2種冷凍学識計算攻略-過去問

 平成23年度問1をチョと改良し作成。

2種冷凍「学識」平成28年度問1

問1 下図は冷凍装置の理論冷凍サイクルである。理論冷凍サイクルの成績係数(COP)th・R=4.0、冷凍能力Φo=400kWのとき、次のイ、ロ、ハ、ニの記述のうち正しいものはどれか。

2種冷凍平成28年度学識問1p-h線図


 イ.断熱圧縮後の吐出しガスの比エンタルピーは455kJ/kgである。

 ロ.冷媒循環量は2.0kg/sである。

 ハ.凝縮負荷は500kWである。

 ニ.蒸発器入口(状態4)の冷媒の乾き度は、0.75である。

 (1)イ、ロ (2)イ、ハ (3)ロ、ニ (4)イ、ハ、ニ (5)ロ、ハ、ニ

イ.断熱圧縮後の吐出しガスの比エンタルピーは455kJ/kgである。

 理論成績係数(COP)th・Rと比エンタルピーh2以外がわかっているので頭を回転させると、そうです(5)式。

これだけ公式(5)

 この式から比エンタルピーのみを抜き出した式は、

これだけ公式(5)比エンタルピーのみ式

 じゃ、数値代入して一気にいきましょう。(先は長い)

H28問1イ.h2を求める数値計算

 ぁ、小学生なみの計算?、ま、おつきあいください。

 なのでイ.は、正しい。

ロ.冷媒循環量は2.0kg/sである。

 冷凍能力Φoが指定されていて冷媒循環量qmrといえば、ハイその通り!(2)式。

これだけ公式(2)

 じゃ、変形して一気に片付けます。

H28問1ロ.qmrを求める数値計算

 公式さえ覚えてれば、楽勝っスね。

 よってロ.は、誤り。

ハ.凝縮負荷は500kWである。

 凝縮負荷Φkといえば!…、「これだけ公式」にはありませぬ。だって、冷凍能力Φo(2)式と考え方は同じようなもんですから。

 なので、時間短縮のため(echoが疲れるため)一気に行きましょう。

H28問1ハ.Φkを求める数値計算

 イ、とロ、を間違えるとここで撃沈。
 (イ、ロがわからない方は、ここで完全に撃沈溺死。正誤確率計算に移行してください。)

 自信を持って、ハ.は正しい。

ニ.蒸発器入口(状態4)の冷媒の乾き度は、0.75である。

 さて、乾き度と問われてイメージが湧きますか?問1の最大のトラップです。

 この問は、平成23年度問1の改良版です。(p-h線図は、ほとんどコピペ状態と思われる。)

 
  平成23年度問1(別窓で開きます)

 解答を見ると、(2)イ、ハ (4)イ、ハ、ニ の、どちらかになるというわけです。

 さて(状態4)を乾き度x4として、p-h線図を書いてみましょう。

2種冷凍平成28年度学識問1のニ.p-h線図


 どうりで、臨界点とかAとかBとか記されていたのですねぇ。

 さて、乾き度x4は、
 (点Aと点Bの比エンタルピーを、それぞれhA、hBとする。)

H28問1ニ.x4を求める式
2種冷凍平成28年度学識問1のニ.p-h線図切り取り

 式は、p-h線図をジ~っとみているうちに何となく分かると思います。(飽和液線上は、乾き度0で、乾き飽和蒸気線上は乾き度1.0です)

H28問1ニ.x4を求める数値計算

蒸発器入口(状態点4)の冷媒の乾き度は、約0.25である。(0.75は、乾き度x4=0.25のときの、液の割合(1-x4)=0.75ですね。)

よって、ニ.は、誤り。

問1の正解は、(2)イ、ハ

 乾き度xというものを把握しているかがポイントでした。

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