2種冷凍学識計算攻略-過去問

 平成30年度問2と同等です。

2種冷凍「学識」令和5年度問2

問2 アンモニア冷凍装置が、下記の条件で運転されている。このとき、圧縮機のピストン押しのけ量 V (m3/h) 、と圧縮機駆動の軸動力 P (kW) について、次の答えの(1)から(5)のうち最も近いものはどれか。
 ただし、圧縮機の機械的摩擦損失仕事は吐出しガスに熱として加わるものとする。また、配管での熱の出入りおよび圧力損失はないものとする。

(運転条件)
  冷凍能力                Φo = 220 kW
  圧縮機吸込み蒸気の比体積        v1 = 0.60 m3/kg
  圧縮機吸込み蒸気の比エンタルピー    h1 = 1435 kJ/kg
  断熱圧縮後の吐出しガスの比エンタルピー h2 = 1705 kJ/kg
  蒸発器入口冷媒の比エンタルピー     h4 = 325 kJ/kg
  圧縮機の体積効率            ηv = 0.72
  圧縮機の断熱効率            ηc = 0.80
  圧縮機の機械効率            ηm = 0.90

(1)V = 165 m3/h、P = 74 kW
(2)V = 428 m3/h、P = 103 kW
(3)V = 428 m3/h、P = 74 kW
(4)V = 595 m3/h、P = 103 kW
(5)V = 595 m3/h、P = 74 kW

さぁ、p-h線図を書いてみましょう。

 わかっている項目と数値も、書きましょう。

  • Φo = 220 kW
  • v1 = 0.60 m3/kg
  • h1 = 1435 kJ/kg
  • h2 = 1705 kJ/kg
  • h4 = 325 kJ/kg
  • ηv = 0.75
  • ηc = 0.80
  • ηm = 0.90

それでは、必要な公式を揃えましょう。

 ピストン押しのけ量 V といえば、これだけ公式(1)式です。

   V ηv = qmr v …(1)

 ここで、qmr がわかりませんので、求めるには、これだけ公式(2)式を使います。

   Φo = qmr(h1 - h4) …(2)

 qmr が分かれば、これだけ公式(4)式をつかって圧縮機駆動の軸動力 P を求めます。

   P = qmr(h2 - h1) / ηc ηm …(4)

 これで、必要な公式が出揃いました。(本番で、速攻でここまで整理できれば合格

qmr を求め、V を求めましょう。

   Φo = qmr(h1 - h4) …(2)

 (2)式から、 qmr を求めましょ。

  qmr = Φo / h1 - h4

    = 220 / 1435 - 325

    = 220 / 1110 = 0.198198

    ≒ 0.198 kg/s

 では、(1)式を変形して V を求めましょ。

   V ηv = qmr v …(1)

   V = qmr v / ηv

    = 0.198 × 0.60 / 0.72

    = 0.165 m3/s

 ここで、単位を解答欄の m3/h に変換するのを忘れないように。

  0.165 × 3600 = 594 m3/h

P を求めましょう。

 では、(4)式を使ってPを求めましょ。

   P = qmr(h2 - h1) / ηc ηm

    = 0.198 × (1705 - 1435) / 0.80 × 0.90

    = 0.198 × 270 / 0.72 = 53.46 / 0.72

    = 74.25 kW

 正解は、「(5)V = 595 m3/h、P = 74 kW 」を選択すればよいでしょう。

 指定された数値から公式を導き出すことができるように問題を多く解きましょう。ご健闘をお祈りします。

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修正・訂正箇所履歴

【2023(R05)/12/02 新設】(← 履歴をここに作った日

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これだけ公式
これだけ公式(1-6全部)

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