1種冷凍学識計算講習検定試験攻略-問2:平成14年度

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ホットガスバイパス冷凍サイクル

 線図を書く問題は、出る頻度が多いです。(この問題は、1種冷凍学識計算攻略ホットガスバイパス冷凍サイクルで使用しています。)

第一種冷凍機械責任者試験 平成14年度(講習検定試験)

 下図は、吐出しガスの一部を膨張弁直後の低圧側にホットガスバイパス弁を通して絞り膨張させ、容量制御を行っているR22冷凍装置の概略図である。(20点)

第一種冷凍機械責任者講習検定試験 問2 (平成14年度)の図

 容量制御時の冷媒流量および図中の各点における比エンタルピー値はそれぞれ下記の通りである。

平成14年度1種冷凍講習検定試験問2容量制御時

装置の概略図

 このとき、次の(1)~(3)について答えよ。

(1) この装置の冷凍サイクルを、装置の概略図の点1~6の各点とともに解答用紙のp-h線上に示せ。

(2) 容量制御時の冷凍能力は何kWか。解答用紙に計算式を示した答えよ。

(3) 容量制御時の成績係数はいくらか。解答用紙に計算式を示した答えよ。

(1) この装置の冷凍サイクルを、装置の概略図の点1~6の各点とともに解答用紙のp-h線上に示せ。

 線図を書く問題は、出る頻度が多いです。上級テキストに掲載されているp-h線図は、目を閉じていても書くことができるようになれば…、祝合格!

第一種冷凍機械責任者講習検定試験 問2 (平成14年度)の図

 概略図を参考にしてください。

(1)の解答図

<参考>
  • 圧縮機の吸込み蒸気点1は、圧縮機吐出しガス点2となって凝縮器とホットガスバイパス弁へと流れていきます。
  • ホットガスバイパス弁の高圧ガスは絞り膨張されて比エンタルピーが同じ状態(点2点5)で、低圧過熱ガス点5の状態になります。
  • 点3の凝縮器で液化された高圧液冷媒は、膨張弁で絞り膨張されて点4の低圧湿り蒸気となります。
  • 点5の低圧過熱蒸気と点4の低圧湿り蒸気が混合されて点6の状態で蒸発器に入ります。

(2)容量制御時の冷凍能力は何kWか。

 なにわともあれ混合部分の熱収支の式を組み立てます。

蒸気入口図

 さて、冷凍能力Φoを求める計算式は…、蒸発器入口の点に注意してくださいね。

 Φo = qr(h1-h4)     じゃ、ないですよ

 Φo = qr(h1-h6 -----(1)

 ここで、問題で指定されている数値を考えると、h6の比エンタルピーが分かりません。これが、この問題のポイントです。 この問題の作者が解いてもらいたいところ、つまり採点者が見るポイントになります。

合流点


 さぁ、点4、点5、点6の熱収支計算式を考えます。

 前ページで学習した、混合点で左辺に流入するもの、右辺に流出するものを書きましょう!

 qr2・h5 + qr1・h4qr・h6 -----(2)

ホットガスバイパスp-h線図

 (2)式から、h6を求めます。問1で書いたp-h線図に指定された数値を書き込んであります。

h6を求める式に数値代入。

 さぁ、(1)式から一気にかたづけましょう。

   Φo = qr(h1 - h6) = 0.5 (399.5 - 278.6) = 60.45(kW)

   答え 60.45(kW)(60.5でもよいと思います。)

 どうでしょうか、熱収支さえ分かれば手のひらで転がすように簡単です。もう、これはサービス問題のようになってしまいます。

(3)容量制御時の成績係数はいくらか。

 (3)の問題は、怒濤のごとくサクッとかたづけましょう。

そうです、スマートに、スッキリに。

COPを求める式。

 ってことで、比エンタルピーだけで求められる式ができあがりです。

 これは、もう覚えているかもしれませんが…。ま、過去問こなしているうちに 自然に出てくる式だと思います。

COPを求める式に数値代入。

   答え 2.545(2.55でもよいと思います。)

コメント

 h6の値が求めることができなければ撃沈でしょう。ご健闘をお祈りしています。

訂正箇所履歴

【2018(H30)/07/24 新設】

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