3種「保安」内検索

冷凍機の保守管理 問15

 3冷試験「保安管理技術」の最後を飾る「問15」の問題です。  保守管理 という文言で始まります。


 まずは、アンモニア冷凍装置とフルオロカーボン冷凍装置での、水分混入による影響の違いを把握しましょう。美味しい問題が多いが、引っ掛けっぽいのもある。悔いを残さないように、絶対ゲットしてやろう。

 『初級 冷凍受験テキスト:日本冷凍空調学会』<8次:P174 (14.4 装置内の水分)>です。<8次:P179 (表 14.3)も読んでおいたほうがよい。

アンモニア冷凍装置への水分侵入P174

 テキストは<8次:P174 (14.4 装置内の水分)>です。年代順に並べておくよ。

・圧縮機潤滑油に鉱油を用いたアンモニア冷凍装置の冷媒系統に、水分が侵入しても微量であれば、装置に障害を起こすことはない。 H12/15 答え

【◯】 アンモニア冷媒は水分と溶け合うため、アンモニア水となる。微量であれば装置に影響はないが、水分が多いと冷凍能力が減少する。

・アンモニア冷凍装置の冷媒系統に水分が侵入しても少量であれば、障害を引き起こすことはない。 H13/15 答え

【◯】 H12/15問題と同様

・アンモニア冷凍装置内に水分が少量であっても侵入すると、膨張弁を氷結させることがある。 H14/15 答え

【×】 アンモニアは水分をよく溶解するのでアンモニア水となるので、少量であれば氷結することはない。

・アンモニア装置の冷媒系統に水分が多量に侵入しても、アンモニアは水分をよく溶解してアンモニア水になるので、運転に大きな支障をきたすことがない。 H16/14 答え

【×】 ぅわわ~、引っ掛け問題。
 アンモニア「水分が多量」にと問われたら、運転に支障をきたすと考える。(微量(少量)、フルオロの場合、等の違いをおぼえる)

・アンモニア冷凍装置の冷媒系統に水分が侵入しても、微量であれば装置に障害を起こすことはない。 H17/15 答え

【◯】 この問題、結構出る。必ずGETしよう。

・アンモニア冷凍装置にわずかな水分が浸入しても、フルオロカーボン冷凍装置と同様に、膨張弁部に氷結し冷媒が流れなくなる。 H26/15 答え

【×】 ぅむ。「わずか」ですから、氷結しないんですよね!勉強していないと戸惑うかも。

・アンモニア冷凍装置への多量の水分浸入は、アンモニア冷媒の蒸発圧力の低下、圧縮機の潤滑性能の低下などをもたらすので、十分に注意が必要である。 H27/14 答え

【◯】 アンモニア冷凍装置は水分が「多量」「微量」「わずか」「少量」といった語句に注意して問題文を読み解くことですね。

・アンモニア冷凍装置の冷媒系統に水分が浸入すると、低温の運転では、わずかな水分量であっても膨張弁部に氷結して、冷媒が流れなくなる。 H28/15 答え

【×】 H26/15と同等のチョロい問でつね。

・アンモニア冷凍装置の冷媒系統に水分が侵入すると、アンモニアがアンモニア水になるので、少量の水分の侵入であっても、冷凍装置内でのアンモニア冷媒の蒸発圧力の低下、冷凍機油の乳化による潤滑性能の低下などを引き起こし、運転に重大な支障をきたす。 R01/15 R05/15 答え

【×】 なんだか【◯】にしたくなる上手な文章ですね。でも、あなたならチョロい問題でつね!!(令和5年は元年のコピペ!?でした。)正しい文章にしてみましょう。

  アンモニア冷凍装置の冷媒系統に水分が浸入すると、アンモニアがアンモニア水になるので、少量の水分の浸入であれば、装置に障害を引き起こすことはない。しかし、多量の水分が侵入すると、 冷凍装置内でのアンモニア冷媒の蒸発圧力の低下、冷凍機油の乳化による潤滑性能の低下などを引き起こし、運転に重大な支障をきたす。


フルオロカーボン冷凍装置への水分侵入P174

 フルオロの場合は、少量の水分侵入でも支障が出るというのがポイントかな。テキスト<8次:P179 (表14.3 フルオロカーボンの水分の侵入経路と防止対策)、よく読んでおきましょう。

・フルオロカーボン冷媒に水分が混入すると、冷媒の加水分解により酸が生成し、金属腐食の原因になる。 H18/15 答え

【◯】 まったくその通り。フルオロと水分といえば、この問題。

・気密試験に空気圧縮機からの加圧空気を用いると、大気中の水分が空気とともに冷媒系統に入る。 H10/15 答え

【◯】 題意の通り。なので、真空乾燥を充分行う。テキスト<8次:P179 (表14.3)

・フルオロカーボンは水分をよく溶解するので装置内に少量の水分が侵入しても、装置に障害を引き起こすことはない。 H11/15 答え

【×】 フルオロカーボンは水分を溶解しないため、少量の水分が入っても加水分解のよって酸が発生し金属を腐食させ、装置に悪影響を与える。

・フルオロカーボン冷凍装置に水分が混入しても、装置に障害を引き起こすことはない。 H24/15 答え

【×】 なんという、単刀直入のサービス【×】問題!

・フルオロカーボン冷凍装置で、異常低圧の原因の一つとして、膨張弁のオリフィス付近での氷結が考えられる。 H10/14 答え

【◯】 フルオロカーボン冷凍装置で冷媒に水分が混入すると、低温になる膨張弁のオリフィス付近で水分が氷結し、冷媒が詰まり循環が阻害され蒸発器圧力が低下する。

・フルオロカーボン冷凍装置の冷媒系統に水分が侵入すると、低温の運転では膨張弁部に氷結し、冷媒が流れにくくなる。 H13/15

・フルオロカーボン冷凍装置に少量の水分が侵入すると、低温の運転では膨張弁に氷結することがある H16/15

・フルオロカーボン冷凍装置に水分が混入すると、低温の運転では膨張弁に氷結して、冷媒が流れなくなることがある。 H29/15 答え

【全部 ◯】 フルオロカーボン冷凍装置は水分は大敵!フルオロと水分はアンモニアのように溶け合わないから低温部分では水分が氷結したり、金属の腐食の原因ともなる。

・フルオロカーポン冷凍装置に水分が侵入すると、0℃以下の低温の運転では膨張弁部に水分が氷結して冷媒が流れなくなるおそれがある。そのため、修理工事後の冷媒の充てんには水分が侵入しないように細心の注意が必要である。しかし、潤滑油の充てんには油と水は相容れない性質があることを考えると、水分への配慮は必要ない。 H25/15 答え

【×】 な、長い(笑
 テキスト的には<8次:P179 (表14.3)>で「水分の侵入経路」の[冷凍機油の中に水分が含まれている。]の欄から読み取りなさい。ということかな。冷凍機油は外気に触れ水分が混入しないように注意すること。

・フルオロカーボン冷凍装置では、装置の新設や修理時に残った水分、気密試験の空気中の水分、冷凍機油中の水分などが冷媒系統に浸入するので、防止対策が必要である。 H27/15 答え

【◯】 その通り! 良い問題ですね。

・フルオロカーボン冷凍装置において、冷凍機油の充填には、水分への配慮は必要ないが、冷媒の充填には、水分が混入しないように細心の注意が必要である。 R03/15 答え

【×】 これは、テキスト<8次:P179 表14.3「フルオロカーボン冷凍装置の水分の侵入経路と防止対策」>を一読しておかないと、戸惑うかな。

フルオロカーボン冷凍装置において、冷凍機油の充填には、外気に接触しないよう水分への配慮が必要であり、冷媒の充填には、水分が混入しないように細心の注意が必要である。 こういう感じでいいかな。

 03/05/01 04/09/05 05/03/21 07/03/24 08/04/26 09/05/31 10/09/16(分割) 11/07/01 12/06/04 13/07/18 14/08/13 15/06/24 16/08/25 17/12/03 19/11/26  20/10/09 22/01/21 23/11/30

 『初級 冷凍受験テキスト』8次改訂版への見直し、済。(22/01/21)

修正・訂正箇所履歴

【2016/06/12 新設】

  • 見出しが「運転と点検」だったので「保守管理」に修正。(2016/06/19)
  • [Submenu]の「液戻り・液圧縮」の上に変な空白があったので修正。(2018(H30)/08/19)
  • テキスト8次改訂版(R01(2019)-11月改訂)へ対応、および、文章を見直し。(2020(R02)/07/09)
  • 「R01/15」(アンモニア)の解説を少々手直し。(2020(R02)/10/09)
  • 全般的に見直し。(2022(R04)/01/21)

Back to top ↑

【参考文献】

  • 初級 受検テキスト(SIによる初級受検テキスト):日本冷凍空調学会
  • 上級 受検テキスト(SIによる上級受検テキスト):日本冷凍空調学会
  • 冷凍機械責任者(1・2・3冷)試験問題と解答例(13):日本冷凍空調学会
  • 第3種冷凍機械責任者試験模範解答集 :電気書院
  • 第1・2種冷凍機械責任者試験模範解答集 :電気書院

Back to top ↑

^