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令和4年度(検定)と同等の超サービス問題です。
1. 下図はアンモニアを使用した二段圧縮一段膨張冷凍装置の理論冷凍サイクルを示す。この冷凍装置の理論冷凍能力 Φoは 120 kWであり、各状態点における冷媒の比エンタルピーの値を以下に示す。 このとき、次の(1)~(4)について、それぞれ解答用紙に計算式を示して答えよ。(20点)
(各状態点における冷媒の比エンタルピー)
低段圧縮機吸込み蒸気の比エンタルピー \(h_{\text{1}} = 1446\,{\text {kJ/kg}}\)
理論断熱圧縮後の低段圧縮機吐出しガスの比エンタルピー \(h_{\text{2}} = 1686\,{\text {kJ/kg}}\)
高段圧縮機吸込み蒸気の比エンタルピー \(h_{\text{3}} = 1472\,{\text {kJ/kg}}\)
理論断熱圧縮後の高段圧縮機吐出しガスの比エンタルピー \(h_{\text{4}} = 1602\,{\text {kJ/kg}}\)
中間冷却器用膨張弁直前の冷媒液の比エンタルピー \(h_{\text{5}} = 366\,{\text {kJ/kg}}\)
蒸発器用膨張弁直前の冷媒液の比エンタルピー \(h_{\text{7}} = 282\,{\text {kJ/kg}}\)

(1) 低段側冷媒循環量 \(q_{\text{mr}}\,\text{(kg/s)}\)を求めよ。
(2) 中間冷却器へのバイパス冷媒流量 \(q'_{\text{mro}}\,\text{(kg/s)}\)を求めよ。
(3) 圧縮機の総理論圧縮動力 \(P_{\text{th}}\,\text{(kW)}\)を求めよ。
(4) 理論冷凍サイクルの成績係数 \((COP)_{\text{th.R }}\)を求めよ。
スラスラと書けることが出来るぐらいになれば、合格ラインでしょう。

令和5年度講習検定試験問1のp-h線図

令和5年度講習検定試験問1の概略図

低段側の冷媒循環量 \(q_{\text{mro}}\)の求め方解説
これは2冷レベルの問題、解けないようであれば勉強不足です。
\(\boldsymbol {Φ_{\text{o}} = q_{\text{mro}}(h_{\text{1}} - h_{\text{8}})}\)
なので、
\(q_{\text{mro}} = \dfrac{Φ_{\text{o}}}{h_{\text{1}} - h_{\text{8}}}\) ここに、\(h_{\text{7}} = h_{\text{8}}\)
よって、
\(q_{\text{mro}} = \dfrac{120}{1446 - 282} = 0.103092\)
\(\fallingdotseq{0.103}\)
答え \(\boldsymbol{0.103\,\text{kg/s}}\)
なにわともあれ、熱収支です。

左辺に入るもの、右辺に出るものでまとめます。
\(\boldsymbol{q'_{\text{mro}}h_{\text{6}} + q_{\text{mro}}h_{\text{5}} + q_{\text{mro}}h_{\text{2}}}\) = \(\boldsymbol{q_{\text{mrk}}h_{\text{3}} + q_{\text{mro}}h_{\text{7}}}\)
さて、熱収支式の \(q_{\text{mrk}}\)を削除して、 \(q'_{\text{mro}}\)と \(q_{\text{mro}}\)でまとめることを考えます。
\(\boldsymbol{q_{\text{mrk}} = q_{\text{mro}} + q'_{\text{mro}}}\)
(『上級 冷凍受験テキスト:日本冷凍空調学会』<9次:P28左(2.26)式を参照のこと>)
\(\boldsymbol{q'_{\text{mro}}h_{\text{6}} + q_{\text{mro}}h_{\text{5}} + q_{\text{mro}}h_{\text{2}} = (q_{\text{mro}} + q'_{\text{mro}})h_{\text{3}} + q_{\text{mro}}h_{\text{7}}}\)
\(q'_{\text{mro}}\)と \(q_{\text{mro}}\)だけの式ができあがりました。
\(h_{\text{3}}\)の部分を展開して
\(q'_{\text{mro}}h_{\text{6}} + q_{\text{mro}}h_{\text{5}} + q_{\text{mro}}h_{\text{2}} = q_{\text{mro}}h_{\text{3}} + q'_{\text{mro}}h_{\text{3}} + q_{\text{mro}}h_{\text{7}}\)
\(q_{\text{mro}}\)を左辺に、 \(q'_{\text{mro}}\)を右辺に移項します。
\(q_{\text{mro}}h_{\text{5}} - q_{\text{mro}}h_{\text{7}} + q_{\text{mro}}h_{\text{2}} - q_{\text{mro}}h_{\text{3}} = q'_{\text{mro}}h_{\text{3}} - q'_{\text{mro}}h_{\text{6}}\)
ここで、まとめます。p-h線図をよ~く見てください。
左辺は \(h_{\text{2}}\)と \(h_{\text{3}}\)、\(h_{\text{5}}\)と \(h_{\text{7}}\)がペアになります。
\(q_{\text{mro}} \left\{{(h_{\text{5}} - h_{\text{7}}) + (h_{\text{2}} - h_{\text{3}})}\right\} = q'_{\text{mro}}(h_{\text{3}} - h_{\text{6}})\)
この熱収支の式が、できるかできないかで合格の合否の分かれ道となるでしょう。
途中経過の式を長々と記述する必要はありません。下記のようにいきなり記述しましょう。そうしないと、解答スペースが無くなってしまいます。
中間冷却器の熱収支は次式で表される。
\(q_{\text{mro}} \left\{{(h_{\text{5}} - h_{\text{7}}) + (h_{\text{2}} - h_{\text{3}})}\right\} = q'_{\text{mro}}(h_{\text{3}} - h_{\text{6}})\)
よって、
\(q'_{\text{mro}} = q_{\text{mro}} {\dfrac{{(h_{\text{5}} - h_{\text{7}}) + (h_{\text{2}} - h_{\text{3}})}}{(h_{\text{3}} - h_{\text{6}})}}\)
では、数値代入しましょ。ここで、\(h_{\text{5}} = h_{\text{6}}\)
\(q'_{\text{mro}} = 0.103 \times {\dfrac{{(366 - 282) + (1686 - 1472)}}{(1472 - 366)}}\)
\(= 0.103 \times {\dfrac{{(84 + 214)}}{1106}}\)
\(= 0.103 \times {\dfrac{298}{1106}}\)
\( = 0.103 \times 0.2695 = 0.0277585\)
\( \fallingdotseq 0.0278 \)
答え \(\boldsymbol{0.0278\,\text{kg/s}}\)
総理論圧縮動力は、低段と高段の和ですね。(3冷レベル)
Pth = PL + PH
PL = qmro(h2 - h1)
PH = qmrk(h4 - h3)
ここで、qmrkは、
qmrk = q'mro + qmro
= 0.0278 + 0.103
= 0.1308
≒ 0.131
よって、
Pth = qmro(h2 - h1) + qmrk(h4 - h3)
= 0.103 × (1686 - 1446) + 0.131 × (1602 - 1472)
= 24.72 + 17.03
= 41.75 ≒ 41.8
答え \(\boldsymbol{41.8 \,\text{kW}}\)
楽勝ですが、ポンミスとかで間違えて涙目にならないように、最後まで慎重に。
\(\boldsymbol{(COP)_{\text{th.R }} = \dfrac{\Phi_{\text{o}}}{P_{\text{th}}}}\)
\(\boldsymbol{(COP)_{\text{th.R }} = \dfrac{120}{41.8} = 2.8708133 \fallingdotseq 2.87}\)
答え \(\boldsymbol{2.87}\)
理論サイクルの超楽勝サービス問題でした。熱収支がわからなくても、過去問こなして丸暗記でも解けるかと思います。とうぜん講習でヒントも与えられるでしょう(!?)。
【2024(R06)/01/14 新設】