1種冷凍学識計算11月試験攻略-問3:平成16年度

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空調用フィンコイル蒸発器

 乾き度xを把握しているかがポイントですね。そうでないと、何も前に進められませぬ。

第一種冷凍機械責任者試験 平成16年度 問3(11月試験)

問3 R22空調用フィンコイル蒸発器の仕様および運転条件は次の通りである。この蒸発器について、次の(1)、(2)および(3)の問に、解答用紙の所定欄に計算式を示して答えよ。
 ただし、蒸発器出口の冷媒は乾き飽和蒸気の状態とし、空気と冷媒との温度差は算術平均温度差を用い、冷却管材の熱伝導抵抗は無視できるものとする。

(20点)

1種冷凍学識平成16年度問3運転条件

 (1)冷媒流量は何kg/sか。
 (2)空気の風量は何kg/sか。
 (3)外表面伝熱面積は何m^2か。

(1)冷媒流量は何kg/sか。

 まずは、乾き度xを攻略せしめましょう。参考:「一寸:乾き度xについて」

乾き度xのp-h線図

 基本式はこれ。(詳細は略)

H16年度問3(1)乾き度xの基本式

 変形して、hxを求めましょう。

x(h" - h´) = hx - h´

hx = h´+ x(h" - h´)

 では、数値代入して。

H16年度問3(1)乾き度xの計算式に数値代入

 冷媒流量を、qmrとすると、

  Φo = qmr(h" - hx)

 では、一気に。(この辺りも、2冷レベルなので説明略)

H16年度問3(1)qmrの計算式

  答え 0.0423 kg/s

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(2)空気の風量は何kg/sか。

 空気の風量を、qmaとすると、


 Φo = qma・Ca(ta1 - ta2)


 (『上級 冷凍受験テキスト:日本冷凍空調学会』<9次:P95右 ((8.3)式)(<8次:P94右 ((8.4)式)>)

 では、一気に。

H16年度問3(2)qmaの計算式

 答え  0.542 kg/s

(3)外表面伝熱面積は何m^2か。

 基本式はこれ。

 テキスト<9次:P104~105(例題8.1の(解)を読む)>(<8次:P100~101(例題8.1の(解)を読む)>)


 Φo = K・A・Δtm


 この式で不明なKとΔtmを求めれば、Aがわかる。

 まずは、熱通過率K (テキスト<9次:P101(8.5)式(<8次:P97(8.5)式>)

H16年度問3(3)のKの計算式

 では、Δtmを求めましょう。(参考:テキスト<9次:P80左 ((6.31)式)(<8次:P79右 ((6.31)式)>)

Δt1とΔt2の算術平均温度差の説明図

 過熱領域とか略してあります。 (参考:テキスト<9次:P95の図8.1><8次:P94の図8.1>



H16年度問3(3)のΔtmの計算式1

 じゃ、数値代入して

H16年度問3(3)のΔtm計算式1

 参考:(変形した)この式でも同じです。

H16年度問3(3)のΔtm計算式2

 では、おもむろに外表面伝熱面積Aを求めましょう。

H16年度問3(3)A=…に数値代入

  答え 7.3 m^2

 だらだらと記述しましたが、本番の解答はこんなに書く必要もないし、解答欄に書くスペースもありませんから、ポイントを掴んで短縮する練習をしてください。

訂正箇所履歴

【2016/03/03 新設】

  • 答え 0.0.542 kg/s → 答え 0.542 kg/s (16/03/07)
  • 数式の画像など全般的に見直し。(2017/05/01)
  • (仕様および運転条件)に " 蒸発器入口冷媒の乾き度 x = 0.23 " を、追加。(ご指摘ありがとうございました。) (2017(H29)/07/26)
  • 『上級 冷凍受験テキスト』9次改訂版に対応。(2023(R05)/06/11)

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