この問題は、保安(問5)、学識(問8)で出題される。温度式膨張弁は、なんといっても自動制御機器のキモでしょう。
『上級 冷凍受験テキスト:日本冷凍空調学会』
過去問しながら一生懸命読もう。年代順に並べます。
・空気冷却器に取り付けた温度自動膨張弁の過熱度設定値を大きくすると、冷却能力が大きくなる。 H15ho/03
【×】 迷走の上この問題はココにも…。この答えは、テキストのどこから読み取ればいいか迷う。
テキスト<8次:P117右一番下(b)~>辺りから読み取るしか無いかな。過熱度設定値を大きくすると、膨張弁の弁が閉じる。冷媒量が少なくなって、冷却能力は小さくなる。
・良好な過熱度制御特性を得るためには、蒸発器の熱負荷容量特性と弁容量特性とが適合した膨張弁を選定しなければならない。 H19ga/08
【◯】 保安が記述式の頃の1冷では、この文章を書くことができないと駄目だった。
<8次:P117右一番下(b)~P117左上6行目まで ((b)温度自動膨張弁は自力制御弁であり,~
)>をから読み解くしかないか。
温度自動膨張弁に要求される諸特性のうちの重要な一項目。よく読んで過去問ガンガンやれば、感覚的に分かってくるはずだ。「膨張弁」って面白いよ、さぁ、頑張ろう。
─── 8次改訂版について ───
この辺りは7次改訂版と比べると、ビツクリするほど大幅に改編されている。なので、この辺りの、数年前よりの過去問は、ズバリの文章は、なくなったかもしれない。
なんというかネ、面白くないね…。(2016(H28)/12/31記ス)
・温度自動膨張弁の役割には、高圧の冷媒液を蒸発器に絞り膨張させる機能と、設定圧力に応じて冷媒流量を調節する機能があり、膨張弁は蒸発器の標準運転条件のみによって選定する。 H27ga/08
【×】 「標準運転条件のみ」ではない。蒸発器の容量、負荷の変動など。正しい文章にしてみましょう。
温度自動膨張弁の役割には、高圧の冷媒液を蒸発器に絞り膨張させる機能と、設定圧力に応じて冷媒流量を調節する機能があり、膨張弁は蒸発器の標準運転条件だけでなく、予想される最大と最小の熱負荷に含めた負荷変動の範囲、蒸発温度設定値の変更の有無などを考慮して選定する。
テキスト
機能<8次:P117右中 (10.1 温度自動膨張弁の機能には~)>と、
選定<8次:P126右 ((a) 蒸発器負荷特性の把握)>の冒頭を、
読んでもらうしかないy。
・温度自動膨張弁の容量は、オリフィス口径と弁開度でほぼ決まるが、その他に、凝縮圧力と蒸発圧力との圧力差によっても変わる。 H20ga/08
【◯】 ぅむ。
テキスト<8次:P125左 (10.1.5 膨張弁の容量)>の冒頭部分にズバリです。
・温度自動膨張弁は、オリフィス口径、弁開度、出入り口間の圧力差、過冷却度により決まる。弁容量が過大であると、ハンチング現象が発生し、冷媒液配管、膨張弁のキャピラリチューブ、均圧管などの亀裂事故につながることがある。 H22ho/5
【◯】 ぅむ。その通りとしか言いようがない。
テキスト<8次:P125 (10.1.5 膨張弁の容量)>ここの半ページを一度熟読するしかない。
・温度自動膨張弁の容量(冷凍能力)が蒸発器の容量に対して過大な場合にはハンチングを起こしやすくなり、過小な場合には熱負荷が大きくなったときに冷媒流量不足による冷却不良や過熱度の増大などの不具合をもたらすことになる。 H29ga/08
【◯】 ぅむ。過大の場合と過少の場合、その通り!としか言いようがない。 テキスト<8次:P125右真ん中辺り>
・温度自動膨張弁の容量は、オリフィス口径、弁開度、出入口間の圧力差、過冷却度により決まる。弁容量が大きすぎるとハンチングを起こしやすくなり、小さすぎると熱負荷が大きくなったときに冷却不良などの不具合が生じる。 R01ho/05
【◯】 弁容量の決め方、弁容量が大きい、小さい場合、上手にまとめた良い問題文ですね。
【雑感】
同等な問題でも、H29年は学識問8でR01年は保安問5で出題されている。だから何なのという感じでもあるが、ま、心の隅にでも留めておきたい。
・膨張弁の選定には標準運転条件だけでなく、蒸発器の大きさ、負荷変動、蒸発温度設定値の変更なども考慮して、膨張弁容量、チャージ方式、均圧形式などを選択する。 H21ga/08
【◯】 なんとなく丸にする(サービス?)問題。
テキスト<8次:P126右 ((a) 蒸発器の負荷特性の把握)>を把握しよう。
余裕があれば<8次:P214左 ((1) 膨張弁の選定不良)>も読む(保安の問題に関連)
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【2016/07/23 新設】(← 履歴をここに作った日)