据付と試運転 - 乾燥と冷媒の取り扱い(漏洩) P188~P190

 据え付けも無事終了した後、ホッとしたのもつかの間、試運転前の冷媒設備内の乾燥と、使用冷媒の取り扱い、漏洩についての問題である。

    『上級 冷凍受験テキスト:日本冷凍空調学会』
  • <8次:P188右 (14.1.5 真空乾燥)
  • <8次:P186右~ (14.1.6 冷媒の取扱い)

試運転前の乾燥

・フルオロカーボン冷凍装置の真空乾燥では、水分が残留しやすい箇所を加熱して、水分を蒸発させると効果的である。 H15ho/9 答え

【◯】 そうだね。テキスト<8次:P188右 (14.1.5 真空乾燥)>の一番下の行。

・フルオロカーポン冷凍装置内を真空乾燥する場合、真空度が増すにしたがって水の飽和温度は下がるので、水分が残留している可能性のある部分を加熱すると効果的である。
 H24ho/9 答え

【◯】 ココにも、置く。(真空試験にも置く)
 テキスト<8次:P188右 (14.1.5 真空乾燥)>の一番下の行。

・フルオロカーボン冷媒設備では、設備内に水分が混入すると正常な運転を阻害するため、事前に真空乾燥が必要である。その際、水蒸気飽和圧力曲線を参考にして、所定以下の真空度を保持しながら、必要に応じて、設備内の水分残留場所の加熱を実施する。 R02ho/10 答え

【◯】 長文だけど分かりやすい文面だね。(疲れるけど)テキスト<8次:P188右 (14.1.5 真空乾燥)


冷媒の取り扱い(全般)

 テキスト<8次:P189右下~左中辺りまで>の漏洩や限界濃度に関する問題が主である。

・冷媒の漏えい時の注意事項として、酸素濃度18%以下での酸欠に対する危険、空気に対する比重などがある。R410A、R404A、R744などの空気よりも重い冷媒では床面での滞留に注意が必要である。 H25ho/10 答え

【◯】 その通り! 酸素濃度18%…云々は、テキスト<8次:P189左>の(g)です。
 さて、
  R410A、R404A、R744(二酸化炭素)などの空気よりも重い…  云々は、直接的にテキストに記述されていない。いろいろ探してみると、テキスト<P216 (16.1 冷媒の待機排出抑制)>辺りがひっかかるので引用しておきましょう。

── <8次:P216右真ん中辺り>より引用 ──
  なお,自然冷媒に限らずアンモニアを除く冷媒のほとんどは,空気よりも重いので機器から大量に放出されると,床面に滞留しやすく,酸欠の危険がある.
───────────────────

 これを思い出せばこの問は自信を持って解けるかも。

・冷凍装置から冷媒ガスが漏れた場合、大気中で空気よりも重い冷媒であるR404A、R407C、R717、R744は、床面での滞留に注意が必要である。 H28ho/10 答え

【×】 この問題ヤバイかも。だって、冷媒番号を把握してないと解けないよ。R404A、R407Cは、HFC系非共沸点混合冷媒で要するにフルオロカーボンだから空気より重い。R744は二酸化炭素で空気より重い。

 R717はアンモニアだから空気より軽いですね。なので、床面には滞留しない。

 平成28年度最大の難問?でした。テキスト的には<8次:P189左>です。冷媒番号は記されていない、<8次:P63>の表5.2、表5.3を見ればいいかな。

・冷媒の漏えい時の注意事項として、酸欠に対する危険、空気に対する比重などがある。冷凍装置から冷媒ガスが漏れた場合、大気中で空気よりも重い冷媒であるR404A、R407C、R410A、R717は、床面での滞留に注意が必要である。 R03ho/10 答え

【×】 同様の問題5年ぶり!冷媒の記号覚えてました?
 R717はアンモニアですから、空気より軽いですね。テキスト的には<8次:P189左>、少々反則気味の出題かな。

・冷媒設備の全冷媒充てん量(kg)を、冷媒を内蔵している機器を設置した最小室内容積(m 3)で除した値が、限界濃度以下でなければならない。 H23ho/10 答え

【◯】 高圧ガス保安協会自主基準のようです。テキスト<8次:189左下8行>

・冷媒ガスの限界濃度は、冷媒設備の全冷媒充てん量(kg)を、冷媒を内蔵している機器を設置した最大室内容積(m 3)で除した値である。 H28ho/10 答え

【×】 ぅむ。ある意味素晴らしい問題かも。下記に正しい文章を記ス。

  冷媒ガスの限界濃度は、冷媒設備の全冷媒充てん量(kg)を、冷媒を内蔵している機器を設置した最室内容積(m 3)で除した値である。

 テキスト<8次:189左下8行>


フルオロカーボン冷媒

 フルオロカーボン冷媒についての問題を、抜き出しました。テキスト<8次:P189左~右>

・フルオロカーボン冷媒は、毒性は弱いが、密閉した部屋に多量に漏洩した場合、人体に酸欠の危険性がある。 H13ho/10 答え

【◯】 酸欠注意!
 テキスト<8次:P189左真中チョと下~>

・フルオロカーボン冷媒R410Aは、毒性が低く、可燃性もなく、漏えいしても酸素欠乏の危険性もないので安全である。 H20ho/10 答え

【×】 漏洩して酸素欠乏の危険性があり油断禁物である!テキスト<8次:P189左中チョと下~>

・フルオロカーボン冷媒は、一般に毒性は低いが、大気中で空気よりも重いため、床面付近に滞留しやすく、酸欠の危険がある。 H29ho/10 答え

【◯】 H29年度は楽勝っスね! テキスト<8次:P189左、下から13行目~>

・フルオロカーボン冷媒は安定した冷媒で、一般的に毒性は弱く可燃性もないものが多いが、大気中では空気よりも重く、漏れると床面に滞留するので酸欠に対する注意が必用である。 H21ho/10 答え

【◯】 ぅむ、素直な良い問題。テキスト<8次:P189左真中チョと下~(14.1.6 冷媒の取扱い)

・フルオロカーボンは安定した冷媒であり、一般的に毒性は低く可燃性もないが、大気中では空気よりも重く、漏れると床面付近に滞留するので、酸欠に対する注意が必要である。 H30ho/10 答え

【◯】 その通りです。<解説略>

・フルオロカーボン冷媒を用いた圧力容器や配管を修理する際に熱を加える場合は、フルオロカーポン冷媒は燃焼性がなく、内部残留ガスの考慮をしなくてよい。
 H26ho/10 答え

【×】 なんとなく、×にしますよね。
 フルオロカーボンは火や高温に物体に触れると有毒ガスがを生成する。油断するとヤバイのだ。テキストは<8次:P189右側上から4行目~>だy。


アンモニア関連

 テキストは、<8次:P189右下~P190左>という感じで半ページ以上をアンモニア冷媒について記述されている。結構重要でしょう。

・漏洩したアンモニアガスは空気より重いので、機械室の床に滞留する。 H13ho/10 答え

【×】 空気より軽い(密度が小さい)ので天井なり。(フルオロカーボンは空気より重いから、床)

・アンモニアは毒性ガスであり、可燃性ガスであるが、限界濃度以下であれば爆発のおそれはない。 H23ho/10 答え

【◯】 ぅむ。
 テキストではこの文に対して直接的な箇所はない。<8次:P189右下>辺りから読み取る。「防爆性能を要求していない」ようするに爆発のおそれがない。ということだろう。

・アンモニア冷凍装置から冷媒が漏れると、微量の漏れでもアンモニアの強い刺激臭によって早期に発見できるので、アンモニア冷媒設備には漏えい検知警報設備を設けなくてもよい。 H16ho/10 H25ho/10

・アンモニア冷媒は強い刺激臭があり、微量の漏れも早期に発見できて処置ができるので、漏えい検知警報設備を設けなくてもよい。 H21ho/10

・アンモニア冷媒は、毒性ガスであり可燃性ガスであるが、強い刺激臭があるため、一般的なアンモニア冷凍装置には、漏えい検知警報設備を設ける必要はない。 H29ho/10 答え

【全部 ×】 設けなければなりません!テキスト<8次:P190左真ん中辺り>から読んで。

 参考)
 冷凍保安規則第7条第1項第十五号 「十五 可燃性ガス又は毒性ガスの製造施設には、当該施設から漏えいするガスが滞留するおそれのある場所に、当該ガスの漏えいを検知し、かつ、警報するための設備を設けること。ただし、吸収式アンモニア冷凍機に係る施設については、この限りでない。」

・アンモニア冷媒の漏れは配管系統で起きた例があり、温度変化の著しい配管系統や断熱のために被覆されている部分は特に注意を要する。 H24ho/10 答え

【◯】 その通りだ! テキスト<8次:P190左下方>にズバリ的。

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修正・訂正箇所履歴

【2016/08/07 新設】(← 履歴をここに作った日

  • テキスト8次改訂版へ対応済み。解説見直し。 (2017(H29)/01/08)
  • 全体的に見直し。(2019(R1)/09/28)
  • 全体的に見直し。(2022(R04)/03/28)

【参考文献・リンク】

  • 初級 受検テキスト(SIによる初級受検テキスト):日本冷凍空調学会
  • 上級 受検テキスト(SIによる上級受検テキスト):日本冷凍空調学会
  • 冷凍機械責任者(1・2・3冷)試験問題と解答例(13):日本冷凍空調学会
  • 第3種冷凍機械責任者試験模範解答集 :電気書院
  • 第1・2種冷凍機械責任者試験模範解答集 :電気書院

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