2種冷凍学識計算攻略-過去問

2種冷凍「学識」平成23年度問2

問2 アンモニア冷凍装置が、下記の条件で運転されている。このとき、冷凍能力Φoと成績係数COPについて、次の答え(1)~(5)の組み合わせのうちから最も近いものを選べ。
  ただし、圧縮機における機械的摩擦損失は熱となって冷媒に加わるものとし、配管での熱の出入りはないものとする。

(運転条件)
 圧縮機のピストン押しのけ量        V = 250 m^3/h
 圧縮機吸込み蒸気の比体積         v1 = 0.43 m^3/kg
 圧縮機吸込み蒸気の比エンタルピー     h1 = 1450 kJ/kh
 断熱圧縮後の吐出しガスの比エンタルピー  h2 = 1670 kJ/kh
 蒸発器入り口冷媒の比エンタルピー     h4 = 340 kJ/kh
 圧縮機の体積効率             ηv = 0.75
 圧縮機の断熱効率             ηc = 0.80
 圧縮機の機械効率             ηm = 0.90

(1)Φo = 179 kW、COP = 5.05  (2)Φo = 134 kW、COP = 3.63
(3)Φo = 77.1 kW、COP = 4.54 (4)Φo = 32.3 kW、COP = 2.62
(5)Φo = 26.2 kW、COP = 2.27

なにわともあれ、p-h線図を書きましょう。

2種冷凍平成23年度学識問2のp-h線図


 こんな感じですね。


ΦoとCOPと、問われればこの式ですね!

これだけ公式(2)式
これだけ公式(6)

 では、Φoを求めましょう。

 (2)式を見ますと、h1とh4の値はわかります。qmrの冷媒循環量を求めなければなりません。

 つらつらと、問題を読みますと、はい、

これだけ公式(1)式(項目付き)

 じゃ、 (ここで、ピストン押しのけ量Vの単位に注意してください。)

  qmr = V・ηv / v1 

    = {(250 / 3600 ) × 0.75} / 0.43

    = 0.05208 / 0.43 = 0.12111628

    ≒ 0.121 kg/s

 では、Φoを、

  Φo = qmr(h1 - h4)

    = 0.121 ×(1450 - 340)

    = 0.121 × 1110

    =134.31

    ≒ 134 kW

 次はPを求めます。

 ηm、ηcを忘れないで下さい。

  P = qmr(h2 - h1)/ ηc・ηm

   = 0.121 ×(1670 - 1450)/ 0.80 × 0.90

   = 0.121 × 220 / 0.72

   = 0.121 × 305.555

    = 36.97

    ≒ 37 kW

いよいよ、COPです。

  COP = Φo / P

    = 134 / 37

    = 3.62116

    ≒ 3.62

答えは、(2)Φo = 134 kW、COP = 3.63

 ピストン押しのけ量の単位変換に注意すれば、あとは素直な問題でしょう。


 3.63と3.62が気になる方は・・・、

  COP = Φo / P

    = 134.31 / 36.97

    = 3.6329456

    ≒ 3.63

 と、なります。:-)

 特に1冷などはそうなんですが、計算式の途中の数値はできるだけ小数点以下を多くしたまま計算したほうが、模範解答の答えとズレなくなるようです。

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