1種冷凍学識計算講習検定試験攻略-問2:令和7年度

EchoLand-plus

ホットガスバイパス式容量制御冷凍サイクル

 令和元年度と同等の問題です。

第一種冷凍 令和7年度 (11月試験)

 下図に示すR 401A冷凍装置は、負荷減少時に圧縮機出口直後の吐出しガスの一部を蒸発器入口にバイパス弁を通して絞り膨張させて容量制御を行っており、下記の条件で運転するものとする。
  圧縮機の吐出しガス量の15 % をバイパスして容量制御を行っているとき、次の(1)から(3)の問に、は解答用紙の所定欄に計算式を示して答えよ。

  ただし、圧縮機の機械的摩擦損失仕事は吐出しガスに熱として加わるものとし、配管での熱の出入りおよび圧力損失はないものとする。また、全負荷時の点 1、2´、3 の冷媒状態、圧縮機の冷媒循環量および圧縮機の軸動力は、容量制御時と変わらないものとする。

(20点)

第一種冷凍機械責任者試験問2(令和7年度)の問題図

(運転条件)
 圧縮機の冷媒循環量                  qmr = 0.60 kg/s
 圧縮機の吸い込み蒸気の比エンタルピー         h1 = 421 kJ/kg
 圧縮機の理論断熱圧縮後の吐出しガスの比エンタルピー  h2 = 475 kJ/kg
 膨張弁直前の液の比エンタルピー            h3 = 241 kJ/kg
 圧縮機の断熱効率                   ηc = 0.70
 圧縮機の機械効率                   ηm = 0.85

(1)バイパスされる冷凍蒸気の比エンタルピー h5(kJ/kg)を求めよ。

(2)容量制御時の冷凍能力 Φo (kW) を求めよ。

(3)容量制御時の成績係数は、全負荷時の成績係数の何%になるかを求めよ。

まずは、p-h線図を描いてみましょ。

第一種冷凍機械責任者試験問2(令和7年度)p-h線図
設問のp-h線図

第一種冷凍機械責任者試験問2(令和7年度)容量制御冷凍装置
ホットバイパス容量制御冷凍装置

ホットガスバイパス式容量制御サイクル(補足説明)
  • 負荷減少時に高圧液冷媒点 2(2´) を液噴射弁で絞り膨張させて、その冷媒点 5 は過熱度の大きな低圧蒸気となる。
  • 蒸発器入口で低圧の湿り蒸気4と混合させ、状態点 6 となって蒸発器に入る。
  • 負荷減少時には、こうして点 1 は全負荷時と同様の蒸気となって圧縮機に吸い込まれる。

(1)バイパスされる冷凍蒸気の比エンタルピー h5(kJ/kg)を求めよ。

第一種冷凍機械責任者試験問2(令和7年度)容量制御冷凍装置とp-h線図
ホットバイパス容量制御冷凍装置とp-h線図

 題意(p-h線図)より、h5 = h2' である。

 よって、

  h5 = h2' = h1 + (h2 - h1) / ηcηm

 ゆえに、

  h5 = h1 + (h2 - h1) / ηcηm

 数値代入しましょ。

  h5 = 421 + (475 - 421) / (0.70 × 0.85)

    = 421 + 54 / 0.595

    = 421 + 90.76

    = 511.7563 ≒ 512 (kJ/kg)


  答え h5 = 512 (kJ/kg)

(2)容量制御時の冷凍能力 Φo(kW) を求めよ。

ホットバイパス容量制御冷凍装置概略図
容量制御時の冷凍能力 Φo概略

 基本式は、

  Φo = qmr(h1 − h6)

 h6が不明なので、混合点 a の熱収支から求めましょう。

ホットバイパス容量制御「混合点」概略図
ホットバイパス容量制御「混合点 a」

 a点の「出るもの」を左辺、「入るもの」を右辺に集めると、

  qmrh6 = 0.85qmrh4 + 0.15qmrh5

 qmrが消えて、

  h6 = 0.85h4 + 0.15h5

 数値代入しましょ。

  h6 = 0.85 × 241 + 0.15 × 512

    = 204.85 + 76.8

    = 281.65 ≒ 282 (kJ/kg)

 よって、冷凍能力は、

  Φo = qmr(h1 − h6)

    = 0.60 × (421 − 282)

    = 0.60 × 139

    = 83.4 ≒ 83 (kW)


  答え Φo = 83 kW

(3)容量制御時の成績係数は、全負荷時の成績係数の何%になるかを求めよ。

 全負荷時の冷凍能力を Φo 、成績係数を (COP)Rとする。また、容量制御時の冷凍能力を Φop 、成績係数を (COP)Rp とする。

 ここに、題意により h1、h2'、h3、qmr、P(圧縮機駆動力 ) は、全負荷時と容量制御時で同じ値となる。

  (COP)Rp 、(COP)R は下記のように求められる。

容量制御時の成績係数 (COP)Rp

(COP)Rp = Φop / P = qmr(h1 - h6) / qmr(h2' - h1)

    = (h1 − h6) / (h2' − h1)

全負荷時の成績係数 (COP)R

(COP)R = Φo / P = qmr(h1 - h4) / qmr(h2' - h1)

    = (h1 − h4) / (h2' − h1)

 よって、(COP)Rp と (COP)R の比は、()

 ここに、h4 = h3

  (COP)Rp / (COP)R = [(h1 − h6) / (h2' − h1)] / [(h1 − h4) / (h2' − h1)]

     (h2' − h1) が消えて、

      = (h1 − h6) / (h1 − h4)

      = (421 − 282) / (421 − 241)

      = 139 / 180 ≒ 0.77222

      ≒ 0.77


  答え 容量制御時の成績係数は全負荷時の成績係数の 77 % となる。


 👉 ポイント

  • h5 = h2' を見抜けるか。
  • 冷媒混合点の熱収支を理解しているか。

 ご健闘をお祈りします。

訂正箇所履歴

【2026(R08)/02/02 新設】

  • 設問の(運転条件)
     h3 = 475 kJ/kg → h2 = 475 kJ/kg
     h5 = 241 kJ/kg → h3 = 241 kJ/kg
     上記、赤字部分へ修正。(2026(R08)/02/14)
  • 全般に見直し。(2026(R08)/02/18)