EchoLand-plus
近年では、平成20年度で出題されています。この年度は、学識計算では珍しい?ぅん個問題です。疲れていたら説かなくても善いでしょう。
(1)の冷凍能力を求める問題は、液ガス熱交換器の熱収支がカギです。
点6は比エンタルピーがこの時点では不明ですから、通常の液ガス熱交換器のp-h線図の位置としておきます。 (参考:『上級 冷凍受験テキスト:日本冷凍空調学会』<9次(8次):P20>)
冷凍能力を求める式は、サクッと浮かびます。
Φo = qmr(h6 - h5) …(1)
この(1)式で、数値がわからないものは冷媒循環量qmrと、蒸発器入口(膨張弁出口)の比エンタルピーh6です。
qmrは、ピストン押しのけ量V、比体積v1、体積効率ηvが与えられているので、そうです。2種学識計算攻略で覚えました。
V・ηv = qmr・v1 …(2)
(2)式から (注)Vの単位を秒に換算します。
次はh6を求めます。さて、ここからがこの問題のポイントです!液ガス熱交換器の熱収支を考えます。
流出するもの左辺に、流入するもの右辺に、まとめてみましょう。(下図をよく見てください、概略図を切り取ってあります。)
qmr・h4 + qmr・h1 = qmr・h3 + qmr・h6
h4 + h1 = h3 + h6 …(3)
ま、この式丸暗記でもいいですけどね。丸暗記ならこれがわかりやすいかも、
h1 - h6 = h3 - h4
(3)式より、
では、(1)式にて
答え Φo = 21.4(kW)
そもそも、「湿り蒸気の場合は乾き度を求めよ。」とか、飽和蒸気と乾き蒸気の比エンタルピー値が記してあるとか、もうね、湿り蒸気で乾き度の計算をしなさい。って、見え見えの問題ですよね…。
よって、湿り蒸気であるw。
①図は、点6の値が不明なときで、h6を求めると411なので、点Dより飽和液側になる。
テキストの線図と違うところが嫌だな-、でも、ありえる動作かもしれないですね。どうもすみませんでした。
解答的文章は、下記のようでどうだろうか。
さて、乾き度x6は、(参考:乾き度xについてまとめ)
答え 95.5%
ηtadとは、
ηtad = ηc・ηm
理論成績係数と実際の成績係数の値が与えられている。…って、少々頭を回転させれば簡単でないの!
ということだから、
4.25 × ηtad = 2.98
ということになる。
よって、
答え ηtad = 0.701
パズルを解いているようです。
そうか、理論値と実際の値が分かれば「効率」を導き出すことができるという、素晴らしい問題なのですね。少々興奮気味のページ表題を作ってしまって申し訳ありませんでした。
【2016/02/11 新設】