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気筒数比が絡んでいます。ま、数学的には 簡単な比の計算なんですけど…。(1種冷凍学識計算攻略の解説に使用しています。)
h8が不明です、ここがこの問題のポイントでしょう。
蒸発器の冷媒循環量qmLを求める場合は、冷凍能力Φoが120(kW)と指定されていますからこの公式で求められそうです。
Φo = qmL(h1 - h8) …(1)
ところがp-h線図中の、h8の数値が?なのです。
この辺がこの問題のカギといいましょうか、コンパウンド圧縮機の気筒数比を使って答えを導き出すことができるか試される問題です。
気筒数比 a というのは、低段側と高段側のピストン押しのけ量の比です。この辺は『上級 冷凍受験テキスト:日本冷凍空調学会』<9次(8次):P48右 4.2.3 コンパウンド圧縮機による二段圧縮冷凍装置>を勉強してください。
ピストン押しのけ量の計算式は、二種冷凍学識計算攻略のこのページ(別窓で開きます)で勉強しました。
この問題の低段側のピストン押しのけ量をVL、高段をVHとすると、
ぇ~と、気筒数比 a は、ピストン押しのけ量VLとVHの比ですから、
(ηvは同じだから消えます)
ということは、
…(2)
さて、qmLとqmHの関係がもう一つあります。そうです、中間冷却器の熱収支です。さっそく、中間冷却器の図を書いてみましょう。もう簡単ですよね!?
左辺に入るもの、右辺に出るものを書きます。
qmH・h5 + qmL・h2´ = qmH・h3 + qmL・h7
まとめます
qmL(h2´- h7) = qmH(h3 - h5)
ここで、h2´を使っている事に注意してください。
よって、
…(3)
h2の実際の比エンタルピーh2´を求めましょう。
(2)と(3)式から
…(4)
というわけで、熱収支からもqmLとqmHの比が導き出せました。ピストン押しのけ量と気筒数比から求めた比と同じ値、0.6818になりました。
ぅむ、h7が求めらますね。指定されている各比エンタルピー数値を入れます。
途中の計算は省いて、 h7 = 216.96 (kJ/kg)
ここに、 h7 = h8 …(5)
…(1)
指定された数値を代入します。
冷媒循環量は、下3桁(0.656)でよいですが、この場合は3桁以降が微妙な数字なので「0.6556」として下四桁にしておいたほうが良いです。次の凝縮負荷の答が微妙に変わってしまうからです。 (その違いはここでは書きません、ぇ、面倒ですから…)m(__)m
答え qmL = 0.6556(kg/s)
h4の実際の比エンタルピーh4´を求めます。
qmHを下記の(4)式と、(1)の問題の答え(qmL=0.6556)から求めます。
… (4)
Φkは、
答え Φk = 200.3(kW)
【2016/02/11 新設】