不凝縮ガスの影響と保守 P201右~P202右

 『上級 冷凍受験テキスト:日本冷凍空調学会』<8次:15章>の「15.2 高圧部の保守管理(P200~P210)」を、目次にそって過去問題を分類(submenu参照)してあります。

 ここでは、「不凝縮ガスの影響と保守 P201右~P202右」についての問題です。

 不凝縮ガスが溜まる原因とその影響を把握しましょう。水冷凝縮器内に不凝縮ガスが存在するかしないか(有無識別)の方法も理解しましょう。

(1)不凝縮ガス P201右

・冷凍装置を運転中に装置内に空気が侵入しても、侵入した空気は凝縮器内に滞留するので、圧縮機の体積効率や断熱効率は変わらない。 H13ho/02 答え

【×】 空気は不凝縮ガスである、凝縮しないため凝縮器内に滞留し凝縮圧力が上昇するため、圧縮機の圧力比が大きくなって体積効率や断熱効率は低下する。

・冷凍装置内に不凝縮ガスが混入すると、不凝縮ガスのほとんどが水冷凝縮器に滞留する。 H15ho/02 答え

【◯】 不凝縮ガスは凝縮器内で液化しないため滞留してしまう。
 「上級 冷凍受験テキスト:日本冷凍空調学会」<8次:P201右下>


(2)不凝縮ガスの滞留とその影響 P202

・水冷凝縮器に不凝縮ガスが混入して滞留すると、凝縮圧力は高くなるが、熱通過率は変わらない。 H14ho/02 答え

【×】 不凝縮ガスとは、ほとんどが空気である。不凝縮ガスがたまると、凝縮時に蒸気(冷媒)が放出する熱が冷却水に伝わりにくくなる。すなわち、冷媒側の 熱伝達率が小さくなり、結果として冷却管の熱通過率も小さくなってしまう。テキスト<8次:P202左中~>

・凝縮器内の不凝縮ガス濃度が高くなると、冷媒側の熱伝達抵抗が減少し、成績係数は大きくなる。 H16ho/02 答え

【×】 熱伝達抵抗は大きくなる→熱通過率小さくなる→凝縮温度・圧力増大→圧縮機圧力比増大→圧縮機電動機消費電力増加・冷凍能力減少→成績係数小さくなる。 テキスト<8次:P202左中~>

・凝縮器内に空気が侵入すると、器内圧力は上昇するが、装置の成績係数は変わらない。 H17ho/02 答え

【×】 空気は不凝縮ガスである。器内圧力上昇はOK。
 不凝縮ガスがたまる→冷媒側熱伝達率小さくなる→冷却管熱通過率小さくなる→凝縮温度高くなる→凝縮圧力上昇(上昇温度相当分の圧力+不凝縮ガス分圧相当分圧力) →電動機消費電力増大→冷凍能力低下→成績係数低下 テキスト<8次:P202左中~>

・水冷凝縮器に不凝縮ガスが混入すると、圧縮機の吐出しガスの圧力と温度が上昇し、軸動力が増大する。 H21ho/02 答え

【◯】 ぅむ。

・不凝縮ガスが冷媒に混入したまま冷凍装置を運転し、不凝縮ガスが凝縮器に溜まると、吐出しガスの圧力と温度が上昇し、圧縮機用電動機の消費電力が増大し、冷凍能力と成績係数が低下する。 H25ho/02 答え

【◯】 素直な良い問題です。 テキスト<8次:P202左中~>
 (でも、年々、問題が長文になっている感があるな…2014/09/13記ス)

・凝縮器内の不凝縮ガス濃度が高くなると、熱伝達抵抗が増し、凝縮温度は高くなるが、不凝縮ガスの分圧相当分だけ凝縮器内圧力は低くなる。 H29ho/02

・不凝縮ガスが冷媒に混入したまま冷凍装置を運転し、不凝縮ガスが凝縮器にたまると、熱伝達抵抗が増し、冷却管の冷媒側の熱伝達率が小さくなって、凝縮器内圧力は低くなる。H30ho/02

・不凝縮ガスは、冷凍装置の運転中に凝縮せずに、凝縮器内に残留する。凝縮器内の不凝縮ガス濃度が高くなると、熱伝達抵抗が増し、冷媒側熱伝達率が小さくなって凝縮温度は高くなるが、不凝縮ガスの分圧相当分だけ凝縮器内圧力は低くなる。 R01ho/02 答え

【全部 ×】 H29年度は短文になりました。H30年、1年置いて令和元年(H31)と類似問題が出題されてます。

 テキスト<8次:P202左真ん中辺り>  不凝縮ガスの分圧相当分だけ凝縮器内圧力は高くなる。


(3)装置内の不凝縮ガスの有無識別 P202

・運転している圧縮機を停止させ、水冷凝縮器の冷媒出入り口弁を閉止し、冷却水の通水を続けたときに、凝縮器内の冷媒圧力が冷却水温に相当する冷媒の飽和圧力よりも高いときには、不凝縮ガスが存在している可能性がある。 H23ho/02 答え

【◯】 これはテキスト読んで覚えるしかないか。ま、理屈がわかればいいんだろうけども。
 「上級 冷凍受験テキスト:日本冷凍空調学会」<8次:P202左下 (3) 装置内の不凝縮ガスの有無識別>を読む。

・水冷横形シェルアンドチューブ凝縮器内に不凝縮ガスが存在するか否かを確認するために、圧縮機を停止して、凝縮器の冷媒出入り口弁を閉止し、冷却水はそのまま凝縮器の圧力計の指示が安定するまで通水を続けたその後、その圧力計の指示が冷却水温度に相当する冷媒の飽和圧力よりも高かったので、不凝縮ガスが存在すると判断した。 H27ho/02 答え

【◯】 良い問題ですね。テキストは、<8次:P202 ((3) 装置内の不凝縮ガスの有無識別)>だね。1種冷凍はこれを完全に覚える。ぁ、2種だったね…。健闘を祈る。

・水冷横形シェルアンドチューブ凝縮器内に不凝縮ガス存在するかどうかの確認をするには、圧縮機を停止し、凝縮器の冷媒出入口を閉止し、冷却水を30分程度通水する。凝縮器の圧力が冷却水温に相当する冷媒の飽和圧力よりも高ければ、不凝縮ガスは存在している。 H28ho/02 答え

【◯】 イメージをふくらませて覚える。テキスト<8次:P202 ((3) 装置内の不凝縮ガスの有無識別)


(4)不凝縮ガスの排出法 P202

 見当たらない。

 20/01/03 2020/09/09

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修正・訂正箇所履歴

【2020(R02)/01/02 新設】(← 履歴をここに作った日

  • ページ分割、及び、文章見直し(2020(R02)/09/09)

【参考文献・リンク】

  • 初級受検テキスト:日本冷凍空調学会
  • 上級受検テキスト(上級受検テキスト):日本冷凍空調学会
  • 冷凍機械責任者(1・2・3冷)試験問題と解答例:日本冷凍空調学会
  • 第3種冷凍機械責任者試験模範解答集 :電気書院
  • 第1・2種冷凍機械責任者試験模範解答集 :電気書院

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