2種冷凍学識計算攻略-過去問

2種冷凍「学識」平成24年度問2

問2 下図はアンモニア冷凍装置の理論冷凍サイクルであり、実際には下記の運転条件で運転されている。このとき、実際の成績係数(COP)Rと実際の圧縮機軸動力Pはおよそいくらか。(1)~(5)の組合せのうち、正しいものはどれか。
 ただし、圧縮機の機械的摩擦損失仕事は、熱として冷媒に加わるものとする。
 また、配管での熱の出入りおよび圧力損失はないものとする。

2種冷凍平成24年度学識問1
(運転条件)
圧縮機のピストン押しのけ量V = 750 m^3/h
圧縮機の吸込み蒸気の比体積 v1 = 1.1 m^3/kg
圧縮機の体積効率 ηv = 0.70
圧縮機の断熱効率 ηc = 0.80
圧縮機の機械効率 ηm = 0.90

  (1)(COP)R=2.8、P=42kW  (2)(COP)R=3.9、P=42kW
  (3)(COP)R=3.9、P=59kW  (4)(COP)R=2.8、P=59kW
  (5)(COP)R=2.8、P=53kW

まずは、実際の圧縮機軸動力Pを求めましょうか。そうです、(4)式!

これだけ公式(4)

つらつらと、問題と式を眺めていますと、ハイ、冷媒循環量qmrを求めればよいですね。

これだけ公式(1) から、

     Vηv
qmr = ──────
      v

 はい、ここで注意。ピストン押しの量の単位を時間から秒に変更します。

V(m3/s) = 750(m3/h) / 3600(s)
    = 0.2083333 ≒ 0.21

数値代入します。

qmr = Vηv / v
  = 0.21 × 0.7 / 1.1 = 0.147 / 1.1
  = 0.1336363

じゃ、Pを

P = qmr(h2-h1) / ηcηm
  = 0.1336363 × (1770-1450) / 0.80×0.90
  = 0.1336363 × 320 / 0.72
  = 42.7636 / 0.72 = 59.3939
  ≒ 59

冷凍能力Φoは、

Φo = qmr(h1-h4
 = 0.1336363(1450 - 200)
 = 0.1336363 × 1250
 = 167.04537 ≒ 167

成績係数(COP)R は、

(COP)R = Φo / P = 167 / 59
   = 2.830508 ≒ 2.8

よって、(4) (COP)R=2.8、P=59 kW が、正解です。


【おまけ】 設問は、Pを解答として求めているので(COP)R=Φo/Pで成績係数を求めました。予備知識として、比エンタルピーのみの公式でも求められますので掲載しておきます。

(COP)R = Φo / P
  = qmr(h1-h4) / {qmr(h2-h1) / ηcηm}
  = {(h1-h4) / (h2-h1)} / ηcηm

というわけで、これだけ公式(6)ができあがりました。

これだけ公式(6)
 (ま、この式を覚えておけばいいんですけど。)

数値代入してみます。

(COP)R = {(1450 - 200) / (1770 - 1450)} × (0.80×0.90)
   = (1250 / 320) × 0.72
   = 2.8

めでたし、めでたし。

単位換算を忘れずにして、効率等を含めた公式を把握していれば、楽勝の問題でしょう。

修正・訂正箇所履歴

【2021(R03)/01/11 新設】(← 履歴をここに作った日

  • 計算式全体を改修。 (2021(R03)/01/11)

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これだけ公式
これだけ公式(1-6全部)

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