2種冷凍学識計算攻略-公式

EchoLand-plus

この公式をとにかく暗記せよ!

 もう勉強時間がない、やる気が出ない、分からない…って、いう貴方に朗報。2種冷凍の場合、基本式をとにかく覚えればなんとかなります。

 さぁ、丸暗記しよう。適に印刷して進んでください、いつも手元に置いて問題を解きましょう。

【冷媒循環量qmr・体積効率ηv・ピストン押しのけ量V・比体積v】

 まず(1)式として、qmr・ηv(イータブイ)・V・vの基本式を覚えましょう。

qmr・ηv(イータブイ)・V・vの基本式

 問題では、V・qmr・ηv・vの中の3つがたいがい最初から指定されているはずです。3つ分かれば式を変形して 他の1つが導き出せます。

 ※参考)以下の式は覚えておいた方がよいでしょう。

qmr・ηv(イータブイ)・V・vの基本式2

 qmrとqvrの違いをよく見て覚えてください。ぇ、理論は後回し、とにかく覚えてください。圧縮機の実際の吸込み量qvr[m3/s]は、圧縮機の軸動力に関係してきます。

Back to top ↑

【冷凍能力Φo・比エンタルピーh1、h4・冷媒循環量qmr】

(2)式として、Φoと比エンタルピーh1とh4、冷媒循環量qmrの基本式を覚えましょう。

 Φo=qmr(h1-h4 ....(2)

  Φo : 冷凍能力 [kW]
  qmr : 冷媒循環量 [kg/s]
  h1 : 圧縮機吸込み過熱蒸気比エンタルピー [kJ/kg]
  h4 : 蒸発器入り口湿り飽和蒸気比エンタルピー [kJ/kg]

 冷媒循環量に蒸発器の入口と圧縮機の入口(蒸発器出口)の比エンタルピーの差(冷凍効果)をかけ算してやれば 冷凍能力を求めることができます。

 (2)式から、qmrが指定されていれば(h1・h4は、たいがいp-h線図から読み取り)冷凍能力が計算できますね。でも、そうは問屋が卸さない・・・・qmrが指定されていない場合もあります。では、どうするかのか?

(1)式を使います、V・ηv = qmr・v....(1)V・ηv・vの3つが指定されているはずですから、qmrを求められます。

 (1)式を変形します。

冷凍能力Φoの基本式2 qmrを組み込む(1)式の変形を使う

 あとは、(2)式に代入しましょう。

冷凍能力Φoの基本式3

 この式は、(2)-1式としておきましょう。

 過去問題集の解説などではこの式がいきなり出てきますが、(1)式と(2)式を覚えておいて、自由自在に変形させて目的のものを導き出しましょう。

 さて、次はメインディッシュ?の圧縮機動力に行ってみましょうか。

Back to top ↑

【理論断熱圧縮動力Pth・実際に必要な軸動力P】

 圧縮機が冷媒蒸気を圧縮する行程では、まったく圧縮時の損失を考えない理論断熱圧縮動力(理論圧縮動力)Pthと、圧縮機の断熱効率ηcと機械効率ηmを考慮した、実際の圧縮機駆動に必要な軸動力(圧縮機所要動力)Pの、2つの違いを頭に入れないとなりません。

 効率や損失の詳細説明はここではやめて、とりあえず問題を解ける基本式を覚えてみましょう。

 まずは、理論断熱圧縮動力(理論圧縮動力)の基本式です。

理論断熱圧縮動力(3)式
    理論断熱圧縮動力(3)式詳細

 これが基本中の基本これなくして圧縮機は語れないといった感じです。

 この(3)式を、覚えましょう。とにかく!暗記してください。

疲れました。お茶でも飲みながら…、

いちごショートケーキ

「echoの苺ショートケーキ」

 さて、断熱効率ηcと機械的摩擦損失ηmを考えて見ましょう。

 まずは、この式

動力ηcとηm(3)-1式

Pth:理論断熱圧縮動力 〔kW〕P:実際の軸動力 〔kW〕 ηc:断熱効率 ηm:機械効率

 ようは、理論と実際の関係の式です。

 損失が全くない場合は圧縮機の効率(ηc・ηm)が1でP=Pthということで、理論圧縮動力と実際の圧縮機駆動軸動力が 同じになります。でも、世の中そんなことはありえませんね。

 なので、理論と指定されていない問題は、必ず図や文章にηmやηvがひそんでいるはずです。注意しましょう。

 さてさて、次は(3)式と(3)-1式を合体!してみましょう。

(3)式と(3)-1式を合体!

 (3)式は、Pth = qmr(h2-h1)ですから

 ぇい!

実際に必要な軸動力P (4)式

 この(4)式で、実際に必要な軸動力Pを求めることができました。めでたし、めでたし!

 問題文では、Pを「圧縮機軸動力」とか「圧縮機の実際の軸動力」とか「圧縮機の所要軸動力」などと言い方が年度によって 違います。

 そして、機械効率ηmや断熱効率ηcが問題中にあったら「理論」?「実際」?のどちらを求めればよいのかを頭に入れて問題を良く読みましょう。

Back to top ↑

【理論成績係数(COP)th・Rと実際の成績係数(COP)R】

 さぁ、(1)式から(4)式を使って成績係数について覚えましょう。

 基本中の基本、理論成績係数(COP)th・Rを、一気に行きましょう。

  ぇえ~い!

理論成績係数(COP)th・R

引き続き、実際の成績係数(COP)R も、一気に行きますよ。

 (5)式の理論動力Pthを、(4)式の実際の動力Pに置き換えます。

   え~ぃ!

実際の成績係数(COP)R

    qmrを消して

qmrを消した、実際の成績係数(COP)R

 どうでしょう、(5)式と(6)式から実際の成績係数は、理論成績係数より×(ηc・ηm)だけ小さくなることが分かりますね。

 また、h1、h2、h3、h4が分かれば成績係数を求めることができます、1種ではこれらの基本式を元に複雑に!?導き出します。

Back to top ↑

【まとめ、「これだけ公式」(1)~(6)】

これだけ公式(1)式
これだけ公式(2)式
これだけ公式(3)式
これだけ公式(4)式
これだけ公式(5)式
これだけ公式(6)式

訂正箇所履歴

【2017/10/12 新設】

  •   h1:圧縮機の吸込み蒸気比エンタルピー 〔kJ/kg〕
     h2:理論断熱圧縮後の吐出し比エンタルピー 〔kJ/kg〕
    に修正。 (2019(R1)/10/01)
  •   理論的圧縮動力  →   理論圧縮動力 に変更。 (2019(R1)/10/01)
  •   Pth:理論断熱圧縮動力 〔kW〕P:実際の軸動力 〔kW〕 ηc:断熱効率 ηm:機械効率 に変更。 (2019(R1)/10/02)
  • (2)式を画像からテキストへ変更。(2021(R03)/01/10)

^