1種冷凍学識計算11月試験攻略-問5:平成23年度

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円筒胴用に板厚9mm、鏡板用に板厚6mmのSM400BをR404A用高圧受液器を設計したい。

 過去問をこなし…ていても、戸惑うかも。やたらと文章中心に問いかけてくるし。でも、落ち着いて考えれば良いかと。

第一種冷凍機械責任者試験 平成23年度 問5(11月試験)

問5 円筒胴圧力容器とそれの鏡板に用いる板材として、円筒胴用に板厚9mm、鏡板用に板厚6mmのともにSM400Bがある。この板材を用いて屋外設置のR404A用高圧受液器を設計したい。この高圧受液器について、次の(1)および(2)の問に、解答用紙の所定欄に計算式を示して解答せよ。
  ただし、R404Aの凝縮温度50℃における高圧部設計圧力は、2.21Mpaとする。

(20点)

(1)設計可能な最大の円筒胴の外径Doは何mmか。
 ただし、溶接効率は0.7とし、円筒胴外径の小数点以下は切り捨てよ。

(2)(1)で求めた円筒胴に取り付ける鏡板の形状は半球形とし、この鏡板には溶接継手はないものとする。これに板厚6mmの板材を用いてもよいか。必要板厚を計算して判断せよ。
 ただし、円筒胴と鏡板は外径寸法を同一とする。

(1) 設計可能な最大の円筒胴の外径Doは何mmか。ただし、溶接効率は0.7とし、円筒胴外径の小数点以下は切り捨てよ。

  • 腐れしろαは屋外設置なので、α=1とする。
  • 許容引張応力σaはSM400Bなので、σa=100N/mm^2とする。
  • 溶接効率は、ηとする。
  • 円筒胴板厚は、taとする。
  • 設計圧力を、Pとする。(P=2.21Mpa)

 次式よりDiを求める。(参照:『上級 冷凍受験テキスト:日本冷凍空調学会』<9次:P179左 (12.8)式><8次:P172左 (12.8)式>

1種冷凍学識平成23年度問5 限界圧力(最高使用圧力)P計算式の変形Diを求める。
 式の変形が面倒だなぁ…。本番では、変形過程は記述しなくても全然良いです。ここでは、参考に書いておきます。

 じゃ、数値代入しましょう。

1種冷凍学識平成23年度問5 Diを求める式へ数値代入。

 小数点以下は切り捨てる

 内径Diは、497mmとなる。よって、外径Do=497+2×9=515mm

  答え  Do = 515 mm

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(2) (1)で求めた円筒胴に取り付ける鏡板の形状は半球形とし、この鏡板には溶接継手はないものとする。これに板厚6mmの板材を用いてもよいか。必要板厚を計算して判断せよ。ただし、円筒胴と鏡板は外径寸法を同一とする。

 鏡板の計算なんてしたことなかったんだけども…、ま、頑張って公式覚えてください。

 半球系鏡板の必要板厚taは、

1種冷凍学識平成23年度問5 半球系鏡板の必要板厚ta求める式  
テキスト<9次:P179右 (12.11)式><8次:P173左 (12.11)式>

 与えられている数値は、

  • 腐れしろ α = 1mm
  • 半球形形状に関する係数 W = 1
  • 鏡板は溶接継手がないので η = 1
  • 鏡板の半径Rは、(算数なので説明略)
    1種冷凍学識平成23年度問5 半球系鏡板の半径R求める

 数値代入します。

1種冷凍学識平成23年度問5 半球系鏡板の必要板厚ta求める式数値代入

  答え  必要板厚は3.79mmであるから、板厚6mmの板材を用いてもよい。

  3.8mmであるから でもよいと思います。健闘を祈る。

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訂正箇所履歴

【2016/03/22 新設】

  • 数式の画像や解説など全般的に見直し。(2017(H29)/05/09)
  • 問題文の、「板厚6mmのとおにSM400Bがある」→「板厚6mmのとにSM400Bがある」に修正。(2020(R02)/10/08)
  • (2)「鏡板は溶接ないので η = 1」→「鏡板は溶接継手がないので η = 1」に修正。(2020(R02)/12/12)
  • 『上級 冷凍受験テキスト』9次改訂版に対応。(2023(R05)/08/08)

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