吐出しガス配管 P158~P159(P152~P153)

 『上級 冷凍受験テキスト:日本冷凍空調学会』<9次:P157右 (2)(P152右 (2))~>に、「吐き出し配管の施工上最も大切なこと」が書いてあるのでよく読んで頭にいれておくべし!

冷凍サイクル概略図 吐出しガス配管
冷凍サイクル概略図 吐出しガス配管

  • 11.4 冷媒配管の施工上の注意 P158~P164
    • 11.4.1 吐出しガス配管 P158
      • (1) 吐出しガス配管の管径 P158
      • (2) 吐出しガス配管の施工上の注意 P158~P159

 吸込み配管と混同しないように、「吐出し配管、吐出し配管、吐出し配管」と念じるように、常に頭に入れて問題を解くようにしよう。

テキスト9次改訂版について

 『上級 受検テキスト:日本冷凍空調学会』9次改訂版(令和4年11月8日改訂)に対応しています。適当に、8次改訂版のページを( )内に残してあります。

吐出しガス配管の管径 P158

 管径に関連してテキストには流速の数値がたくさん記されている。他のページにもあるので、混同しないようにmemoしたほうが良いかも。


(a) 流速の確保

 テキスト<9次:P158右上(a)>

吐出しガス配管の適切な管径の冷媒速度概略図
吐出しガス配管の適切な管径の冷媒速度概略図

・圧縮機の吐出し配管径を決定する際に、確実に冷媒ガスに吐出された油が同伴される流速を確保できるように、立上がり吐出し配管内の冷媒ガス流速を 7 m/s とした。 H21保/07 答え

【◯】 ぅむ、7 m/s が鍵ですね。
 テキストを読んで覚えるしかない。(横走り管 3.5 m/s 以上、立ち上がり管 6 m/s 以上)テキスト<9次:P158右上(a)>

・吐出しガス配管は冷媒ガスとともに圧縮機から吐き出された油が冷媒ガスに確実に同伴されるように、一般的には、冷媒ガスの流速が横走り管で 3.5 m/s 以上、立ち上がり管で 6 m/s 以上となるとともに、冷媒ガスの弁の絞りや管の摩擦抵抗損失による圧力降下は 0.02 MPa を超えないように配管径を決める。 H29保/07 答え

【◯】 ぅむ。数値はすべてテキストと同じ。テキスト<9次:P158右上(a)と(c)>


(b)圧力降下と流体騒音

 テキスト<9次:P158右上(b)>

・過大な圧力降下と流体騒音を生じない程度の冷媒ガス流速に抑える。一般に、25 m/s 以下とするのがよい。 by echo 答え

【◯】 「25 m/s 以下」は、覚えたほうが良いかも。テキスト<9次:P158右上(b)>


(c)摩擦抵抗損失

 テキスト<9次:P158右上(c)>

・吐出しガス配管の、冷媒ガスの弁の絞りや、管の摩擦抵抗損失による圧力降下は、0.02 MPa を超えないように配管径を決める。 by echo 答え

【◯】 覚える数値がたくさんで困惑。頑張ろう。テキスト<9次:P158右上(c)


吐出しガス配管の施工上の注意 P158~P159

 テキスト<9次:P158右下~P159>


(a)勾配

 吐出し配管になんで勾配を付けるかを把握すれば、鉛筆を転がさなくても良いでしょう。テキスト<9次:P158右下(a)>

吐出しガス配管の下がり勾配の概略図
吐出しガス配管の下がり勾配の概略図

・圧縮機吐出し配管の水平部(横引き部)は、下り勾配がよい。 H13保/07 答え

【◯】 圧縮機が停止しているとき、配管内で凝縮した冷媒液や油が逆流しないように下り勾配(凝縮器側に流れるように)にする。 テキスト<9次:P158右下 ((2) 吐出しガス配管施工上の注意) (a)と図11.2>

・圧縮機から凝縮器に至る吐出し配管を上がり勾配とした。 H17保/07 答え

【×】 サービス問題!

・圧縮機の吐出し配管は上り勾配とし、圧縮機停止時に、油を圧縮機に戻すようにするのが望ましい。 H21保/07 答え

【×】 油を圧縮機に逆流させない(戻さない)ようにすべし!

・圧縮機と凝縮器とが同じ高さに設置されている場合の吐出し管は、圧縮機が停止しているときに油や管内で凝縮した冷媒液が圧縮機に逆流しないように、圧縮機からいったん立ち上がり管を設けてから下がり勾配で凝縮器に接続する。 H26保/07 答え

【◯】 ぅむ! テキスト<9次:P159 図11.2>

・圧縮機と凝縮器が同じ高さに設置されている場合は、圧縮機が停止しているときに油や管内で凝縮した冷媒液が圧縮機に逆流しないように、まず最初に圧縮機から立上がり管を設け、次に下がり勾配で凝縮器に配管する。 H29保/07 答え

【◯】 H26年度と同等の問題です。日本語の微妙な言葉使いをお楽しみください。解説略。


(b)凝縮器が圧縮機より高い

 テキスト<9次:P159左(b)> 凝縮器と圧縮機の高低差の大きさに応じて、不要だったり設けたりってところがポイント。

吐出し配管の立ち上がりとトラップ概略図
吐出し配管の立ち上がりとトラップ概略図

・凝縮器が圧縮機の上方7mにあるとき、立ち上がり配管の下部にトラップを設けた。 H17保/07 答え

【◯】 「上方7m」がポイント。勉強してないと分からない。これが2.5m以下だと、トラップ不要。

 吐出し配管においてもっとも重要なことは「圧縮機が停止しているときに、油や液が逆流してこないこと」 ← 一度テキスト<9次:P159左(b)と図11.3右側>よく読んで(図に書いてみると良い)、過去問こなせば大丈夫のはずだ。

・凝縮器が圧縮機よりも高い位置に設置されている場合に、圧縮機が停止しているときに、油や管内で凝縮した冷媒液が圧縮機に逆流しないように、吐出し管の高低差の大きさに応じてトラップを設けることがある。 H23保/07  R01保/07 場合に、場合、 あと同じ。) 答え

【◯】 はい、その通り。
  高低差の大きさに応じて  で確信を得られれば素直な良い問題だね。テキスト<9次:P153左(b)>を読み、図11.3左と右の図を、ジッと見つめる。


(c)逆止め弁

 テキスト<9次:P159左(c)>(過去問見当たらない。2023(R05)/09/28記ス

吐出しガス配管の逆止め弁概略図
吐出しガス配管の逆止め弁概略図

・年間を通して運転する装置では、冬期の圧縮機停止中に、凝縮器内の冷媒が蒸発して凝縮し、吐出しガス配管や圧縮機頭部に、液が溜まることのないように逆止め弁を設ける。 by echo 答え

【◯】 こんな感じの問題文でいいかな。テキスト<9次:P159左(c)>


(d)2台以上の圧縮機

 2台以上の圧縮機を並列運転は「逆止め弁」が必須。テキスト<9次:P159 (d)と図11.5>

2台の圧縮機吐出し配管の立ち上がりと逆止弁概略図
2台の圧縮機吐出し配管の立ち上がりと逆止弁概略図

・2台以上の圧縮機を並列運転する場合は、それぞれの圧縮機吐出し管に逆止め弁を取り付けるのがよい。 H14保/07 答え

【◯】 1台が停止中に圧縮機に冷媒が入り込んで油に溶け込まないようにする。テキスト<9次:P159(d)と図11.5>

・2台以上の圧縮機を並列運転する場合、それぞれの圧縮機の吐出し配管に逆止め弁を取り付け、停止している圧縮機に吐出し管内の冷媒や油が流れ込まないようにする。 H20保/07 答え

【◯】 ぅむ。図をジーっと見よう。

・圧縮機2台の並列運転の装置で、各々の圧縮機の吐出し側に逆止め弁を取り付けなかった。 H21保/07 答え

【×】 ぅむ。サービス問題!?

・フルオロカーボン冷凍装置で、2台以上の圧縮機を並列運転する場合には、それぞれの圧縮機の吐出し管に逆止め弁を取り付け、停止している圧縮機の油に冷媒が多量に溶け込まないようにする。また、各圧縮機は同一レベルに設置し、クランクケース内の油量が同じになるように、均圧管および均油管で結ぶ。 H26保/07 答え

【◯】 長い。けど、テキスト<9次:P159(d)>を上手にまとめた良文。

・2台以上の圧縮機を並列運転する場合には、それぞれの圧縮機の吐出しガス配管に逆止め弁を取り付ける。それぞれの吐出しガス配管を主管に接続するときは、主管の上側(上面側)に接続する。 H28保/07 答え

【◯】 ぅむ。「主管の上側に接続」は重要なポイントの一つ。

・2台以上の圧縮機を並列運転する場合には、停止している圧縮機の油に冷媒が溶け込まないよう、それぞれの圧縮機の吐出しガス配管に逆止め弁を取り付けるが、均圧管および均油管で結ぶ場合は取り付ける必要はない。 R04保/07 答え

【×】 H26保/07の改良版。正しい文章は、

2台以上の圧縮機を並列運転する場合には、停止している圧縮機の油に冷媒が溶け込まないよう、それぞれの圧縮機の吐出しガス配管に逆止め弁を取り付ける。また、各圧縮機は同一レベルに設置し、クランクケース内の油量が同じになるように、均圧管および均油管で結ぶ。

 05/05/21 07/12/08 08/01/20 09/03/08 10/10/10 11/07/28 11/07/28 12/05/20 13/09/26 14/09/05 15/07/04 17/12/19 22/03/24 23/09/28

修正・訂正箇所履歴

【2016/07/28 新設】(← 履歴をここに作った日

  • テキスト8次改訂版へ対応済み。解説見直し。(2017(H29)/01/05)
  • 全体的に見直し。(2022(R04)/03/24)
  • 『上級 受検テキスト:日本冷凍空調学会』9次改訂版(令和4年11月8日改訂)に対応。(2023(R05)/09/28)
  • 解説等、見直し。(2023(R05)/09/28)

Back to top ↑

【参考文献・リンク】

  • 初級 受検テキスト(SIによる初級受検テキスト):日本冷凍空調学会
  • 上級 受検テキスト(SIによる上級受検テキスト):日本冷凍空調学会
  • 冷凍機械責任者(1・2・3冷)試験問題と解答例(13):日本冷凍空調学会
  • 第3種冷凍機械責任者試験模範解答集 :電気書院
  • 第1・2種冷凍機械責任者試験模範解答集 :電気書院

Back to top ↑

^