圧縮行程の冷媒の状態は等比エントロピー線
図の赤い線が等比エントロピー線 (s)で、断熱圧縮線ともいわれ、 圧縮機の圧縮行程で、吸込みや吐出しの冷媒の状態を読み取ることができます。
ある絶対温度T(K)の物質に、熱量Δqが加えられたときのΔsをその際の比エントロピー増加量という。
Δq Δs = -------- [kJ/(kg・K)] T
って、いわれてもよく分からないですねぇ。
圧縮機で冷媒蒸気が断熱圧縮されたときに、等比エントロピー線上を状態変化して、圧縮機から吐き出されるということです。
点●1の過熱蒸気は圧縮機に吸い込まれ、1.1(Mpa abs)まで断熱圧縮したとすると、 蒸気は点1を通る等比エントロピー線(s=1.8)上を沿って圧縮されていき、1.1(Mpa abs) の等圧線との交点●2の状態になります。
点●2は、60℃の等温線との交点でもあります。ってことは、圧縮機から吐き出された蒸気は、 圧力1.1(Mpa abs)、温度60℃の高温高圧ガスなのです。
冷凍装置では、この高圧ガスは凝縮器へと等圧のままで流れていくことになります。 そして、30℃より少し低めの(約27℃でしょうか)乾き蒸気となって液化されていきます。
理論(理想)的な圧縮のことで機械損失や摩擦損失が全くないと仮定した圧縮のことです。
試験問題では、理論冷凍サイクルで計算するのか、実際の冷凍サイクルで計算するのか、よく問題を読まないといけません。
これで終わりにしましょう、次は過冷却度です。