二段圧縮一段膨張冷凍装置です。
ポイントは中間冷却器の熱収支の把握です。他の基本式は、2冷レベル知識の組み合わせです。基本ができていないと撃沈。
第一種冷凍機械責任者試験 平成16年度（講習検定試験）
問1 下図は、R22を用いたある二段圧縮一段膨張冷凍装置の理論冷凍サイクルで、次の条件で運転されている。
このとき、次の(1)、(2)および(3)について、それぞれ解答用紙に計算式を示して答えよ。
ただし、圧縮機の機械的摩擦損失仕事の熱は冷媒に加えられ、配管での熱損失はないものとする。
（15点）
(1) この冷凍装置の実際の凝縮負荷Φk（kW）を求めよ。
(2) この冷凍装置の実際の冷凍能力Φo（kW）を求めよ。
(3) この冷凍装置の実際の高段側圧縮機軸動力PHと低段側圧縮機軸動力PLとの比（PH/PL）の値を求めよ。
なにはともあれ、概略図と（線図）を描きましょう。
線図は設問に描かれています。数値を書き加えるとウッカリミスが減るかもね。概略図もサクッと描けられれば鬼に金棒です。 目をつぶっても描けるぐらいなら合格！
（1） この冷凍装置の実際の凝縮負荷Φk（kW）を求めよ。
これは、2冷レベルの問題です。式が頭に浮かばなければ勉強不足。
基本式
Φk ＝ qmrk(h4´－ h5)
（h4´であることに注意）
VH・ηvH ＝ qmrk・v3
（それぞれの記号は、設問の指定記号に合わせてあります。）
基本式から、qmrkを求めましょう。
h4´を求め、Φkまで一気に行きましょう。
答え 37.5 (kW)
（2） この冷凍装置の実際の冷凍能力Φo（kW）を求めよ。
冷凍能力Φoは、
Φo ＝ qmro(h1 － h8)
qmroは中間冷却器の熱収支を組み、（1）で求めたqmrkを使って求めましょう。
左辺に入るもの、右辺に出るものでまとめます。
qmrk・h5 ＋ qmro・h2´ ＝ qmrk・h3 ＋ qmro・h7
（h2は、h2´であることに注意）
qmroを左辺、qmrkを右辺にまとめます。
qmro・h2´－ qmro・h7 ＝ qmrk・h3 － qmrk・h5
qmro(h2´－ h7) ＝ qmrk(h3 － h5)
ハイ、qmroとqmrkを含んだ熱収支式の出来上がり。
h2´を求めましょう。
熱収支からqmroを求めます。
Φoを求めましょ。
答え 23.2（kW）
（3） この冷凍装置の実際の高段側圧縮機軸動力PHと低段側圧縮機軸動力PLとの比（PH/PL）の値を求めよ。
ここまでくれば、楽勝っすね！一気に行きましょう。
基本式
PH ＝ qmrk（h4´－ h3）
PL ＝ qmro（h2´－ h1）
くれぐれも、h2´とh4´を間違いませんように。
PH/PLに基本式を組み込み一気に。
答え 1.40
訂正箇所履歴
【2018(H30)/06/15 新設】
- (3)の基本式、PLとPHが逆だったので修正。（2018/06/17）
- （1）内の＝ 37.4738 ＝ 37.5 → ＝ 37.4738 ≒ 37.5 （2018/06/23）
- （2）内の＝ 23.18 ＝ 23.2 → ＝ 23.18 ≒ 23.2 （2018/06/23）