絞り膨張作用

 絞り膨張作用は、わりと過去問に多く出題されています。

膨張弁を通過する冷媒液

 絞り膨張で冷媒液はエネルギーを失わず低圧になる

p-h線図(絞り膨張作用)

 点3の冷媒液は受液器を経て膨張弁へと進む、膨張弁のオリフィス部を通過するときに高圧から低圧へと減圧されます。

 この際の冷媒液は、いっさいの仕事をしないし熱の出入りもない。 なので、冷媒自身が保有するエネルギーはまったく失うことなく、比エンタルピーhは一定のままの状態で低圧になる。

 以上の作用のことを、絞り膨張作用という。

 凝縮器で過冷却された圧力Pk(点3)の冷媒液は、膨張弁を通り絞り膨張作用により低圧Po(点4)になります。

  よって、h3=h4 である。

 なので、3→4は垂直な直線となります。

 膨張弁を通過する際、冷媒はt3’の飽和温度と飽和液線の交点3’を境にして湿り蒸気領域なります。

 ということは、冷媒自身の持つ熱エネルギーの一部を蒸発潜熱として消費し、点4の湿り蒸気の状態点となります。


 少し、蒸発器のことでも書きましょう。

p-h線図(蒸発器)

 点4から、蒸発器に入った湿り蒸気は、一定の圧力のもとで外部からの熱を蒸発潜熱として受け入れ乾き度が 次第に1.0になっていく。

 乾き蒸気液線との交点の後は、顕熱が加えられて少し過熱された過熱蒸気となり、 圧縮機へと吸い込まれる。(点1)


 ということで、次のページでまとめです。


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