「学識」は問6で出題されます。保安でもそうでしたが、乾式蒸発器と比較されるので戸惑わないように。
「上級 冷凍受験テキスト:日本冷凍空調学会」<8次:「学識編」P104右~P106左 (8.3 満液式蒸発器)>です。
テキストを、一度「熟読」すれば楽になるでしょう。
年代順に並び替えました。 2016(H28)/09/10
・横形シェルアンドチューブ満液式蒸発器は、冷却管内を水やブラインが流れ、冷媒はシェル(胴体)の下部から供給される。シェル内で蒸発した冷媒蒸気は、ほぼ乾き蒸気になって圧縮機に吸い込まれる。 by echo
【◯】 冷却管内にブライン、冷却管外が冷媒、これを頭に入れましょう。
・満液式蒸発器は、乾式蒸発器に比べて伝熱性能がよい。 H15ga/06
【◯】 満液式蒸発器は、冷媒が核沸騰熱伝達で蒸発する。
核沸騰とは核として気泡が発生する沸騰で、気泡が発生することによって器内に満たされた液冷媒が攪拌され熱伝達率が増大される。乾式蒸発器に比べ、伝熱性能は良い。圧力降下の心配も少なくてすむ。
テキストは<8次:P104>の右真中チョと下の「この方式の特徴は、」から読んで。
・満液式蒸発器に冷媒とともに流れこんだ大部分の油は、冷媒蒸気の流れにともなって圧縮機に戻る。 H16ga/06
【×】 油の障害が満液式蒸発器の欠点であろうか、油は蒸発しないため圧縮機に戻らず器内に濃縮されていく。 冷媒液面の油濃度の高い冷媒液を処理する必要がある。テキスト<8次:P106左上>読むべし。
・満液式蒸発器の特微は、乾式蒸発器に比べて伝熱性能がよく、かつ、器内冷媒の圧力降下が小さいことである。 H17ga/06
【◯】 乾式と満液式の比較の問題は、よ~く出題される。テキスト読んで、過去問ガンガンやれば、覚えられずはずだ、頑張ろう。
テキストは<8次:P104>の右真中チョと下の「この方式の特徴は、」から読んで。
・満液式蒸発器の管群は多数の管路の集合であり、各々の管路への冷媒の供給はできるだけ同じ量になるように、分配器(ディストリビュータ)を用いることが多い。 H22ga/06
【×】 これは大笑い、乾式蒸発器の説明。引っ掛からないでね。
「上級 冷凍受験テキスト」乾式は<8次:P99右(8.2.4 冷却軍への冷媒液の均等分配)>満液式は<8次:P104右>
・満液式蒸発器は、蒸発器出口でほぼ乾き飽和蒸気であり、フロートなどでの液面レベルの検知により膨張弁開度を調整し、液面位置が一定となるように冷媒流量の制御を行う。
H25ga/06
【◯】 ぅむ!H25年度にしては、素直な良い問題でつね。テキスト<8次:P105右下~>ズバリ。
・液体冷却用の満液式蒸発器の特徴は、蒸発器内の冷媒が自然対流熱伝達で蒸発し、乾式蒸発器に比べて伝熱性能がよく、圧力降下が小さいことである。 H27ga/06
【×】 テキストは<8次:P104右真ん中チョと下辺り>赤字で修正してみる。
液体冷却用の満液式蒸発器の特徴は、蒸発器内の冷媒が核沸騰熱伝達で蒸発し、乾式蒸発器に比べて伝熱性能がよく、かつ、圧力降下が小さいことである。
テキストには「かつ」が記されているが、はぶいても良いのか、駄目なのか、よくわからない。
Y(_ _;)Y
核沸騰熱伝達
の問が増えてきたので別に分類ス。(2019(R1)/06/23記ス)
・満液式蒸発器は、冷媒の飽和温度と冷却管表面温度が大きいほど、沸騰が激しい核沸騰熱伝達により冷媒が蒸発する。冷却管は外径19.1 mm のローフィンチューブが一般的に使用され、有効内外伝熱面積比は一般に m = 3.5~4.2 である。 by echo
【◯】 「核沸騰熱伝達」「ローフィンチューブ」「m = 3.5~4.2 」を、おさえておきたい。テキスト<8次:P104 右下>
・満液式蒸発器の特徴は、蒸発器内の冷媒が核沸騰熱伝達で蒸発するために、乾式蒸発器に比べて伝熱性能がよく、かつ、器内冷媒の圧力降下が小さいことである。核沸騰熱伝達では、冷媒の飽和温度と冷却管表面温度との温度差が大きいほど、沸騰が激しくなり、熱伝達率は大きくなる。 H23ga/06
【◯】 長文の問題だけど、全くそのとおりと言うしかない問題。テキスト<8次:P104右>を読むしかない。
・満液式蒸発器は、一般に冷却管内を水やブラインが流れ、冷媒は胴体の下部から供給される。この方式の特徴は、蒸発器内の冷媒が核沸騰熱伝達で蒸発するために、乾式蒸発器に比べて伝熱性能がよく、圧力降下も小さい。 H24ga/06
【◯】 H23年と同等問題。まったくその通り。前半は、テキスト<8次:P105>の図8.20と図8.21を見ると良い。
・満液式シェルアンドチューブ蒸発器は、蒸発器内の冷媒が主に核沸騰熱伝達で蒸発する。核沸騰熱伝達では、冷媒の飽和温度と冷却管表面温度との温度差が大きいほど、沸騰が激しくなり、熱伝達率は大きくなる。 H30ga/06
【◯】 各沸騰熱伝達
に関しての問は出題頻度が少ないし、同じ文章内に他の問が含まれていて少し戸惑うかも。でも、テキスト<8次:P104右>を一度じっくり読んで、イメージしておけば何となく分かるだろう。
・満液式蒸発器は、蒸発器内の冷媒が核沸騰状態で蒸発するため、乾式蒸発器に比べ伝熱性能がよく、かつ、圧力降下が少ない。冷却管には、ローフィンチューブが使用されるが、高性能の沸騰伝熱促進管も使用されている。 R03ga/06
【◯】 題意の通り!! 「高性能の沸騰伝熱促進管」は、問題文に初めて登場した。
ヘリングボーン形満液式蒸発器
は、『上級 冷凍受験テキスト:日本冷凍空調学会』8次改訂版(H27年11月)<P105左上~>より追加された。H30年度に初めて出題されたので、ここに新設ス。(2019(R1)/06/23記ス)
下部の「冷媒液ヘッダ」と上部の「蒸気ヘッダ」に「く」の字形冷却管が取り付けられている。冷媒の蒸発がとても効果的に行われる。大きな水槽の冷却に使われるようです。
【余談】 魚のニシン(herring)の骨(bone)のような模様のこと。
・ヘリングボーン形満液式蒸発器は、液集中器に連結された下部の冷媒液ヘッダと上部の蒸気ヘッダとの間に「く」 の字形の冷却管を多数取り付けた構造で、このヘッダや冷却管部を大きなタンク内に設置し、水やプラインを冷却する目的で用いられる。 H30ga/06
【◯】 正しいです。 ヘリングボーン形満液式蒸発器
は、これから結構出題されるかもしれない。新しい方式のようだし、わざわざテキストの改訂(8次改訂版(H27年11月)より)で図解入りで追加されたからである。
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【2016/07/10 新設】(← 履歴をここに作った日)
核沸騰熱伝達の見出しを新設し問題を分類した。 (2019(R1)/06/23)
ヘリングボーン形満液式蒸発器の見出しを新設。 (2019(R1)/06/23)
ヘリングボーン形満液式蒸発器の概略図追加。 (2019(R1)/09/17)