往復圧縮機の弁及びピストンリング P197~P198

ピストンアニメ

 弁やピストンリングの摩耗や損傷は、冷凍装置の効率が低下し冷凍能力や成績係数に大きな影響を与える。

 テキスト読んで、一通り過去問をこなせば感覚的にわかるでしょう。この問題は、確実にゲットしておきたい。

吸込み弁の漏れ P198

・吸込み弁が異常摩耗すると、体積効率が低下するが、冷凍能力と成績係数は変わらない。 H16ho/01 答え

【×】 吐き出すときにガスの一部が吸込み側に逆流し、吐出しガスが減少する。体積効率低下し冷凍能力も低下する。減少したガスで一生懸命!圧縮し冷凍しようとするので成績係数も低下する。 ちなみに、吐出しガス温度はあまり上昇しない。←これ引っかけででるかも

・圧縮機の吸込み弁からガスが漏れると、体積効率が低下するが、吐出しガス温度はあまり大きく上昇することはない。 H18ho/01 答え

【◯】 ほら、ほら出た。
16年度の問題と少し違って吐出しガス温度のことも問われる、圧縮ガスの吐出し量が減少するからあまり温度は上昇しないらしい。 この辺はテキストを良く読む、または、覚えちゃおう。「吸込み弁のガス漏れ → 体積効率低下・成績係数低下・吐出しガス温度あまり上昇しない」<8次:P198(a)>を読むこと。
でも、「冷媒量が不足して低圧圧力が下がり過熱度が大きくなって吐出しガス温度が上昇する」<8次:P191「冷媒の充てん」左下>と、いうことと混同しないように・・・・引っ掛けに出そうです。

・圧縮機の吸込み弁が漏れると、圧縮機の吐出しガス温度が低下し、体積効率が大きく低下する。 H21ho/01 答え

【×】 ぅむ、吐出しガス温度は低下しない。
 テキスト<8次:P198(a)>。それから、<8次:P191「冷媒の充てん」左下>の冷媒の充てん不足と混同しないように。)

・往復圧縮機の吸込み弁の漏れは、ピストンの圧縮、吐出しの行程で高圧の圧縮ガスの一部を吸込み側に逆流させるため、圧縮機の吐出しガス量を減少させ、体積効率の大きな低下を招くが、吐出し弁の漏れほど吐出しガス温度を上昇させない。 H28ho/01 答え

【◯】 素直な良い問題ですね。テキスト<8次:P198左上 ((a) 吸込み弁の漏れ)>ズバリ的。


吐出し弁の漏れ P198

 吐出し弁が漏れたらどうなるか!『上級 冷凍受験テキスト:日本冷凍空調学会』<8次:P198(b)、P200例題>を読んでイメージできるようにしよう。

 ココを理解するには、例えば断熱効率、体積効率、成績係数って何?ということになる。基礎が大事です。

・吐出し弁が、摩耗して冷媒ガスが漏れると、吐出しガス温度が低くなるので、圧縮機の断熱効率は大きくなる。(R22往復圧縮機) H13ho/01 答え

【×】 吐出し弁から熱いガスがシリンダ内に逆流→過熱度の大きなガスを圧縮→吐出しガス温度上昇、断熱効率は小さくなってしまう。テキスト<8次:P198(b) (吐出し弁の漏れ )

・圧縮機吐出し弁が割れている。(圧縮機が湿り運転になる原因) H15ho/01 答え

【×】 この問題はココに置く。
 吐出し弁が割れると吐出しガス温度が上昇し吸込み蒸気と混合し過熱度が大きくなり…、湿り運転とは関係ない。<8次:P198(b) (吐出し弁の漏れ )>「湿り運転の原因」ページにも貼っておきます。

・圧縮機の吐出し弁が異常摩耗すると、漏れたガスはシリンダー内に絞り膨張して吸込み蒸気と混合するので吸込み蒸気が大きく過熱し、その結果吐出しガス温度が上昇し潤滑油を劣化させる。 H20ho/01 答え

【◯】 弁の問題は、毎年出題されると思っても良い。
 テキスト<8次:P198(b) (吐出し弁の漏れ ) それから、<7次P160例題 4) 8次:P200例題 4)>を読みつつ過去問をこなすと、なんとなくイメージ的にわかってくるはずだ。頑張ろう。

・圧縮機の吐き出し弁から冷媒ガスの漏れが生じると、吐き出し量が減少し、体積効率が低下し、吐出しガス温度も低下する。(R22往復圧縮機) H14ho/01 答え

【×】 吐出しガス温度は上昇し、潤滑油も劣化する。断熱効率と体積効率も低下しろくなことはない。

・吐出し弁の漏れがあると、ピストンの圧縮、吐出しの行程で吐き出された高圧ガスの一部がシリンダ内に逆流し、圧縮機の吐出しガス量が減少するので、体積効率の低下を招くが、吐出しガス温度はあまり変化しない。 H23ho/01 答え

【×】 恐怖の合格率平成23年度の問題だ。
 でも、あなたなら大丈夫でしょう。シリ逆流→ガス減少→体効低下→吐き温上昇。
 吸込み弁の漏れと、混同させようとしているのがミエミエですね。 <8次:P198(b)>

・圧縮機の吐出し弁が漏れると、圧縮機の吐出しガス温度が上昇し、体積効率と断熱効率が大きく低下する。 H21ho/01

・往復圧縮機の吐出し弁に漏れがあると、圧縮機の吐出しガス温度が上昇し、体積効率と断熱効率が大きく低下する。 R02ho/01 答え

【両方 ◯】 O-k-!
断熱効率に関しては、テキスト<8次:P198(b)> シリ逆流→ガス減少→体効と断効低→吐き温上昇。って感じかな。さぁ、頑張ろう。

・圧縮機吐出し弁が割れている。(圧縮機が湿り運転になる原因) H15ho/01 答え

【×】 吐出し弁が割れると吐出しガス温度が上昇する、湿り運転とは関係ない。

・圧縮機の吐出し弁に漏れがあると、吐出しガス温度が低下する。 H17ho/01 答え

【×】 熱い高圧ガスが逆流してくるんだね、だから「低下しない」・・・って感じ、なんとなく感覚で分かる!?

・往復圧縮機の吐出し弁に漏れがあると、吐出しガス圧力、体積効率、吐出しガス温度は全て低下する。 H26ho/01 答え

【×】 ぅむ。(吐出しガス温度は上昇する)テキスト<8次:P198(b)>

・往復圧縮機において吐出し弁の漏れがあると、吐出し側の高温、高圧の圧縮ガスの一部がシリンダ内に逆流するため、圧縮機の吸込み蒸気量が減少し、体積効率および吐出しガス温度の低下を招く。 R01ho/01 答え

【×】 令和元年度の問題はココに置きましょう。 どんな文章になっても楽勝ですね。「体積効率の低下と吐出しガス温度の上昇を招く。」

・往復圧縮機の吐出し弁に漏れがあると、吸込み工程で高圧側のガスの一部がシリンダ内に逆流する。このため、漏れのない場合と比較して、冷凍装置の冷凍能力、成績係数、圧縮機の吐出しガス温度および吐出しガス量がそれぞれ低下する。 R03ho/01 答え

【×】 最後が今までにない言い回しですが、素直でよくまとまった【×】問題でしょう。「吐出しガス温度は上昇」しますね。テキスト<8次:P198(b)>


ピストンリングの摩耗 P198

 リングは美味しい問題だから、必ずゲットしよう。<8次:P198(c)、P200例題>(例題の方もよく読んでおこう。)

・オイルリングが著しく摩耗すると、油圧保護圧力スイッチが作動することがある。 H13ho/01(R22往復圧縮機) 答え

【◯】 テキスト<8次:P200例題>
ピストンには上部にコンプレッションリング(ガスリング)、下部にオイルリングがある。オイルリングが摩耗すると油上がりが多くなって油量が減り正常な油圧を保つことができなくなり、油圧保護圧力スイッチ作動し圧縮機が停止する。

・コンプレッションリングが摩耗すると、圧縮機からの油上がりが多くなり、熱交換器での伝熱が悪くなって冷凍能力が低下する。(R22往復圧縮機) H14ho/01 答え

【×】 コンプレッションリングとオイルリングの違いをおぼえよう。テキスト<8次:P198(c)、P200例題>
コンプレッションリングが摩耗すると、シリンダーからクランクケース側にガスが漏れ、体積効率と冷凍能力が低下する。

・オイルリングが摩耗すると、圧縮機からの油上がりが多くなり、送り出された油は凝縮器や蒸発器の伝熱を阻害する。 H18ho/01 答え

【◯】 このリングの問題は、3種にも出題されるけど頻繁に出るというわけでもない。5年分の過去問をガンガンしていれば大丈夫だと思います。

20/11/20 22/02/28

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修正・訂正箇所履歴

【2020(R02)/01/02 新設】(← 履歴をここに作った日

  • ページ分割、及び、文章見直し(2020(R02)/09/08)
  • 予想問題 by echoを追加。(2022(R04)/02/26)
  • 「吐出し弁の漏れ」R01ho/01の解説「体積効率および吐出しガス温度の上昇を招く。」→「体積効率の低下と吐出しガス温度の上昇を招く。」に訂正。(2022(R04)/02/27)
  • 油量、油圧、油ヒータ、密閉圧縮機を別ページに分割。(2022(R04_1_No2_0)/02/27)

【参考文献・リンク】

  • 初級受検テキスト:日本冷凍空調学会
  • 上級受検テキスト(上級受検テキスト):日本冷凍空調学会
  • 冷凍機械責任者(1・2・3冷)試験問題と解答例:日本冷凍空調学会
  • 第3種冷凍機械責任者試験模範解答集 :電気書院
  • 第1・2種冷凍機械責任者試験模範解答集 :電気書院

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