満液式蒸発器の問題です。
液集中器まわりの熱収支の式を組み立てられるかが、ポイントです。
第一種冷凍機械責任者試験 平成19年度（11月試験）
問2 R22を冷媒とする満液式蒸発器使用の冷凍装置の概略図は、下図のとおりである。
この装置において、圧縮機の冷媒循環量がqmro ＝ 0.2kg/sであり、この理論冷凍サイクルの各点における比エンタルピーの値は、下記のとおりである。
これ装置について、次の（1）の問は解答用紙のp?h線図上に、また（2）、（3）および（4）の問は、解答用紙の所定欄に計算式を示して答えよ。
ただし、配管での熱損失は無視できるものとする。
（20点）
（運転条件）
h1 ＝ 393 kJ/kg
h2 ＝ 440 kJ/kg
h3 ＝ h4 ＝ 230 kJ/kg
h5 ＝ h6 ＝ 166 kJ/kg
（1）この冷凍装置の理論冷凍サイクルを解答用紙のp-h線上に描き、点1～点7の各状態点を図中に記入せよ。
（2）冷凍能力Φo（kW）を求めよ。
（3）圧縮機の理論圧縮軸動力P（kW）を求めよ。
（4）理論成績係数（COP）を求めよ。
（1）の問題：解答用紙に書かれているp-h線図（予想）
（1） この冷凍装置の理論冷凍サイクルを解答用紙のp-h線上に描き、点1～点7の各状態点を図中に記入せよ。
これは、テキストをみて勉強しておかないと描くことができないでしょう。
（2） 冷凍能力Φo（kW）を求めよ。
Φo ＝ qmro（h1 － h4）＝ 0.2 × （393 － 230）＝ 32.6 kW
答え 32.6 kW
（h1 － h4）の理由は、ここでは省略。
兎に角、液集中器の入り口（h4）と出口（h1）が冷凍効果になると覚えておく。
（3） 圧縮機の理論圧縮軸動力P（kW）を求めよ。
P ＝ qmro（h2 － h1）＝ 0.2 × （440 － 393）＝ 9.4 kW
答え 9.4 kW
2冷レベルの問題。
（4） 理論成績係数（COP）を求めよ。
COP ＝ Φo／P ＝ 32.6／9.4 ＝ 3.46808 ≒ 3.47
答え 3.47
この問題は、なんといってもp-h線図が描けることが必須でしょう。
p-h線図が描けるということは、他の問題は楽勝と思われます。
（1）・・10点
（2）・・5点
（3）・・2点
（4）・・3点
部分点は、こんな感じに予想して見ました。（2）と（3）がダメだと（4）は、式があっていても0点かもしれませんね。
健闘を祈る。
訂正箇所履歴
【2016/02/11 新設】
- スマホなどで崩れる計算式などを、自動で大きさが変化する画像にした。（2017(H29)/04/26）