配管材料・接続方法 P150~P152

 材料は「SGP」「アルミニウム合金」などがキモでしょう。接続は、継ぎ手の「ろう付け」あたりかな。

 テキストは『上級 冷凍受験テキスト:日本冷凍空調学会』<8次:P149~P152>です。一度は、熟読しましょう。

配管材料

 配管材料の記号や性質等、わりと手強いと思われ。テキスト<8次:P150 (11.2 配管材料)>  参考) SPG(Steel Gas Pipe) STPG(Steel Tube Pipe General)

(a)(b)(c)

 テキスト<8次:P150左(a)(b)(c)>

・フルオロカーボン冷凍装置の冷媒配管に銅管を使用できるが、腐食の問題から鋼管は使用できない。 H14ho/07 答え

【×】 問題をよく読んで、銅管と鋼管の文字の違いに注意しよう。
 フルオロカーボンは、銅管も鋼管も腐食の問題はない。テキスト<8次:P150左 (b)>辺りから読み取るしかないかな。

・アンモニア冷媒の配管材料として、銅管及び銅合金は使用できない。また、フルオロカーボン冷媒では、2%以上のマグネシウムを含有したアルミニウム合金は使用できない。
 H16ho/07 答え

【◯】 ピンポン。テキスト<8次:P150左 (b)>  注)下記の「「2%以上」と「2%を超える」について」を読むこと。


・アンモニア冷媒の配管材料として、銅および銅合金は使用できない。また、フルオロカーボン冷媒では、2%を超えるマグネシウムを含有したアルミニウム合金は使用できない。
 H25ho/07 答え

【◯】 ぅむ!(H16年度と四文字(超える)ちがい。)テキスト<8次:P150左 (b)>


「2%以上」と「2%を超える」について

  • 「2%以上」 ← 2%を含む
  • 「2%を超える」 ← 2%を含まない

 H16年度は「2%以上」で、H25年度は「2%を超える」となっているが、echoの誤植ではない。原文のままである。

 手元にあるテキストによると、「第3次改訂版:平成13年(2001)11月30日」では「2%以上」と記されており、「第6次改訂版:平成19年(2007)11月30日」では「2%を超える」と記されている。4次か5次あたりで変更されたようである。

 現在(令和4年(2022)3月24日)であるが、最新の「8次改訂版:平成27年(2015)11月20日」でも「2%を超える」である。よって、H16年の問題は【◯】とされているが、現在、出題されれば【×】になると思われる。(たぶん、そんなひっかけ問題は出題されないと思うけど…。)


(d)

 テキスト<8次:P150左右 (d)>

・アンモニア冷凍装置の低圧側運転圧力が0.5MPa以下なので、配管材料として配管用炭素鋼鋼管(配管用炭素鋼管)(SGP)を使用した。 H21ho/07 答え

【×】 ぅむ、とにかくSGPは、毒は駄目。

・配管用炭素鋼鋼管(SGP)を-35℃の低温用配管として使用した。 H22ho/07 答え

【×】 ぅ~ん、-25℃だ。覚えるのが大変だね。STPGは-50℃だから、-25と-50を記憶に留めておけばよいかな。  テキスト<8次:P150左~右 (11.2 配管材料) (d)>です。

・低温配管では、圧力配管用炭素鋼鋼管(STPG)は-25℃まで、配管用炭素鋼鋼管(SGP)は-50℃までは使用することができる。 H24ho/07 答え

【×】 ぉ、おい! SGPとSTPGが逆でないの!
 結局全部覚えなさいと…。健闘を祈る。


・低温配管には、配管用炭素鋼鋼管(SGP)や圧力配管用炭素鋼鋼管(STPG)などがあり、SGPのほうがSTPGよりも低温で使用することができる。 R02ho/07 答え

【×】   (STPG)は-50℃、(SGP)は-25℃ と覚えるしかない。

  低温配管には、配管用炭素鋼鋼管(SGP)や圧力配管用炭素鋼鋼管(STPG)などがあり、STPGのほうがSGPよりも低温で使用することができる。
 又は、(参考:今後の引掛け対応のために)
  低温配管には、配管用炭素鋼鋼管(SGP)や圧力配管用炭素鋼鋼管(STPG)などがあり、SGPよりもSTPGのほうが低温で使用することができる。

・アンモニア冷凍装置において、-35℃の冷媒ガス用低温配管には、配管用炭素鋼鋼管(SGP)を一般的に使用する。 H29ho/07

・アンモニア冷凍装置において、-35℃の冷媒ガス用低温配管には、一般に、配管用炭素鋼鋼管(SGP)を使用する。 R03ho/07 答え

【両方 ×】 -35℃にまどわされないように。アンモニアは毒性なのでSGPは使用できないですね。テキスト<8次:P150右 (11.2 配管材料) (f)>です。

・アンモニア冷凍装置の低圧側運転圧力が1.0MPa以下の場合、一般的に配管材料として配管用炭素鋼鋼管(SGP)を使用できる。 H30ho/07 答え

【×】 使用できません。
 久々に圧力とのコラボ問題が出ました。圧力や使用温度に惑わされないように、関係ないですね!とにかくSGPは、アンモニアは駄目。

・フルオロカーボン冷凍装置の冷媒配管には銅管が使用できるが、配管用炭素鋼鋼管(SGP)は-20℃以下の低温では使用できない。 R01ho/07 答え

【×】 もう覚えました?  -25℃ まで、使用できますね!


(e)(f)

 テキスト<8次:P150右 (e)(f)>

・銅管および銅合金管は継目無管の使用が望ましく、アルミニウム管は継目無管を用いる。 by echo 答え

【◯】 アルミニウム管は必ず継目無管を使えということですね。テキスト<8次:P150右 (e)>

・アンモニア冷凍装置の配管に、配管用炭素鋼鋼管(SGP)を使用した。 H15ho/07 答え

【×】 配管用炭素鋼鋼管(SGP、ガス管)は、毒性冷媒は使用不可。「毒性」を覚えよう。テキスト<8次:P150右 (f)>

・100℃を超える圧縮機の吐き出しガス配管に、配管用炭素鋼鋼管(SGP)を使用した。 by echo 答え

【×】 100℃を超える耐圧部分には使えません!「100℃」を覚えよう。テキスト<8次:P150右 (f)>

・設計圧力が1Mpaを超える耐圧部分には、配管用炭素鋼鋼管(SGP)は使用できない。  by echo 答え

【◯】 今度は【◯】ですw。「1Mpa」を覚えよう。テキスト<8次:P150右 (f)>


(g)

 テキスト<8次:P150右 (g)>

・空気冷却器などの管の外面が水や湿気に触れる部分には、純度が99.7%未満のアルミニウムを使用してはならない。 by echo 答え

【◯】 そういうことらしいです。テキスト<8次:P150右 (g)>


配管の接続方法(継ぎ手)

 継手の問題は、ポツリポツリと出題されるようですねぇ。これもわりと、手強い。ろう材がポイントかな。それと、ろう付け温度の把握。<8次:P151>


(1)溶接継手

・フランジ継手などで取り外しの必要のない鋼管は、ろう付けによって接合する。ろう付けにはBAg系のろう材がよく使われている。 H28ho/07 答え

【×】 正しい文章にしてみましょう。テキストは<8次:P151左上>

  フランジ継手などで取り外しの必要のない鋼管は、溶接継手とする。ろう付けにはBAg系のろう材がよく使われている。

 「溶接」と「ろう付け」は違うので注意。ろう付けは、ま、接着剤でくっつける感じ。


(2)ろう付け継手

 「差込み深さ」と「ろう材とろう付け温度」に分類してあります。問題こなせば大丈夫でしょう。テキスト<8次:P151>

差込み深さ

 問題こなせばなんとなく分かってくる。とりあえず「6mm」を覚えておけばいいかな。テキスト<8次:P151 表11.3>

・外径25.4mmの銅管をろう付けにより接合する場合、ろうによる接着力とせん断に対する抵抗力で強度をもたせるものであるから、はまり込み深さを50mm以上、隙間を0.5mm以上にした。H18ho/07 答え

【×】 この問題は、今までにない問題だね。(2007(H19)/12/08記す)
 具体的な数字が出ているから困ってしまう。こんなの覚えきれないでしょ!
 実際仕事するんだって、該当書類を見ればいいことなんだから!・・と、
 文句を言ってもしょうがないので、テキスト<8次:P151 (表11.3 鋼管及び銅合金継ぎ手の最小差し込み深さ )>)を見ると、一番大きい外径45㎜でも最小はまり込み深さは14㎜になっているから、設問の50㎜は 明らかに大きすぎておかしい…と、気が付けばいいのだけど。ある意味サービス問題かも。

・銅管は、銀ろうや黄銅ろうなどのろう材を使用し、ろう付けにより接合する。ろう付けは、銅管を差し込んで接合面を重ね合わせ、その隙間に溶けたろう材を流し込み溶着させる。差込みの最小深さは3 mmとする。 H24ho/07 答え

【×】 ぉーい!今度は3ミリって、少なすぎでしょ!
 表によれば一番少なくても6mmである。テキスト<8次:P151表11.3>を、よく見ておけば、あなたなら余裕。


・銅管のろう付けは、ろう付け継手に銅管を差し込んで接合面を重ね合わせ、その隙間に溶けたろう材を流し込み溶着させる。銅管の外径が5 mm以上8 mm未満では、最小差込み深さは3 mmとする。 R03ho/07 答え

【×】 3 mmが好きだねw。テキスト<8次:P151表11.3>をじっくりながめておくしかないかな。


ろう材とろう付け温度

 ろう付温度の比較が大変です。テキスト<8次:P151左下4行~右4行>

・銅管の接合にはろう付けが使用され、ろう材には銀ろう(BAg)系が使用されるが、黄銅(BCuZn)系のろう材も使用される。 H20ho/07


・一般的に、鋼管の接合にはろう付けが使用される。ろう材には銀ろう(BAg)系が用いられるが、黄銅ろう(BCuZn)系も使用できる。 H30ho/07答え

【両方 ◯】 ぅ~ん、ここまで覚えなきゃいけないの!
 と、叫びたくなる問題。テキスト<8次:P151>を一度、集中して読んでおくとなんとかなるかも…。

 10年後に、また、出題されたので覚えておくしかないね。(2019(R1)/06/26記ス)

・ろう付けに使用するろう材はBAg(銀ろう)系とBCuZn(黄銅ろう)系があるが、ろう付け温度はBAg系のほうが高い。 H22ho/07

・銅管のろう付けは、 BAg(銀ろう)系、BCuZn(黄銅ろう)系などのろう材を使用し、銅管にろう付け継手を差し込んで接合面を重ね合わせ、その隙間にフラックスを用いて溶けたろうを流し込み溶着させる。ろう付け温度は、BAg系のほうがBCuZn系よりも高い。 H26ho/07

・銅管のろう付けに使用するろう材にはBAg系とBCuZn系のろう材があり、BAg系のほうがろう付け温度が高い。 H27ho/07 答え

【全部 ×】 テキスト<8次:P151左下>によれば、BAg系ろう材は625~700℃で、BCuZn系のろう材は850~890℃と記されている。ということは、「ろう付け温度は、BAg系のほうがBCuZn系よりも低い。」   この2種類の比較だけだから、もう、楽勝ですね。

・銅管のろう付けに使用するろう材には、BAg系とBCuZn系のろう材がある。BCuZn系のろう付け温度は、BAg系より高い。 R01ho/07 答え

【◯】 今度は【◯】です。素晴らしきかな、日本語をお楽しみください。

・銅管のろう付けに使用するろう材には、BAg系やBCuZn系などのろう材があり、BCuZn系のほうがBAg 系よりもろう付け温度が高い。 R02ho/07 答え

【◯】 今度も◯です。(BAg系625~700℃、BCuZn系850~890℃)もう、どんな日本語でも大丈夫ですよね!


(3)フランジ継手

 イメージない方は → 「フランジ継手」Google画像検索 テキストは<8次:P151右下~P152>

・冷媒配管系の修理や点検のために取り外す可能性のある箇所には、銅管、鋼管、いずれもフランジ継手を使用する。 by echo 答え

【◯】 画像検索でイメージ付けておけば、困惑問題が出てもきっと大丈夫。


(4)フレア継手

 イメージない方は → 「フレア継手」Google画像検索 テキストは<8次:P152左>

・管径が19.05mmまでの小口径の銅管で取り外す可能性のある部分には、フレア継手を使用することが多い。 by echo 答え

【◯】 素直に【◯】の問題だけど、「19.05mm」とか「銅管」とかで【×】問題を作るのかしら?


(4)フレア継手

 イメージない方は → 「ねじ込み継手」Google画像検索 テキストは<8次:P152左>

・アンモニア用の小口径の鋼管の配管では、ねじ込み継手を使用することがある。 by echo 答え

【◯】 ぅ~ん、「フルオロカーボン用」「銅管」とかで【×】問題を作ってみたいw。さすがに「小口径」は使わないw。

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修正・訂正箇所履歴

【2016/07/28 新設】(← 履歴をここに作った日

  • テキスト8次改訂版へ対応済み。解説見直し。(2017(H29)/01/05)
  • 配管材料〔H29ho/07〕  35℃の冷媒ガス用 →  35℃の冷媒ガス用 に訂正。 他、全体的に見直し。(2019(R1)/09/24)
  • 配管材料を2分割。(2019(R1)/09/24)
  • 全体的に見直し。(2022(R04)/03/24)

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【参考文献・リンク】

  • 初級 受検テキスト(SIによる初級受検テキスト):日本冷凍空調学会
  • 上級 受検テキスト(SIによる上級受検テキスト):日本冷凍空調学会
  • 冷凍機械責任者(1・2・3冷)試験問題と解答例(13):日本冷凍空調学会
  • 第3種冷凍機械責任者試験模範解答集 :電気書院
  • 第1・2種冷凍機械責任者試験模範解答集 :電気書院

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