真空試験・溶接部の試験 P183~P184

 真空試験は、なぜするのか、どうやってするのか、よく理解しておく。 『上級 冷凍受験テキスト:日本冷凍空調学会』<8次:P183右 (13.2.4 真空試験(真空放置試験))

 問題が増えたので「溶接部の試験」を追加した。(2020(R02)/11/23記ス)

(1)目的

 "目的"のところは熟読すべし。テキスト<8次:P183右>

・真空放置試験は、冷凍装置が運転されたとき真空になる部分について行う試験である。 H17ho/09 答え

【×】 思わず、◯としてしまいたい問題である。冷凍装置全体を真空にして、微小な漏れの確認で気密の最終試験とする。漏れ箇所の特定はできない。

・真空試験では、微少な漏れでも判別できるが、漏れ箇所の特定はできない。
 H15ho/09 答え

【◯】 そのとおり。

・冷媒設備の気密の最終確認をするための真空放置試験は、微量な漏れの判定に有効であり、漏れ箇所の特定も可能である。 H18ho/09 答え

【×】 ◯にした人は、勉強が足りないです。頑張ろう。テキスト<8次:P183右 ((1) 目的)>の冒頭3行。

・真空試験は漏れ箇所の判別はできないが、わずかな漏れでも確認できる。 H20ho/09 答え

【◯】 今度は、正しいです。この問題は、間違えると"とても悔しい!"思いがするので絶対ゲットすること。

・冷媒設備の気密の最終的な確認を行うための試験が、真空放置試験である。真空状態では微妙な漏れも判定できるが、漏れ箇所の判別はできない。
 H22ho/09 答え

【◯】 ぉう!

・フルオロカーボン冷媒設備では、とくに微少な漏れ、水分の存在、さらに不凝縮ガスとしての空気や窒素ガスなどの残留も嫌うため、真空放置試験は重要な試験である。 H21ho/09 答え

【◯】 ぅむ、素直な良い問題。逃さないように。

・冷媒設備の気密の最終的な確認を行うための試験が真空放置試験であり、漏れ箇所の判別が容易で、わずかな漏れでも判別できる。 H27ho/09 答え

【×】 ぅむ。 ここまで過去問すれば、逃しませんね。

・真空試験は冷媒設備の気密の最終確認をする試験であり、微少な漏れや漏れ箇所の確認を行う。真空試験は高真空を必要とするので、真空ポンプを使用しなければならない。 H28ho/09 答え

【×】 どこが違う?
 後半の 高真空… 云々は正解。(テキスト<8次:P183右 ((3) 実施要領)> 冒頭部分。)
 さて、
  気密の最終確認をする試験であり は、正しいよね。
 では、
  微少な漏れや漏れ箇所の確認を行う。 が、間違いなのだよね!?

微少な漏れや漏れ箇所の確認を行う。」→「微少な漏れの確認を行う。漏れ箇所の確認は行なえない。」 又は、「微妙な漏れでも判定できるが、漏れ箇所の特定はできない。」 下線の文章が少々難解です。漏れ箇所は判別できないので、漏れ箇所の確認を行う作業は必要ないと理解すれば良いのだろう。

・冷媒設備の気密の最終確認をするための真空試験は、微量な漏れでも判定可能であるが、漏れ箇所の特定はできない。 H29ho/09 答え

【◯】 H29年度は楽勝ですね!

・真空放置試験は、微少な漏れでも判定できるが、漏れ箇所の特定はできない。装置内に残留水分が存在すると、真空になるのに時間がかかり、また、真空ポンプを止めると圧力が上昇する。 R01ho/09 答え

【◯】 いいですね。時間と圧力に関しては、テキスト<8次:P183右 ((3) 実施要領)>下方にズバリ的。

・気密試験の前の真空放置試験は、微少な漏れでも判定できるが、漏れ箇所の特定はできない。装置内に残留水分が存在すると、真空になるのに時間がかかり、真空ポンプを止めると圧力が上昇する。 R03ho/09 答え

【×】 ぅ~、(><;) うっかり【◯】にしてしまうかな。「R01」の改良版、高度な?引っ掛け問題。前半はテキスト<8次:P183右(1)目的>冒頭から、後半はテキスト<8次:P183右下(3)実施要領>からである。正しい文章にしてみましょう。

気密試験のの真空放置試験は、微少な漏れでも判定できるが、漏れ箇所の特定はできない。装置内に残留水分が存在すると、真空になるのに時間がかかり、真空ポンプを止めると圧力が上昇する。


(2)真空度

真空試験(圧力)真空度の変更について

 『初級 冷凍受験テキスト(令和元年11月30日:8次改訂版)』と『『初級 冷凍受験テキスト(令和3年10月11日:8次改訂第5刷)』で、163ページ最下行の表記内容が違っています。(空調学会webサイトの「正誤表」に掲載されてます。)


「令和元年11月30日:8次改訂版」では、
   (1) 到達真空度は、少なくとも-93 kPa(絶対圧力では8 kPa)程度で行う.

「令和3年10月11日:8次改訂第5刷」では、
   (1) 真空試験の圧力は0.6 kPa (5 torr)以下の真空度で行う.

(令和元年11月30日:8次改訂版)と(令和3年10月11日:8次改訂第5刷)の違い
上半分は「初版」、下半分が「第5刷」

 出版元に問い合わせしたところ、令和3年3月31日発行の第3刷発行時に変更したそうです。理由は、真空度がバラバラだったのを一般社団法人日本冷凍空調工業会に基準を合わせたとのことです。((2021(R03)/11/11記ス)


 『上級 冷凍受験テキスト』は、令和4年(2022)の秋に「第9次改訂版」が出版されるようです。そこで、上記のように変更されると思われます。(2021(R04)/03/27記ス)

・冷凍装置の真空放置試験を、内圧0.6 kpa(5 torr)以下の真空度で実施した。 by echo 答え

【◯】 という問題になりそうです。 世は移り変わり令和になった昨今の装置は精密化が進み、「日本冷凍空調工業会」試験真空度の基準も変化しているようです。


(3)実施要領

 はて?過去問がない。 1冷では必須なのだが…。予想問題 by echo 追加。

・真空を得るためには圧縮機ではなく、必ず真空ポンプを使用する。 by echo 答え

【◯】 圧縮機では高真空が得られないのです。テキスト<8次:P183右下 ((3)実施要領)>冒頭。

・装置内に残留水分があると、到達真空度になるまで時間がかかる。真空ポンプが停止しても気密が保たれているので圧力はゆるやかに上昇する、そのため真空ポンプの潤滑油が冷媒設備に逆流しずらい。 by echo 答え

【×】 ちょと、強引な問題ですかね。テキスト<8次:P183右下 ((3) 実施要領)>冒頭から3行目~

装置内に残留水分があると、到達真空度になるまで時間がかかる。真空ポンプが停止すると直ちに圧力が上昇する、また、真空ポンプの潤滑油が冷媒設備に逆流するため注意を要する

・真空放置試験は、数時間から一昼夜の十分な時間を必要とする。 by echo 答え

【◯】 解説略。テキスト<8次:P184左上>


(4)合格基準

 意外にも一問しかないのだが…。(2014(H25)/09/06記す)
 翌年、二問になったyo。

・真空放置試験では微少な漏れでも判定できるが、漏れ箇所の判定はできない。なお、放置時間は数時間から一昼夜近い十分に長い時間とし、5K程度の温度変化があっても0.7kPa程度の圧力変化であれば問題はない。 H19ho/09 答え

【◯】 5K、0.7kPa・・・ぅ~む、具体的な数値が出てきたのは2種では、初めてかもしれない。1種ではこの文章は完璧に覚えるのだが…。ある意味、サービス問題かもしれない。

 テキスト<8次:P183右下 ((3) 実施要領) ~ P184左((4) 合格基準)>をよく読んでおこう。

・冷媒設備の気密の最終的確認をする試験である真空試験では、試験真空度に到達後微量な漏れでもすぐに判定できる。 H25ho/09 答え

【×】 すぐに判定できません。数時間から一昼夜かけたのち判定を行う。

・真空放置試験は、微少な漏れでも判定できるが、漏れ箇所の特定はできない。装置内に残留水分が存在すると、真空になるのに時間がかかり、真空ポンプを止めると直ちに圧力が上昇する。 H26ho/09 H30ho/09 答え

【◯】 その通り!
 テキスト<8次:P183右下 ((3) 実施要領)>の冒頭部分。


真空計

 テキスト<8次:P184左 ((5) 真空計)>です。圧力計・真空計・連成計の概略図を掲載します。

圧力計概略図 真空計概略図 連成計概略図

・真空試験に用いる真空計には、文字盤の大きさが75mm以上あれば冷凍装置附属の連成計を使用できる。 H17ho/09 答え

【×】 連成計はダメ。真空計。テキストには文字盤の大きさは書かれていない。<8次:P184左 ((5) 真空計)

・真空放置試験での真空度の測定に、冷凍装置の連成計を使用してもよい。 H23ho/09 答え

【×】 ダメ。サービス問題。


溶接部の試験

 問題が増えてきたので新設した。(2020(R02)/11/23記ス)

・冷凍装置を構成する各機器の溶接部は、母材の最小引張強さ以上の強度が必要である。 H23ho/09 答え

【◯】 その通り。と、書くしかない。テキストを読むしかない。と、しか言えない。<8次:P184左 (13.3.1 溶接部の欠陥)

・冷凍装置を構成する各機器のアーク溶接施工の良否は、母材の材質、板厚と開先形状、溶接棒の種類、溶接の電流と電圧などの条件が関係する。溶接部の強度は、母材の最小引張強さ以上の強度が必要である。 H27ho/09 答え

【◯】 溶接部の試験が増えるのかな?(2016(H28)/09/16記ス) テキスト<8次:P184左>

・冷凍装置を構成する各機器のアーク溶接施工の良否は、母材の材質、板厚と開先形状、溶接棒の種類、溶接の電流と電圧、溶接の姿勢などの条件が関係する。溶接する金属(母材)の間に設ける溝を開先またはグルーブといい、その形状にはⅠ、V、X形などがある。 R02ho/09 答え

【◯】 ぅわ~、こんなの知らねーよ。って叫びたいですね。溶接部の試験なんて読み飛ばしていたんだけどな。これからは一度でもいいから熟読しておくしかないね。

 前半はテキスト<8次:P184左 (13.3.1 溶接部の欠陥)>冒頭がズバリ、後半は<8次:P185左上 (補足説明)>の「開先形状」からズバリ的。


【その他】

・フルオロカーポン冷凍装置内を真空乾燥する場合、真空度が増すにしたがって水の飽和温度は下がるので、水分が残留している可能性のある部分を加熱すると効果的である。
 H24ho/09 答え

【◯】 ココにも、置く。(試運転・据付けにも置く)テキスト(8次:P188右)では「機器の据付け」のページに、この説明があるが、冷凍機械責任者試験では「圧力試験」の仲間になるようだ。

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修正・訂正箇所履歴

【2016/08/03 新設】(← 履歴をここに作った日

  • テキスト8次改訂版へ対応済み。解説見直し。 (2017(H29)/01/07)
  • 図を追加、及び、全面的に文章見直し。 (2019(R01)/09/27)
  • 「溶接部の試験」を追加 (2020(R02)/11/23)

【参考文献・リンク】

  • 初級 受検テキスト(SIによる初級受検テキスト):日本冷凍空調学会
  • 上級 受検テキスト(SIによる上級受検テキスト):日本冷凍空調学会
  • 冷凍機械責任者(1・2・3冷)試験問題と解答例(13):日本冷凍空調学会
  • 第3種冷凍機械責任者試験模範解答集 :電気書院
  • 第1・2種冷凍機械責任者試験模範解答集 :電気書院

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