2種・3種冷凍「法令」(設備の技術上の基準)攻略

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製造設備の技術上の基準【警報】(専用機械室)

 ▽冷規第7条第1項第15号を、一度熟読してみましたか。この頁は「専用機械室」が、からむ問題を集めてあります。

 コピペしておきます。

 十五 可燃性ガス、毒性ガス又は特定不活性ガスの製造施設には、当該施設から漏えいするガスが滞留するおそれのある場所に、当該ガスの漏えいを検知し、かつ、警報するための設備を設けること。ただし、吸収式アンモニア冷凍機に係る施設については、この限りでない。

 15号には「専用機械室は」ひと言も書かれていません。 が、ポイントです。

【警報】専用機械室云々

 でんでん  うんぬん ですw。問題をよく読みましょう。

▼ 2種H18/9(この事業所)

・製造設備が専用機械室に設置されているので、製造施設から漏えいしたアンモニアが滞留するおそれのある場所に、そのガスの漏えいを検知し、かつ、警報するための設備を設けなくてもよい。 答え

【×】 「専用機械室」があれば、設けなくてもよい。は、×です。 ▽冷規第7条第1項第15号

▼ 3種H18/8(アンモニア、定置式(吸収式除く。)、第一種製造者)

・製造施設が専用機械室に設置されている場合は、その製造施設から漏えいしたアンモニアが滞留するおそれのある場所に、そのガスの漏えいを検知し、かつ、警報するための設備を設けなくてもよい。 答え

【×】 引っ掛からないようにしましょう。 条文には、専用機械室の文字さえない。▽冷規第7条第1項第15号

▼ 3種H21/16(アンモニア、定置式(吸収式除く。)、第一種製造者)

・製造設備が専用機械室に設置されている場合は、製造施設から漏えいしたアンモニアが滞留するおそれのある場所に、そのガスの漏えいを検知し、かつ、警報するための設備を設けなくてもよい。 答え

【×】 もう、「専用機械室」に騙されない! ▽冷規第7条第1項第15号

▼ 3種H24/16(アンモニア、定置式(吸収式除く。)、第一種製造者) ▼ 3種R04/16(〃)

・製造設備が専用機械室に設置されている場合は、製造施設から漏えいしたガスが滞留するおそれのある場所であっても、そのガスの漏えいを検知し、かつ、警報するための設備を設ける必要はない。 答え

【×】 ヴァツです。専用機械室絡みの問題は万全ですね。 ▽冷規第7条第1項第15号

▼ 3種H25/15(アンモニア、定置式(吸収式除く。)、第一種製造者)  ▼ 3種R02/15(〃)

・製造設備が専用機械室に設置され、かつ、その室に運転中常時強制換気できる装置を設けている場合であっても、製造施設から漏えいしたガスが滞留するおそれのある場所には、そのガスの漏えいを検知し、かつ、警報するための設備を設けなければならない。 答え

【◯】 今度は◯。
 一点の曇りもない、全きその通り!と言う問題ですね。 ▽冷規第7条第1項第15号
 "強制換気"という語句が気になるかもしれない。法第7条には「換気」という語は一言も触れていない。つまり、強制換気があろうがなかろうが、検知・警報は必要でしょう。

▼ 2種R01/13(この事業所)

・この製造設備は専用機械室に設置してあるので、この製造施設には、この施設から漏えいした冷媒ガスが滞留するおそれのある場所に、そのガスの漏えいを検知し、かつ、警報するための設備を設ける必要はない。 答え

【×】 2種で出題は珍しいです。(H18年以来!?)しかも、令和初(祝!)なので別にした。解説はいらないよね。

 09/09/17 10/11/15 11/09/15 12/11/03 13/10/23 14/10/12 20/11/14 23/10/26

ちょっと、吸収式冷凍設備の問題について

 下記の「2種H16/9」は、「吸収式冷凍設備」の例題で問題が作成されています。なので、いろいろ考えてしまうのです。だって、吸収式冷凍機の問題なんて…。

▼ 2種H16/9(この事業所) (←よく見てください。吸収式の設備(150トン)です。)

・この製造施設には、その施設から漏えいするガスが滞留するおそれのある場所に、そのガスの漏えいを検知し、かつ、警報するための設備を設けなくてもよい。 答え

【×】 設けなくてはならない。 【深く考えてわからなくなった方は】


▽冷規第7条第1項第15号←「<略>ただし、吸収式アンモニア冷凍機に係る施設については、この限りでない。」←問題文の「製造施設」のことではない。
▽冷規第7条第1項第9号の2(吸収式冷凍機の規定)←「警報するための設備を設けなくてもよい。」などと、特に記されていません。

------ 上記の問題について◯◯様よりメールをいただきました。 ------
法第7条第一項15号の文末に
「ただし吸収式アンモニア冷凍機に係る施設については、この限りでない」とあります
これはまた他の条文で除外規定があり、やはり必要である、という解釈があるのでしょうか?
------ ここまで ------


------ 以下返信 ------
 これは、問題文の「製造設備」の意味と、15号の「吸収式アンモニア冷凍機に係る施設」の意味の違いだと思います。この問題(2種平成16年問9ハ.)では、「この製造施設には、その施設から」とあります。

 空調学会の『問題と解答例』では以下のように解説されています。
 「ハ. × 可燃性ガス又は毒性ガス(アンモニア)の製造施設には、その施設から漏えいするガスが滞留するおそれのある場所に、そのガスの漏洩を検知し、かつ、警報するための設備を設けることと定められており、特に除外される所定の吸収式アンモニア冷凍設備には該当しない。(冷規第7条第1項15号,第9号の2)」

 ということなので、15号の「吸収式アンモニア冷凍機に係る施設」は、この問題が問うているものに該当しない別のものと考えるしかないような気がします。(また、こんがらかってきましたが・・・)第9号の2が上記の解説にかかれているのは、ここには「警報設備を除外する文言はありません」と、いいたいのだと思います。

 ちなみに、電気書院の過去問題集(17年度版)解説は、
冷規第7条第1項15号により警報設備は設けなければならないので誤り。

 この短い解説は、◯◯様のようなツッコミが入ると何も言えなくなってしまうことでしょう。(電気書院さんの解説はこの手のものが結構あるので注意が必要です。)

 他に、アンモニア吸収式の除害の問題でずいぶん長く解説を書いた記憶がありますが(すぐ出てこない)、冷凍の法令は解釈がややこしいですね(汗)。サイトの解説もこのメール文を元にして書き足すことにします。
------ 返信ここまで ------


 結局、吸収式であろうとなかろうと、可燃性ガス又は毒性ガス(アンモニア)の製造施設なので警報設備は必要ということですね。


 この手の問題で、「吸収式冷凍設備」は出題されないと思います。16年以降は(たぶん)吸収式は除くというような文言が含まれるだけ。(2013(H25)年10月30日記す)

修正・訂正箇所履歴

【2017(H29)/05/13 新設】(← 履歴をここに作った日

  • マルチスクリーン対応。文章を見直し。(2017/06/05)
  •   ▽法第7条第1項第9号の2  →   ▽冷規第7条第1項第9号の2 に、訂正。 (2018(H30)/10/13)
  •   ▽法第7条第1項第15号  →   ▽冷規第7条第1項第15号 に、訂正。 (2018(H30)/10/13)
  • 「十五 可燃性ガス又は毒性ガスの製造施設」→「可燃性ガス、毒性ガス又は特定不活性ガスの製造施設」法改正のため。(19(R1)/08/14)

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