圧力容器の安全弁 P183右(P177右)

 この頁は、容器の安全弁です。口径算出式を覚えないと解けないでしょう。覚えなくば、イメージから勘で挑戦です。

 テキストは<9次:P183右(8次:P177右)>の計算式です。(放出口は、<9次:P185左 真ん中辺り>)

テキスト9次改訂版について

 『上級 受検テキスト:日本冷凍空調学会』9次改訂版(令和4年11月8日改訂)に対応しています。適当に、8次改訂版のページを( )内に残してあります。

凝縮器や受液器に取り付ける安全弁

 口径の算出式が、圧縮機と変わるので混同しないように注意すべし。

・凝縮器や受液器に取り付ける安全弁の必要最小口径は、容器の内容積に正比例している。 H15保/08 答え

【×】 まずは、圧縮機と容器の安全弁口径の基準は違うということを頭に入れよう。
 冷凍保安規則関係例示基準8.8 より
(『上級 冷凍受験テキスト』<9次:183右>)
凝縮器や受液器は、圧力容器であるから、
d3 = C3√DL (凝縮器や受液器に取り付ける安全弁の必要最小口径d3=C3√DLの画像図
 d3:安全弁又は破裂板の最小口径
 C3:ガスの種類による定数
 D:容器の外径
 L:容器の長さ
 (外径と長さの積の平方根に正比例する
------------------------------
圧縮機の場合は、
 d1 = C1√V1
 C1:定数
 V1:ピストン押しのけ量
 (ピストン押しのけ量の平方根に正比例する)

・凝縮器や受液器に取り付ける安全弁の必要最小口径は、各容器の外表面積に正比例する。 H24保/08 答え

【×】 平成15年度と同等の問題、惑わされないように! 外径と長さの積の平方根に正比例する。  凝縮器や受液器に取り付ける安全弁の必要最小口径d3=C3√DLの画像図

・圧力容器に取り付ける安全弁の必要最小口径は、容器の直径と長さの積に正比例する。 H22保/08 答え

【×】 容器です。
大丈夫でしたか?  凝縮器や受液器に取り付ける安全弁の必要最小口径d3=C3√DLの画像図 つまり、積の平方根に比例するんだね。もうゲット確実ですね。

・圧力容器用安全弁は、火災などの際に外部から加熱されて容器内の冷媒が温度上昇することによって、その飽和圧力が設定された圧力に達したときに、蒸発する冷媒を噴出して、過度に圧力が上昇することを防止することができなければならない。 R01保/08 R03保/08 答え

【◯】 ぅむ。 テキスト<9次:P183右 9行目~>にズバリです。

 令和3年度は元年度を、まんまコピペしての出題でした。ま、だからどうした。ですけど。


安全弁の放出口

 2問しかないですけど。(2016/記ス) 令和2年度新規追加。(2020(R02)/11/23記ス)

・安全弁放出口に接続される放出管の口径が安全弁の口径と同じであれば、放出管の配管長は背圧に関係しない。 H18保/08 答え

【×】 放出管の「背圧」に関しては、テキスト<9次:P185 (13.1.2 安全弁)の最後4行>に、さりげなく書いてある。

 この問題は実務をしてないとイメージが湧いてこないかもしれない(そうでもないかな)…まず、背圧って何?だよね。口径が細いとなんとなく詰まる感じがするよね、排気抵抗みたいなものといえばいいかな。

 口径が同じでも、配管が長すぎるとやっぱし詰まる感じがする。理科で作った?空気鉄砲のイメージかなぁ。だから、関係ないことはない、配管が長い場合は口径の大きい配管にするとかってことになる。

・安全弁の放出口から放出されるガスを建屋上部から大気に放出する場合は、冷媒ガスの種類に関係なく大気放出が許される。ただし、放出管の口径は、安全弁の所要吹出し量が確保できるようにしなければならない。 H23保/08 答え

【×】 ガス種に関係なくOK、なんてことはないだろ、たぶん。と思う問題。
 テキスト<9次:P185左 真ん中チョイ下辺り>を読んでほしい。
 毒性ガスは大気放出の前に除害装置に入れる。不燃性ガスや可燃性ガスは、酸欠や火事にならないような場所に放出管をつけるなど注意しないとならない。

・安全弁から放出する不燃性の冷媒ガスの場合は、毒性がなくても酸欠にならないように放出する必要がある。また、毒性ガスや可燃性ガスの場合は、火気に注意して、除害装置へ放出するようにしなければならない。 R02保/08 答え

【×】 正しい文章にしてみましょう。テキスト<9次:P185左 真ん中チョイ下辺り>

  安全弁から放出する可燃性の冷媒ガスの場合は、火気に注意し、不燃性ガスは毒性がなくても酸欠にならないように放出する必要がある。また、毒性ガスの場合は、除害装置へ放出するようにしなければならない。

 可燃性ガスを除害装置に導くことは危険だと思う。ところが、アンモニアは可燃性ガス毒性ガスなので、どうすりゃいいのという疑問が湧く。そこで、テキストを隅々まで調べると下記のような結論となった。留意されたい。

 除害設備 → アンモニアガスの除害(テキスト<9次:P33右(P33右)、P119左(d)(P115左(d))、P196左(P190左)>)
 除害装置 → 毒性ガスの除害(テキスト<9次:P185左(P179左)、P195左(e)(P189左(e))( ← P195左(e)(P189左(e))には、「毒ガス」「除害設備」と記されているが、文脈から見て「除害装置」と思われる。)>)

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修正・訂正箇所履歴

【2016/08/02 新設】(← 履歴をここに作った日

  • テキスト8次改訂版へ対応済み。解説見直し。 (2017(H29)/01/06)
  • 解説文見直し。(2019(R1)/09/26)
  • 『上級 受検テキスト:日本冷凍空調学会』9次改訂版(令和4年11月8日改訂)に対応。(2023(R05)/10/05)
  • 解説等、見直し。(2023(R05)/10/05)

【参考文献・リンク】

  • 初級 受検テキスト(SIによる初級受検テキスト):日本冷凍空調学会
  • 上級 受検テキスト(SIによる上級受検テキスト):日本冷凍空調学会
  • 冷凍機械責任者(1・2・3冷)試験問題と解答例(13):日本冷凍空調学会
  • 第3種冷凍機械責任者試験模範解答集 :電気書院
  • 第1・2種冷凍機械責任者試験模範解答集 :電気書院

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