圧縮機の油量、油圧、油温(油ヒータ)についての問題です。最後に「密閉圧縮機」についていろいろ問われます。
テキスト読んで、一通り過去問をこなせば感覚的にわかるでしょう。この問題は、確実にゲットしておきたい。
『上級 受検テキスト:日本冷凍空調学会』9次改訂版(令和4年11月8日改訂)に対応しています。適当に、8次改訂版のページを( )内に残してあります。
問題数は少なめ。 (給油圧力) = (油圧計指示圧力)-(クランクケース内ガス圧力)
を、頭に入れておきましょう。
・冷凍機油は、円滑な躍動と摩耗防止のほかに、摩擦によって生じる熱を除去することや密封および防錆作用の役割がある。 by echo
【◯】 ぅむ。 テキスト<P206 (15.1.6 油量と油圧の確保)>の冒頭。
・多気筒圧縮機で強制給油潤滑式の場合、給油圧力は油圧計指示圧力からクランクケース内ガス圧力を減じた値である。 H26保/01
・強制給油方式を用いた多気筒圧縮機の給油圧力は、油圧計指示圧力からクランクケース内圧力を差し引いた圧力である。 R01保/01
【両方 ◯】 テキスト<9次:P206右 (1)往復圧縮機>にズバリ。
(給油圧力) = (油圧計指示圧力)-(クランクケース内ガス圧力)
平成26年度と令和元年度の、問題文の違いを、お楽しみください…。
・多気筒圧縮機の適正な給油圧力は、油圧計指示圧力にクランクケース内圧力を足した値で判断する。この給油圧力は油圧調整弁で調節する。 H30保/01
【×】 出た-。今度は間違い問題。正しい文章にしておきましょう。テキスト<9次:P206右 (1)往復圧縮機>にズバリ。
多気筒圧縮機の適正な給油圧力は、油圧計指示圧力からクランクケース内圧力を減じた(引いた)値で判断する。この給油圧力は油圧調整弁で調節する。
テキストには、スクリュー圧縮機の給油方式や給油圧力などが記されているが、過去問が見当たらない。(by echo予想問題を追加。(2022(R04)/02/26))
・スクリュー圧縮機の運転時は、クランクケースの油面計で油量を確認する。 by echo
【×】 そもそも、スクリュー圧縮機にクランクケースは無いよね。「油分離器」の油面計で確認する。テキスト<9次:P206下~P207左上>
・スクリュー圧縮機の給油圧力は、強制給油式では吸込み圧力より0.2~0.3Mpa高い値が適正値とされている。 by echo
【×】 「吸込み圧力」ではなくて「吐出し圧力」です。テキスト<9次:P207左上>
・スクリュー圧縮機の給油圧力は、差圧給油式では吐出し圧力より0.05~0.15Mpa高い値が適正値とされている。 by echo
【×】 「高い」ではなくて「低い」です。テキスト<9次:P207左上><
令和4年度に初出題されました。あとの問題は、by echo(echoland作)
・冷凍機油に鉱油を用いたアンモニアを冷媒とする往復圧縮機では、吐出しガス温度が高く、鉱油が劣化しやすくなるため、一般に、圧縮機から吐き出された冷凍機油を圧縮機に戻すことはしない。 R04保/01
【◯】 令和になって初めて出題?<解説略> テキスト<9次:P207左>
・アンモニア冷媒圧縮機で、アンモニアと相溶性のある合成油を用いた場合は、フルオロカーボン冷媒と同様に圧縮機に戻す。 by echo
【◯】 「相溶性のある合成油」は、高い吐出しガス温度でも劣化しないのでしょうねぇ。テキスト<9次:P207左下>
・運転停止中の多気筒圧縮機のクランクケース内の油温が低いと、多量の冷媒が油に溶解し、始動時にオイルフォーミングを発生させ、液圧縮を起こして潤滑不良や弁割れを起こすことがある。 H20保/01
【◯】 これは、サービス問題かな。
テキスト<9次:P207「油ヒータ」>を必ず一読しておこう。冷媒つながりで<9次:P230「16.7 クランクケースヒータの使用」>も一読です。
・圧縮機にオイルフォーミングが起きると、油圧保護スイッチが作動して、圧縮機が運転できなくなることがある。オイルフォーミングを防止するために、始動前にクランクケースヒータにより油温を周囲温度よりも高く上げておくようにする。 H23保/01
・往復圧縮機にオイルフォーミングが起きると、油圧保護圧力スイッチが作動して、圧縮機が運転できなくなることがある。オイルフォーミングを防止するため、始動前にクランクケースヒータを用いて油温を周囲温度よりも高温にする。 R06保/01
【両方 ◯】 ぅむ ❢❢(令和6年度は微妙に文言が違うので別にした。)テキスト<9次:P207右上>
・始動時に圧縮機内で油に溶け込んでいた冷媒が急激に気化しオイルフォーミングが起きると、吐出し温度が低下し、油上りが多くなる。スクリュー圧縮機でこれを防止する場合は、油分離器の油だめにヒータを用いて始動前に油温を上げて、冷媒の溶解量を少なくする必要がある。 H25保/01
【◯】 テキスト7次改訂版から、項目名が「クランクケースヒータ」から「油ヒータ」に変わり、このスクリュー圧縮機についての文章も追加された。<9次:P207右~>
・フルオロカーボンを冷媒とする往復圧縮機では、始動時にオイルフォーミングなどを引き起こすことがある。これを防止するため、圧縮機運転前に油温を周囲温度より高く上げる必要がある。アンモニアを冷媒としている場合は、一般に、圧縮機運転前に油温を高める必要はない。 R03保/01
【×】 この問いは、アンモニアの場合はどうなるか?でしょう。テキストにちゃんと記されています。テキスト<9次:P207 下6行>
冷凍機油(鉱油)に溶解しにくいアンモニアを冷媒としている場合にも、油温が低いとアンモニアがクランクケースや油分離器の油溜めで凝縮し、不具合を起こすことがあるので、圧縮機運転開始前には油ヒータで必ず油温を周囲温度よりも高く上げておく。
・密閉圧縮機では、冷媒蒸気により圧縮部は冷却されるが、電動機は冷却されない。 H18保/01
【×】 たった一行の問題だけど勉強不足だと戸惑うかも。密閉というのが先ず一つ目のカギ、あとは圧縮部と電動機かな、密閉なので空気では冷却できないから冷媒蒸気で冷却する、 圧縮部と電動機の違い(構造のイメージ)を勉強しよう、テキストを一度じっくり読みましょう。テキスト<9次:P208 (密閉圧縮機の運転上必要な配慮)>を読みつつ、<9次:P34の図とP36>で読み解くしかないだろう。
・密閉・半密閉冷凍機の電動機が焼損すると、巻線の絶縁物や潤滑油が焼けて、圧縮機内にカーボンが付着したり、冷媒の分解が生じることがある。こういう場合でも、圧縮機の交換だけでよく、冷凍サイクル内の洗浄は必要ない。 H25保/01
【×】 この問題はココに置く。(2014/09/12)
テキストには密閉圧縮機の運転注意事項多く記されている。(出題は少ないけど…)
この問題は、<8次:P208左>にズバリ書いてある。冷媒サイクル内を全て洗浄しなければならない。大変なことである。「始末書」確実(そして賞与カット、配置転換、まさかの首…ぐらい大変かも)です。
・密閉圧縮機、半密閉圧縮機の電動機が焼損すると、巻線の絶縁物や潤滑油が焼けて、圧縮機内にカーボンが付着したり、冷媒の分解が生じることがある。この場合の対処は、一般に、圧縮機の交換だけでよい。 R02保/01
【×】 「H25保/01」と文章がところどころ違うので別にした。もちろん圧縮機の交換だけでは駄目です。
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【2022(R04)/02/28 新設】(← 履歴をここに作った日)