機器の配置と基礎 P192~P193(P186~P187)

 「保安」の最後を飾る問10は「据え付けおよび試運転」の問題です。テキストを一度熟読しておけばなんとなく感覚的に正解が分かるでしょう。
 先ずは、『上級 冷凍受験テキスト:日本冷凍空調学会』の下記の過去問からです。

  • <9次:P192左(8次:P186左) (14.1.1 機器の配置)
  • <9次:P192右(8次:P186右~) (14.1.2 機器の基礎)

テキスト9次改訂版について

 『上級 受検テキスト:日本冷凍空調学会』9次改訂版(令和4年11月8日改訂)に対応しています。適当に、8次改訂版のページを( )内に残してあります。


  • 14 据え付けおよび試運転 P192~P199
    • 14.1 据え付け P192~P197
      • 14.1.1 機器の配置(a)~(i) P192
      • 14.1.2 機器の基礎(a)~(c) P192~P193
      • 14.1.3 防振支持(a)~(c) P193
      • 14.1.4 機器の据付け(1)~(5) P193~P194
      • 14.1.5 真空乾燥 P194~P195
      • 14.1.6 冷媒の取扱い(1)~(3) P195~P196
      • 14.1.7 特定不活性ガス(1)~(3) P196~P197
    • 14.2 試運転 P197~P198
      • 14.2.1 冷凍機油の充填(a)~(h) P197
      • 14.2.2 冷媒の充填 P197~P198
      • 14.2.3 試運転 P198
    • 14.3 凍上の防止(a)~(b),(a)~(b) P198~P199

機器の配置

 機器の据付け位置は、<9次:P192左 (14.1.1 機器の配置)>である。点検保守や安全面、非常時想定など考慮したことが記されている。

 過去問は、ガス漏れ関連(g)の問題しか見当たらない。機器の配置には関係無いような文章であるが、重要事項なのであろう。(2018(H30)/09/29記ス)

・装置から漏れたアンモニアガスは空気よりも重いので、漏れたとき床面に滞留しやすい。 H15保/10 答え

【×】 ぅむ。テキスト<9次:P192左 (g)>

装置から漏れたフルオロカーボン冷媒ガスは空気よりも重いので、漏れたとき床面に滞留しやすい。

 これでもいいかな。
装置から漏れたアンモニアガスは空気よりも軽いので、漏れたとき天井付近に滞留しやすい。

・フルオロカーボン冷媒ガスは、大気中では空気より重いので多量に漏えいしたとき、床面に滞留し酸欠を起こすので注意が必要である。 H17保/10 答え

【◯】 フルオロは空気より重い、アンモニアは軽い。テキスト<9次:P192左 (g)>

・フルオロカーボン冷媒を使用した冷凍装置では、ガス漏れによる酸欠の危険があるので、機械室の換気に注意しなければならない。 H26保/10 答え

【◯】 <解説略>

・フルオロカーボン冷媒は無臭のため大量の漏えいに気づきにくいが、天井に滞留しやすく酸欠事故の危険はない。しかし、ガス漏れ検知器による漏れ箇所の発見を容易にするために換気は十分に行うほうがよい。 H28保/04 答え

【×】 「天井」ではなく「床面」ですね。テキスト<9次:P192左 (g)>です。


機器の基礎

 基礎については、まんべんなく出題されるので頑張ってテキストを読んでください。テキスト<9次:P192右~ (14.1.2 機器の基礎)

・機器の据え付けには、コンクリート基礎に直接固定するものと、機器と基礎の間に防振ゴムなどの振動絶縁物を入れて取り付ける方法がある。 H13保/10 答え

【◯】 この2種類がある。テキスト<9次:P192右 (14.1.2 機器の基礎)>の冒頭ズバリです。


(a)地盤

 テキスト<9次:P192右(a)>

・機器の基礎底面にかかる荷重は、どの部分でも地盤の耐圧力以下であること。 H14保/10 答え

【◯】 よく読めば何となく分かる感じ。テキスト<9次:P186右 (a)>

-- 注意 --
 ここに「地盤の耐圧力」と言う語句があるが6次改訂版(2007(H19)/11/30改訂)で使われいて、7次改訂版(2011(H23)/12/7改訂)からは「地盤の許容応力」に変更になっている。(理由は不明)

・運転時に基礎底面にかかる荷重は、どの部分でも地盤の耐圧力以下でなければならない。 H15保/10 答え

【◯】 うむ。 テキスト<9次:P186右 (a)>

-- 注意 --
 ここに「地盤の耐圧力」と言う語句があるが6次改訂版(2007(H19)/11/30改訂)で使われいて、7次改訂版(2011(H23)/12/7改訂)からは「地盤の許容応力」に変更になっている。(理由は不明)

・機器の基礎は、基礎底面に係る荷重(静的、動的を含む。)がどの部分でも地盤の許容応力度以下とし、できるだけ荷重を地盤に平均にかかるようにする。また、地震などで転倒しないように、一般的には、基礎の質量は上に設置する機器の質量よりも大きくする。 H24保/10 答え

【◯】 基礎関係の問題が多くなった気がする。震災のせいだろうか。(2013/09/10帰ス)テキスト<9次:P186右 (a)>

 【お知らせ】

------- 突然すみません。お知らせ -------
 注意)EchoLandの解説文(問題文を除く)は転載の許可をしていません。無断転載は著作権侵害の法律違反になります。 ご利用規約・個人情報の取扱い(プライバシーポリシー)についてをお読みください。(by echo)

・機器の基礎は、基礎底面にかかる静的、動的を含む荷重が、どの部分でも地盤の許容応力以下とし、できるだけ荷重を地盤に平均にかかるようにする。また、地震などで転倒しないように、一般には、基礎の質量は上に設置する機器の質量よりも大きくする。 R05保/10 答え

【◯】 令和になって久々の出題。


(b)風圧

 テキスト<9次:P193左上(b)> (左下(b)があるので注意)

・機器に風圧がかかったり、地震などで基礎底面にかかる荷重がマイナスになる部分があると、基礎諸共に転倒するおそれがある。 by echo 答え

【◯】 「荷重がマイナス」って、専門用語ですかね。なんとなくわかる。(><;)


(c)振動・質量

 テキスト<9次:P193左 (C)> (左下(c)があるので注意)

・コンクリート基礎の質量は、機器が防振支持架台の場合には防振支持なしの場合と比較して軽量でよい。 H14保/10 答え

【◯】 防振支持なしの場合は、基礎の質量はその上の機器の質量より大きくする。テキスト<9次:P193左(C)>

・多気筒圧縮機を設置するコンクリート基礎の質量は、圧縮機質量と同程度とする。 H21保/10 答え

【×】 同程度ではいけない。テキスト<9次:P193左(C)>に「多気筒では2~3倍」と記されている。

---------- 7次改訂版について ------------
 7次改訂版ではP218右中に記されていて、6次改訂版に記されていた「立形圧縮機では4~5倍」という語句が削除されている。留意されたし。(8次改訂版も同様です。)

・多気筒圧縮機をコンクリート基礎の上に固定して設置する場合には、圧縮機と基礎との共振を防止するため、一般に基礎の質量を圧縮機質量の2~3倍にする。 H16保/10 答え

【◯】 ピンポン。テキスト<9次:P193左(C)>

・冷凍機器を据え付ける場合、一般的に、基礎の質量は据え付ける機器の質量より大きくする必要がある。圧縮機は、運転中の負荷変動が大きく、特に多気筒圧縮機では、基礎の質量を圧縮機の質量の4倍から5倍としている。 R02保/10 答え

【×】 4倍から5倍 →  2倍から3倍 ぅ~ん、確かに多すぎる気がするね。テキスト<9次:P193左 (c)>

---------- 参考 ------------
 テキスト7次改訂版(H23/12/07)から、6次改訂版(H19/11/30)に記されていた「立形圧縮機では4~5倍」という語句が削除された。これの惑わし問題かな?


(c)固有振動数

 (c)の「固有振動数」の問いが多いので分類。(2019(R1)/06/27)テキスト<9次:P193左 (c)の冒頭>

・圧縮機基礎の固有振動数は、圧縮機が発生する振動数と 20% 以上の差をつけて、機械と基礎が共振しないようにする。 H17保/10 答え

【◯】 「20%以上」は必須。テキスト<9次:P193左 (c)>

・機械と基礎とが共振しないようにするため、基礎の固有振動数は機械が発生する振動の振動数より 20% 以上の差を付ける必要がある。 H19保/10 答え

【◯】 ぅむ。

・基礎の固有振動数は、設置する機械が発生する振動数に対して 20% 以上差をつけないと、機械と基礎とが共振することがある。一般には、基礎の質量は、その上に乗せる機械の質量よりも大きくする。 H22保/10 答え

【◯】 ぅむ。質量と共振、良い問題だ。

・振動防止のために、機械と基礎の共振を避ける必要がある。そのため、基礎の固有振動数は、機械が発生する振動の振動数に対して 10% 以上の差を付けなければならない。 H20保/10  R05保/10(「振動数よりも 10%」、他同じ。)答え

【×】 「 10% 」ではなくて「 20% 」 です。この数値は、必須。

・振動防止のために、機械と基礎の共振を避ける必要がある。そのため、基礎の固有振動数は、機械が発生する振動の振動数よりも少なくとも 20% 以上の差を付けるようにする。 R04保/10 答え

【◯】 ぅむ。<解説略>


(a)地盤と(c)振動・質量のコラボ

 テキスト<9次:P192右(a)、P193左(c)>

・機器の基礎底面にかかる荷重は、どの部分でも地盤の許容応力度より大きくし、できるだけ荷重が地盤に平均にかかるように分布させる。また、基礎の質量は、一般にその上に据え付ける機器の質量よりも大きくする。 H27保/10 答え

【×】 一瞬どこが間違いか分からないが、よく読めば、勉強していなくてもイけるかも…。テキストは<9次:P192右(a)、P193左(c)>

  機器の基礎底面にかかる荷重は、どの部分でも地盤の許容応力度以下にし、できるだけ荷重が地盤に平均にかかるように分布させる。また、基礎の質量は、一般にその上に据え付ける機器の質量よりも大きくする。

・機器の基礎底面にかかる荷重は、できるだけ地盤に平均にかかるように分布させ、どの部分でも地盤の許容応力度より大きくする。また、基礎の質量は、一般にその上に据え付ける機器の質量よりも大きくする。 H30保/10 答え

【×】 H27年度と同等の問題であるが別に追加ス。

機器の基礎底面にかかる荷重は、できるだけ地盤に平均にかかるように分布させ、どの部分でも地盤の許容応力度以下にする。また、基礎の質量は、一般にその上に据え付ける機器の質量よりも大きくする。

・機器の基礎底面にかかる荷重は、どの部分でも地盤の許容応力より大きくし、できるだけ荷重が地盤に均等にかかるようにする。また、基礎の質量は、一般にその上に据え付ける機器の質量よりも大きくする。 R01保/10 答え

【×】 これも、H27年度H30年度と同等の問題であるが、微妙に語句が違うので別に追加ス。

機器の基礎底面にかかる荷重は、どの部分でも地盤の許容応力より以下にし、できるだけ荷重が地盤に均等にかかるようにする。また、基礎の質量は、一般にその上に据え付ける機器の質量よりも大きくする。

・機器の基礎底面にかかる荷重は、どの部分でも地盤の許容応力以下にし、できるだけ荷重が地盤に均等にかかるようにする。また、基礎の質量は、一般にその上に据え付ける機器の質量よりも大きくする。 R03保/10 答え

【◯】 今度は【◯】です。 :) テキストは<9次:P192右(a)、P193左(c)>

・機器の基礎底面にかかる荷重は、どの部分でも地盤の許容応力より大きくし、できるだけ荷重が地盤に平均にかかるように分布させる。また、基礎の質量は、一般にその上に据え付ける機器の質量の2~3倍とする。 R04保/10 答え

【×】 ぅむ。(「許容応力」へのこだわりw.)

機器の基礎底面にかかる荷重は、どの部分でも地盤の許容応力より以下にし、できるだけ荷重が地盤に平均にかかるように分布させる。また、基礎の質量は、一般にその上に据え付ける機器の質量の2~3倍とする。 ---(テキストには「多気筒圧縮機では 2~3 倍としている」と記されていて、設問では「多気筒圧縮機では」が無いが、深く考えないことにしよう!)

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修正・訂正箇所履歴

【2016(H28)/08/06 新設】(← 履歴をここに作った日

  • テキスト8次改訂版へ対応済み。解説見直し。 (2017(H29)/01/08)
  • 「機器の配置」関係の文章をチョと改編。 (2017/03/04)
  • 「機器の配置」関係の文章を全面見直し。 (2018/09/29)
  •   固有振動数 を新設し分類した。 (2019(R01)/06/27)
  • 文章見直し。 (2019(R01)/09/28)
  • 解説文一部見直し (2021(R03)/01/10)
  • 全体的に見直し。(2022(R04)/03/28)
  • 『上級 受検テキスト:日本冷凍空調学会』9次改訂版(令和4年11月8日改訂)に対応。(2023(R05)/10/10)
  • 解説等、見直し。(2023(R05)/10/10)

【参考文献・リンク】

  • 初級 受検テキスト(SIによる初級受検テキスト):日本冷凍空調学会
  • 上級 受検テキスト(SIによる上級受検テキスト):日本冷凍空調学会
  • 冷凍機械責任者(1・2・3冷)試験問題と解答例(13):日本冷凍空調学会
  • 第3種冷凍機械責任者試験模範解答集 :電気書院
  • 第1・2種冷凍機械責任者試験模範解答集 :電気書院

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