令和3年度問1と似ています。
問1 下図は冷凍装置の理論冷凍サイクルである。冷凍能力が Φo = 200 kW であるとき、次の(1)から(5)のうち、正しい答えに最も近い組み合わせはどれか。ただし、この冷凍サイクルの理論成績係数を(COP)th.R、冷媒循環量をqmr(kg/s)、理論圧縮動力Pth(kW)、蒸発器入口における冷媒の乾き度を x とする
(1) (COP)th.R = 1.88、qmr = 1.33 kg/s
(2) (COP)th.R = 2.50、Pth = 106.4 kW
(3) qmr = 1.33 kg/s、x = 0.32
(4) Pth = 79.8 kW、x = 0.68
(5) qmr = 3.33 kg/s、Pth = 79.8 kW
求めるものがたくさんあるように錯覚しそうですが、qmr、Pth、(COP)th.Rなど、過去問をこなしていれば普通に解けるものばかりです。なお、乾き度の計算は2種(1種も)では必須です。
[余談] 結果論ですが、乾き度xと冷媒循環量 qmr を求め、(3)の「qmr = 2.33 kg/s、x = 0.32」が合っていれば、ビンゴ!正解です。解答時間短縮になります。(時間が余れば他を確認。)
冷媒循環量はqmrは、これだけ公式(2)式を使って求めましょう。
Φo = qmr(h1 - h4) [kW] …(2)
qmr は、
qmr = Φo / h1 - h4
では、数値代入しましょ。
qmr = 200 / 370 - 220
= 200 / 150 = 1.33333
≒ 1.33
よって、qmr = 1.33 kg/s
理論圧縮動力 Pthといえば、この式。
Pth = qmr(h2 - h1) [kW]
設問で与えられた数値と、先に求めたqmrを代入しましょ。
Pth = qmr(h2 - h1)
= 1.33 ×(430 - 370)
= 1.33 × 60
= 79.8 kW
よって、 Pth = 79.8 kW
理論成績係数 (COP)th.Rは、
(COP)th.R = Φo / Pth
数値代入。
(COP)th.R = 200 / 79.8 = 2.5062656
≒ 2.50
よって、 (COP)th.R = 2.50
蒸発器入り口(h4)の乾き度 x 周辺のp-h線図を記します。
そうすると、蒸発器入り口(h4)の乾き度 x は、
x = (h4 - hA) / (hB - hA)
数値代入
x = (220 - 160) / (350 - 160)
= 60 / 190 = 0.3157894
≒ 0.32
よって、 x = 0.32
正解は、(3) qmr = 1.33 kg/s、x = 0.32 です。
設問には代入する数値がすべて揃っています。しかも理論計算。基本公式を覚えていれば楽勝です。
【2023(R05)/01/07 新設】(← 履歴をここに作った日)
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