定めるガスの種類に該当するものであ る場合にあつては、当該政令で定めるガスの種類ごとに100立方メートルを超える政令で定める値)以上である設備(第56条の七第2項の認定を受けた設備を除く。)を使用して高圧ガスの製造(容器に充てんすることを 含む。以下同じ。)をしようとする者(冷凍(冷凍設備を使用してする暖房を含む。以下同じ。 )のため高圧ガ スの製造をしようとする者及び液化石油ガスの保安の確保及び取引の適正化に関する法律(昭和四十二年法律第 百四十九号。以下「液化石油ガス法」という。)第2条第4項の供給設備に同条第1項の液化石油ガスを充てんしようとする者を除く。)
  • 二 冷凍のためガスを圧縮し、又は液化して高圧ガスの製造をする設備でその一日の冷凍能力が20トン(当該ガ スが政令で定めるガスの種類に該当するものである場合にあつては、当該政令で定めるガスの種類ごとに20トン を超える政令で定める値)以上のもの(第56条の七第2項の認定を受けた設備を除く。)を使用して高圧ガスの製 造をしようとする者
  • 2 次の各号の一に該当する者は、事業所ごとに、当該各号に定める日の二十日前までに、製造をする高圧ガスの 種類、製造のための施設の位置、構造及び設備並びに製造の方法を記載した書面を添えて、その旨を都道府県知事 に届け出なければならない。
  • 一 高圧ガスの製造の事業を行う者(前項第一号に掲げる者及び冷凍のため高圧ガスの製造をする者並びに液化石油 ガス法第2条第4項の供給設備に同条第1項の液化石油ガスを充てんする者を除く。)事業開始の日
  • 二 冷凍のためガスを圧縮し、又は液化して高圧ガスの製造をする設備でその一日の冷凍能力が3トン(当該ガスが 前項第二号の政令で定めるガスの種類に該当するものである場合にあつては、当該政令で定めるガスの種類ごとに3 トンを超える政令で定める値)以上のものを使用して高圧ガスの製造をする者(同号に掲げる者を除く。)製造開始の日
  • 3 第1項第二号及望別項第二号の冷凍能力は、経済産業省令で定める基準に従つて算定するものとする

 以下のように、読みます。

  • の部分→ 法第5条第1項第2号 1は、省かれています。)
  • の部分→ 法第5条第2項 
  • の部分→ 法第5条第2項第1号 

こんなのもありますよ。「の」

  • (承継)
  • 第20条四のニ 前条の届出を行つた者(以下「販売業者」という。)が当該届出に係る事業の全部を譲り渡し、 又は販売業者について相続、合併若しくは分割(当該届出に係る事業の全部を承継させるものに限る。)があつ たときは、その事業の全部を譲り受けた者又は相続人(相続人が二人以上ある場合において、その全員の同意に より承継すべき相続人を選定したときは、その者)、合併後存続する法人若しくは合併により設立した法人若しく は分割によりその事業の全部を承継した法人は、販売業者の地位を承継する。
  • 2 前項の規定により販売業者の地位を承継した者は、遅滞なく、その事実を証する書面を添えて、その旨を都道 府県知事に届け出なければならない。

条の後ろに「」がついてます。

  • 法第20条4の2第1項
  • 法第20条4の2第2項

 と、いう具合に読みます。

さらに細かく、イロハが付いたりしますよ。

 冷凍保安規則(冷規)の第九条を抜き出してみましょう。

  • (製造の方法に係わる技術上の基準)
  • 第九条 法第八条第二号の経済産業省令で定める技術上の基準は、次の各号に掲げるものとする。
  • 一 安全弁に付帯して設けた止め弁は、常に全開にしておくこと。ただし、安全弁の修理又は清掃(以下「修理等」 という。)のため特に必要な場合は、この限りではない。
  • 二 高圧ガスの製造は、製造する高圧ガスの種類及び製造設備の態様に応じ、一日に一回以上当該製造設備の属する 製造施設の異常の有無を点検し、異常のあるときは、当該設備の補修その他の危険を防止する措置を講じてすること。
  • 三 冷媒設備の修理等及びその修理をした後の高圧ガスの製造は、次ぎに掲げる基準により保安上支障のない状態で 行うこと。
  •  修理等するときは、あらかじめ、修理等の作業計画及び当該作業の責任者を定め、修理等は、当該作業計画に 従い、かつ、当該責任者の監視の下に行うこと又は異常があったときに直ちにその旨を当該責任者に通報するための 措置をこうして行うこと。
  •  可燃性ガス又は毒性ガスを冷媒ガスとする冷媒設備の修理等をするときは、危険を防止するための措置を講ず ること。
  •  冷媒設備を開放して修理等をするときは、当該設備のうち開放する部分からガスが漏えいすることを防止する ための措置を講ずること。
  •  修理等が終了したときは、当該冷媒設備が正常に作動することを確認したあとでなければ製造をしないこと。
  • 四 製造設備に設けたバルブを操作する場合には、バルブの材質、構造及び状態を勘案して過大な力を加えないよう 必要な措置を講ずること。

 例えば青色の法文は、冷規第9条第3号イと書きます。(冷規第9条は2項がないので、第1項は書きません。)

イロハの下に(1)(2)と付くものもあります。

 冷規36条の一部を抜き出してみます。

  • (冷凍保安責任者の選任等)
  • 第三十六条 法第二十七条の四第一項の規定により、同項第一号又は第二号に掲げる者(以下この条、 次条及び第三十九条において「第一種製造者等」という。)は、次の表の上欄に掲げる製造施設の区分 (認定設備を設置している第一種製造者等にあっては、<略>
  • 2 法第二十七条の四第一項第一号の経済産業省令で定める施設は、次の各号に掲げるものとする
  • 一 製造設備が可燃性ガス及び毒性ガス(アンモニアを除く。)以外のガスを冷媒ガスとするものである製造施設 であって、次のイからチまでに掲げる要件を満たすもの
  • イ 機器製造業者に事業所において次の(1)から(5)までに掲げる事項が行われるものであること。
  • (1) 冷媒設備及び圧縮機用原動機を一の架台上に一体に組み立てること。
  • (2) 製造設備がアンモニアを冷媒ガスとするものである製造施設(設置場所が専用の室(以下 「専用機械室」という。)である場合を除く。)にあっては、冷媒設備及び圧縮機用原動機をケーシング内に収納すること。
  • <以下略>

 太字の法文は、冷規第36条第2項第1号イ(1) と、書きます。

 冷凍関係法規の、法令文区分はこの辺にしておきましょう。疲れましたね。でも、これは他の試験(法令)でも同じと思いますから、一度理解しておけば法規問題が楽チンになることでしょう。

 健闘を祈る。

修正・訂正箇所履歴

【2017(H29)/05/24 新設】(← 履歴をここに作った日

  • レイアウト見直し(2017/05/25)
  • 緑文字が黒文字だったので、緑色に修正。(2017/06/02)

【参考文献】

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