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乾式蒸発器の伝熱(P84~86)

 ここでは、蒸発器の冷凍能力Φoと算術平均温度差Δtmを表す式を把握すると楽になるでしょう。


蒸発器の冷凍能力

  Φo = KAΔtm

   Φo:冷凍能力 (kW)
   K:熱通過率 [kW/(m2・K)]
   A:伝熱面積 (m2)
   Δtm:算術平均温度差 (K)

算術平均温度差

 Δtm:算術平均温度差(空冷)[K]
空冷蒸発器の算術平均温度差の説明図 空冷蒸発器の算術平均温度差説明用の式
 Δtmは、冷蔵用:5~10K 空調用:15~20K

冷凍能力P85~P86

 『初級 冷凍受験テキスト:日本冷凍空調学会』<8次:P84~P86 (7.2.3 乾式蒸発器の伝熱)>です。

 8次改訂版(令和元年11月30日)の「乾式蒸発器の伝熱」は、7章の一番最後に移動している。文章は全面的に書き換えられ太字部分が増えたが、基本的なことは変わっていない。けっこうわかり易い文章になったと思う。良かったね。

・満液式蒸発器に比べ、乾式蒸発器では伝熱面に飽和冷媒液が接する部分の割合が少ない。 H28/07 答え

【◯】 その通りとしか言いようが無い。
 テキストは<8次:P84 (7.2.3 乾式蒸発器の伝熱)>の冒頭部分にズバリ的。

・蒸発器における冷凍能力は、冷却される空気や水などと冷媒との間の平均温度差、熱通過率および伝熱面積に正比例する。 H27/07 R01/07 R02/07 答え

【◯】 なんとなく正解と分かる問題ですね。
 テキスト<8次:P84 (7.1)式 >の意味を把握しておけば鬼に金棒。
  Φo=KAΔtm (K:熱通過率 A:伝熱面積 Δtm:平均温度差)

・蒸発器における冷凍能力は、冷却される空気や水などと冷媒との間の平均温度差、熱通過率および伝熱面積に比例する。 R03/07 答え

【◯】 1文字違い(比例)だけど令和3年だし別にしておこう。それにしても、令和元年から3連チャンは珍しい。

・空気冷却用蒸発器の風量を小さくし過ぎると、蒸発温度が低下する。 H14/07 答え

【◯】 これは伝熱に関しての問題。テキストは<8次:P84>下から6~5行。蒸発温度が低下し着霜や氷結することがある。

・乾式プレートフィン蒸発器の伝熱計算に必要な伝熱面積は、冷媒に接する内表面を基準として表す。 H21/07 答え

【×】 乾式蒸発器で、この手の問題は初めてかな?テキスト<8次:P84一番下~P85 1行目>を読んで。とにかく乾式は  空気、接する、外側、基準 と覚えよう。


(算術)平均温度差P85~P86

 平均温度差関連の問題を分けました。

 下図は、空冷の算術平均温度差Δtmを表しています。(水冷の場合はtaをtwに変える)

空冷蒸発器の算術平均温度差の説明図 空冷蒸発器の算術平均温度差説明用の式

 テキストでは「平均温度差」と「算術平均温度差」と表記がありますが両方同じ意です。

・空調用の空気冷却器では、冷却される空気と冷媒との間の算術的温度差は、5~10K程度にしている H16/07 答え

【×】 5~10Kなら冷蔵用(テキスト<8次:P84 下から9行目>)、 15~20Kなら空調用(テキスト<8次:P84 下から3~2行>)とおぼえる。よく読んでイメージしよう。

・冷蔵用の空気冷却器では、算術平均温度差は通常5~10K 程度であるがこの温度差が大きすぎると、蒸発温度を高くしなければならないので圧縮機の軸動力は減少し、装置の成績係数が低下する。 H22/07 答え

【×】 正しい文章にしてみましょう。

  冷蔵用の空気冷却器では、算術平均温度差は通常5~10K 程度であるがこの温度差が大きすぎると、蒸発温度を低くしなければならないので圧縮機の軸動力は減少し、装置の成績係数が低下する。

 圧縮機軸動力云々は、テキスト<8次:P173 (14.3.2 圧縮機の吸込み蒸気の圧力)>を読んでいただきたい。


・冷蔵用の空気冷却器では、庫内温度と蒸発温度との平均温度差は通常5~10K 程度にする。この値が大き過ぎると、蒸発温度を高くする必要があり、装置の成績係数が低下する。 R04/07 答え

【×】 H22と同等の問題。

  冷蔵用の空気冷却器では、庫内温度と蒸発温度との平均温度差は通常5~10K 程度にする。この値が大き過ぎると、蒸発温度を低くする必要があり、装置の成績係数が低下する。

・冷蔵庫で使用される空気冷却器では、庫内温度と蒸発温度との平均温度差は5~10Kにとるが、この値が大き過ぎると蒸発温度を低くする必要があり、装置の成績係数が低下する。 H23/07 答え

【◯】 ぅむ。大きいとか低いとか低下とかは、丸覚えよりもイメージ出来れば最高なのですが…。テキスト<8次:P84 下から9行目~> 健闘を祈る。

・冷蔵用の空気冷却器の冷媒と空気の平均温度差は、通常5KからlOK程度である。庫内温度を保持したまま、この温度差を大きくすると、装置の成績係数は向上する。 H30/07 答え

【×】 ぅむ。
   成績係数は低下する。 テキスト<8次:P84 下から9行目~>


(例題7.1)の計算について

 テキスト<8次:P85~P86>に(例題7.1)の解答で長々と計算式が綴られている。3冷は計算は出題されないが、式の意味を問われる場合がある。そこで予想問題を掲載しておく。(2022(R04)/01/04記ス)

・シェルアンドチューブ乾式蒸発器の冷凍能力Φoは、熱通過率Kと伝熱面積Aおよび算術平均温度差Δtmの積で求められる。 by echo 答え

【◯】 Φo = KAΔtmさえ覚えておけばよいでしょう。空調用フィン蒸発器も同じ式です。(式は2冷からは必須。)

・ブラインを冷却するためのシェルアンドチューブ乾式蒸発器では、冷凍能力Φoと伝熱面積Aおよび算術平均温度差Δtmが与えられれば、熱通過率Kが求められる。 by echo 答え

【◯】 Φo = KAΔtmさえ覚えておけば! K=Φo/AΔtmということですね。

 22/01/04 23/02/28

 『初級 冷凍受験テキスト』8次改訂版への見直し、済。(22/01/04)

修正・訂正箇所履歴

【22(R04)/01/04 新設】

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【参考文献】

  • 初級 受検テキスト(SIによる初級受検テキスト):日本冷凍空調学会
  • 上級 受検テキスト(SIによる上級受検テキスト):日本冷凍空調学会
  • 冷凍機械責任者(1・2・3冷)試験問題と解答例(13):日本冷凍空調学会
  • 第3種冷凍機械責任者試験模範解答集 :電気書院
  • 第1・2種冷凍機械責任者試験模範解答集 :電気書院

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