1種冷凍学識計算講習検定試験攻略-問5:令和4年度

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圧力容器の薄肉円筒胴を設計したい。

 落とすことがないであろう素直な問題です。

第一種冷凍機械責任者試験 令和4年度(講習検定試験)

問5 下記仕様圧力容器の薄肉円筒胴を設計したい。このとき、次の(1)~(4)について、それぞれ解答用紙に計算式を示して答えよ。(20点)

(仕様)
 設計圧力            P = 2.21 Mpa
 薄肉円筒胴材料の許容引張応力  σa = 100 N/mm2
 薄肉円筒胴内径         Di = 440 mm
 溶接継手の効率          η = 0.60
 腐れしろ             α = 1 mm
 選択できる板材の厚さ       8 mm、9 mm、10 mm、11 mm、12 mm

 (1) 腐れしろを考慮した薄肉円筒胴の最小の必要厚さta(mm)を小数点以下2桁まで求めよ。

 (2) 選択すべき薄肉円筒胴使用板材の最小の厚さを決定せよ。

 (3) 決定した板厚の薄肉円筒胴内に設計圧力が作用するとき、薄肉円筒胴の長手方向に生じる引張応力σl(N/mm2)を小数点以下1桁まで求めよ。

 (4) 決定した板厚の薄肉円筒胴内に設計圧力が作用するとき、薄肉円筒胴の接線方向に生じる引張応力σt(N/mm2)を小数点以下1桁まで求めよ。

(仕様)と使用する公式

 与えられた条件と勉強して覚えた公式で上手に導き出しましょう。

仕様
  • P = 2.21 Mpa
  • Di = 440 mm
  • σa = 100 N/mm^2
  • η = 0.60
  • α = 1 mm
使用する公式
  • taの公式
  • σlの公式
  • σtの公式

(1) 腐れしろを考慮した薄肉円筒胴の最小の必要厚さta(mm)を小数点以下2桁まで求めよ。

 最小必要厚さ taを求める式は覚えてしまいましょう。設問では、すべての数値が揃っていますので楽勝です。

 taの式。

  taの公式

 では、数値代入して。

  taの公式に数値代入して計算


   答え 9.29 (mm) 「9.30」とか「9.3」は、ダメだよ。

(2) 選択すべき薄肉円筒胴使用板材の最小の厚さを決定せよ。

 (1)で求めた厚さよりも厚い材料を選択すること。(8 mm、9 mmは、ダメだよ。これ間違うと(3)(4)は撃沈。)ま、過去問してなくても常識的にわかるでしょう。


   答え 薄肉円筒胴使用板材の最小の厚さは 9.29mmであるから、これよりも厚い 10mmの板材を選択する。

(3) 決定した板厚の薄肉円筒胴内に設計圧力が作用するとき、薄肉円筒胴の長手方向に生じる引張応力σl(N/mm2)を小数点以下1桁まで求めよ。

 (2)で選択した 10mmの板材で計算します。他の数値はすべて揃っていますので楽勝です。長手方向の引張応力σl求める式は覚えてしまいましょう。

 σlの式。

  σlの公式

 では、数値代入して。

  σlの公式に数値代入して計算


   答え 24.3 N/mm2

(4) 決定した板厚の薄肉円筒胴内に設計圧力が作用するとき、薄肉円筒胴の接線方向に生じる引張応力σt(N/mm2)を小数点以下1桁まで求めよ。

 (2)で選択した 10mmの板材で計算します。他の数値はすべて揃っていますので楽勝です。接線方向の引張応力σt求める式は覚えてしまいましょう。

 σlの式。

  σtの公式

 では、数値代入して。

  σtの公式に数値代入して計算


   答え 48.6 N/mm2 lの2倍です。)

コメント

 公式さえ覚えていれば、超楽勝のサービス問題です。これを落とすようであれば論外。

訂正箇所履歴

【2022(R04)/10/04 新設】

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