チョッとね、『初級 冷凍受験テキスト:日本冷凍空調学会』<8次:P30 (3.5)式の下行>の一文が大事。引用しておきます。
吸込み蒸気の比体積は、吸込み圧力が低いほど、吸込み蒸気の過熱度が大きいほど大きくなり、冷媒循環量が減少する。
蒸気の比体積が大きくなる → 冷媒蒸気の密度が小さくなる(蒸気が薄くなる)
テキスト<8次:P30 (3.6)式>は無理して覚えなくても良いが、式の意味を考えよう。テキスト<8次:P30~ (注1)(注2)>も一度熟読しておこう。
Φo = qmrWr = (Vηv/v)(h1-h4)
Φo:圧縮機の冷凍能力 V:ピストン押しのけ量
ηv:体積効率 v:比体積
qmr:冷媒循環量 = (Vηv/v)
Wr:冷凍効果 = (h1-h4)
さらに、テキスト<8次:P37 (3行~6行 )>に、蒸発温度、吸い込み蒸気の比体積、体積効率、冷媒循環量の関係が記されているので一読されたい。
・圧縮機の吸込み蒸気の比体積は、吸込み圧力が低いほど、また、吸込み蒸気の過熱度が大きいほど大きくなる。 H18/03
【◯】 テキスト<8次:P30 (3.5)式の下行>の一文をコピペしておきます。(覚えちゃいましょう。)
吸込み蒸気の比体積は、吸込み圧力が低いほど、吸込み蒸気の過熱度が大きいほど大きくなり、冷媒循環量が減少する。
・圧縮機の吸込み蒸気の比体積は、吸込み圧力が低いほど、また、吸込み蒸気の過熱度が小さいほど大きくなる。 H24/03
【×】 H18/03のコピペ改良版。惑わされないように。正しい文章にしましょう。
圧縮機の吸込み蒸気の比体積は、吸込み圧力が低いほど、また、吸込み蒸気の過熱度が大きいほど大きくなる。
・圧縮機の吸込み蒸気の比体積が大きくなると、冷媒循環量が増大する。 H18/03 H30/03( は増大する。
赤字が違うだけ。)
【×】比体積が大きくなるということは冷媒蒸気が薄くなるということ。テキスト<8次:P30 (3.5)式の下行>と、<8次:P37 4行目>の 比体積が大きく(蒸気が薄く)
と記されている。
数式がたくさん載っているが、3冷の場合は無理に覚えなくても良い。ただ、その式から◯◯が大きくなれば□□が小さくなる、みたいなことを理解することが味噌。頑張れ。
・圧縮機の吸込み蒸気の過熱度が小さく、比体積が小さくなると、冷凍装置の冷媒循環量が大きくなる。 H12/03
【◯】 過熱度が小さく比体積が小さい蒸気は密度が大きい(蒸気が濃い)と考えれば循環量も多くなる。
qmr=V・ηv/v この式からも、冷媒循環量は比体積に反比例するとわかる。
・吸込み圧力が低いほど、吸込み蒸気の過熱度が小さいほど、吸込み蒸気の比体積は大きくなり、冷媒循環量が減少する。 H23/03
【×】 ぅむ。正しい文章にしてみましょう。
吸込み圧力が低いほど、吸込み蒸気の過熱度が大きいほど、吸込み蒸気の比体積は大きくなり、冷媒循環量が減少する。
テキスト<8次:P30 (3.5)式の下行>の下行は、めっさ大事だね。
・圧縮機の冷媒循環量は、圧縮機の押しのけ量、吸込み蒸気の比体積、体積効率の大きさによって決まり、吸込み圧力が低く、吸込み蒸気の過熱度が小さくなるほど減少する。 H21/03
【×】 はい!正しい文章にしてみましょう。
圧縮機の冷媒循環量は、圧縮機の押しのけ量、吸込み蒸気の比体積、体積効率の大きさによって決まり、吸込み圧力が低く、吸込み蒸気の過熱度が大きくなるほど減少する。
年代順に並べてあります。
・蒸発圧力が低下すると、圧縮機の吸込み蒸気の比体積が大きくなるため、冷媒循環量が増加し、冷凍能力が大きくなる。 H17/03
【×】 比体積が大きいと蒸気が薄くなるというところから、イメージしてみる。正しい文章にしてみましょう。
蒸発圧力が低下すると、圧縮機の吸込み蒸気の比体積が大きくなるため、冷媒循環量が減少し、冷凍能力が小さくなる。
・圧縮機の冷凍能力は冷媒循環量と比エンタルピー差の積で示されるが、蒸発温度が低下すると比体積が小さくなり冷媒循環量が大きくなるので冷凍能力は大きくなる。 H20/03
【×】 蒸発温度が低下する → 比体積大(蒸気薄) → 冷媒循環量減少 → 冷凍能力減少 → 成績係数小さく。もう、大丈夫。正しい文章にしてみましょう。
・圧縮機の冷凍能力は冷媒循環量と比エンタルピー差の積で示されるが、蒸発温度が低下すると比体積が大きくなり冷媒循環量が小さくなるので冷凍能力は小さくなる。
比エンタルピー差云々に関しては◯。テキスト<8次:P30 (3.6)式>を、ちょとこの問題用にわかりやすくすると、
Φo = qmr(h1 - h4) ← 冷媒循環量(qmr)と比エンタルピー差(h1 - h4)の積、ということ。
・圧縮機の吸込み蒸気の比体積は、吸込み圧力が低いほど、また、吸込み蒸気の過熱度が大きいほど大きくなり、圧縮機の冷媒循環量および冷凍能力が減少する。 H22/03
【◯】 その通り。この問は上記の「比体積と冷媒循環量」の問題と「冷凍能力」のコラボですね。ココまで問題をこなしてきたあなたは楽勝でしょう!?
・圧縮機の冷凍能力は、冷媒循環量と、蒸発器入口と出口の比エンタルピーの差との積である。 H28/03
【◯】 ちょと、注意してほしいのだけども、 装置の冷凍能力
ではなくて、 圧縮機の冷凍能力
です。テキスト的には、<8次:P30 (3.6)式>です。
Φo = Vηv / v(h1 - h4)
でも、結局、
Φo = qmr(h1 - h4) という、 装置の冷凍能力
と同じになるんだね。
ツラリツラリと考えると、
装置の冷凍能力に合った圧縮機の能力(性能)を算定(選択)するときなどに必要な知識かなと思う。
・圧縮機の吸込み蒸気の比体積は、吸込み圧力が低いほど、また、吸込み蒸気の過熱度が大きいほど大きくなり、圧縮機の冷媒循環量および冷凍能力が大きくなる。 H29/03
【×】 これは、比体積の問か、冷凍能力の問か、迷う。ま、ココに置いておきましょう。では、正しい文章にしましょう。
圧縮機の吸込み蒸気の比体積は、吸込み圧力が低いほど、また、吸込み蒸気の過熱度が大きいほど大きくなり、圧縮機の冷媒循環量および冷凍能力が小さくなる。
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『SIによる 初級 冷凍受験テキスト』7次改訂版への見直し、済。(14/06/28)
『初級 冷凍受験テキスト』8次改訂版への見直し、済。(20/05/17)
【2016/05/16 新設】