1種冷凍学識計算講習検定試験攻略-問2:平成13年度

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2台の蒸発器を攻略

 ぜんぜん難しくありません。熱収支を把握しているあなたは、軽くこなせるはずです。(この問題は、1種冷凍学識計算攻略「2つの蒸発器を攻略しますよ。」で使用しています。(ほとんどコピペです))

第一種冷凍機械責任者講習検定試験 平成13年度 問2

 問2 下図は蒸発温度の異なる2台の蒸発器を1台の圧縮機で冷却する冷凍装置概略図である。

2つの蒸発器概略図

 下記の運転状態の場合に蒸発器Bの冷凍能力を計算の過程を示して求めよ。

 圧縮機吸込み蒸気の比エンタルピー  h1 = 413.5kJ/kg
 受液器出口の液の比エンタルピー   h3 = 240.0kJ/kg
 蒸発器A出口の蒸気の比エンタルピー h8 = 405.5kJ/kg
 蒸発器B出口の蒸気の比エンタルピー h5 = 420.2kJ/kg
 蒸発器Aの冷凍能力        ΦAO = 48.5kW

とりあえず、冷凍能力を求める計算式を書いてみよう。

2つの蒸発器p-h線図

 蒸発器Bの冷凍能力をΦBO、蒸発器Bの冷媒循環流量をqrBとすると、

ΦBO = qrB(h5 - h4) ------(1)

 ここで、h5は問題文の中で指定されています。

 ここに、h4 = h3

 さて、数値の分からないものはqrBです。では、qrBを求めるにはどうするか…、これがこの問題のポイントとなります。

 qrAは、蒸発器Aの冷凍能力(ΦAOとする)が分かっていますし、h8とh7も分かりますからすぐ求められそうです。

  ΦAO = qrA(h8 - h7) ------(2)


熱収支を考えますよ。

 qrAとqrBが混ざっているところの混合点aの熱収支を考えます。

2つの蒸発器混合点

 流出するものを左辺、流入するものを右辺として式にします。(面倒なので色分け無し)

 h1 (qrA + qrB) = qrA・h8 + qrB・h6

 qrA・h1 + qrB・h1 = qrA・h8 + qrB・h6

 qrA・h1 - qrA・h8 = qrB・h6 - qrB・h1

 qrA (h1 - h8) = qrB (h6 - h1)

qrB計算式


もう解けたも同然です!

 この問題は楽勝!サービス問題となっていることでしょう。

 まず、(2)式からqrAを求めます、

qrA計算式

 次は、(3)式からqrBを求めます。

qrB計算式

 おまたせ、(1)式を使ってBの冷凍能力と求めましょう。

  ΦBO = qrB(h5 - h4) = 0.35 × (420.2 - 240.0) = 63.07 = 63.1 (kW)

   めでたしめでたし。

 計算式記述は、qrA、qrB、ΦBOの式だけでも良いかもしれませんが、赤字の熱収支の式を書けば完璧だと思います。

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訂正箇所履歴

【2018(H30)/07/23 新設】

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